2016/12/07

愛と夢いっぱいに思いきり振りまきたいよね。

12月3日と4日、福岡市民会館にて宝塚宙組公演「バレンシアの熱い花」「HOT EYES!!」を見てきました。

ほんとうは3日の2公演だけのつもりだったのですが、ショーがあまりにも楽しくて4日はキャナルシティ劇場で「黒執事」12時公演を見終わったあとタクシーで15時公演に駆けつけてしまいましたcoldsweats01
全国ツアーならではの熱い客席。
舞台の上も客席も幸せな興奮がビシバシッ!! 思わぬ奇跡も起こっちゃいますよね。

このホールは古いけれど1階から3階最後列までワンスロープなので、全国ツアー恒例の客席降りで2階3階がおいてけぼりにならないのが好き。
さらにまぁ様は2階前の通路で投げキス連発で客席を煽るしで、盛り上がった客席は皆で手ぶりを合わせてまぁ様の指さし「最高!」戴きました。

真風さんにいたっては3階の客席まで来てくれて、指さし+ウィンク+投げキス+目線とすごくて。まさか2番手さんが3階まで来てくれると思っていなかった客席は沸きに沸きました。
福岡市民会館は通路が多くて複雑なのですが、3日マチネでは通路を1本まちがってしまった真風さんが3列目と4列目の間(通路ではないけど感覚が広め)を通って本来の通路へ戻ったりするものだからもうheart024列目の人羨ましすぎる。
ロケットがはじまる前には舞台に戻れてギリギリセーフ(笑) そこで終わらず袖に入る時には悪戯な照れウィンクまで残していくものだからその残像でクラクラしちゃいましたheart04 ほんとうにステキ。
(真風さんに落ちそうで真剣にヤバかったです。ひ孫ちゃんの顔を思い浮かべて耐えましたcoldsweats01

その後はずっとテンションがあがっていたせいか、真風さんの「エキゾチックアァァァィイズ」では思わず笑いがこみあげてしまいました。それも私だけではなかったようで周りの人たちも(笑)。あの一体感と興奮は忘れられません。
3日のマチネでそれだったものですから、その日のソワレも翌日の公演も私は真風さんばかり見ていたようで、こうして感想を書こうにも細部を思い出せないのです・・sweat01
ほんとうに人生なにが起きるかわからないものです・・・(神様ありがとう)

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2016/11/03

月の光に導かれ・・

10月30日キャナルシティ劇場にてミュージカル「セーラームーン」を見てきました。

タキシード仮面役の悠河さんはやっぱり表情豊かで魅力的な人だなぁと思いました。目線の使い方などはさすがです。この個性や技量はいまの宝塚では見られないなぁとも思いました。
あの瞳と一瞬でも目が合ったらたまりません。笑顔も最高。いいなぁ。やっぱり好きだなぁと思いました。
けれども10代の女の子の恋人役として絡んでいる絵は私はこれを見たいわけではないなぁと実感もしました。

とはいえ苦悶しもがくブラックナンチャラの人(役名覚えられず)を鎮めようと情熱的に抱きしめる所作などはさすがだなぁと懐かしくもあり抱きしめられる役の人はヒロインのうさぎちゃんより役得だなぁと思いました。
この視点がファンですよね・・(笑)

がんばっている女の子たちには無条件に心打たれるし、名乗りのナンバーや決め技のシーンはやっぱり愉快でテーマソングも一緒にくちずさみましが、この物語世界はどうにも私には無理だなぁとも思いました。
多くのファンがいる作品だし、現に客席には外国からのファンも見受けられました。
悠河さんがこうした作品のファンの方たちに受け入れてもらえているのならば作品ファンの方々にお任せして、私は別の作品でお会いしたいなと思いました。

私は美しくてカッコよくてちょっと天然で浮世離れした悠河さんが好きだなぁ。
退団してからの役だとカッサンドラ(薔薇降る雨に・・)が好きだったなぁ。罪の意識なく罪を重ねて美しく微笑んでいる美女。
桜姫も好きだったなぁ。荻田作品の中の悠河さんが好きなのかな。行間を勝手に想像できるのがいい。素材は抜群だから。
でもそういうお役や作品はなかなか商業ベースに乗せることは困難だし、まず福岡では上演されないですね・・coldsweats01

今回は地元で悠河さんに会えたことがいちばん悦しかったです。
ぼちぼちの観劇ペースですがまた来年も悠河さんに会えるといいなと思います。

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2016/10/08

子どもに子どもは育てられない。

9月21日東京宝塚劇場にて宙組公演「エリザベート」を見てきました。
前後の祝日の影響か平日なのに11時と15時半公演の日だったので運よく2公演見ることができました。

博多座で東宝版「エリザベート」を見たあとだったのでどうしてもシシィにもの足りなさを感じてしまいました。宝塚版はトートが主役であちらはシシィが主役ですから仕方のないことですが。
とはいえ、みりおん(実咲凜音さん)は歌唱力も芝居も安定しているので安心して耳をゆだねることができるのは有難いなと思いました。

みりおんシシィは人を巻き込み国を巻き込むようなダイナミックなエゴイストではなくて比較的こぢんまりとしたエゴイスト。自分1人で抱えているかんじ。
15歳のときに抱いた自意識をそのままに60代まで生きたらそりゃあ生きづらいよねという感じでした。

結婚式翌日のゾフィーたちとの場面がとても好きでした。
「馬に乗ります」「ダメよ!」で一瞬ぽっかーんな間が可愛くて(笑)。ダメって言われるなんて思ってもいなかった感じが。
リヒテンシュタインに口を開けられるところもとても可愛いくてみりおんシシィのあの場面を見るのがムラの時から毎回楽しみでした。

ゾフィーもリヒテンシュタインもとても正しい。この田舎から来た娘をいかに皇后らしく教育しようかと初日の早朝から気負っているのに対して、なにもわかってなさそうなみりおんシシィ(笑)。
ここはみりおんが元来もっているチャーミングさがすごく出ているなぁと思いました。
その、世のおしゅうとめさん気質の人たちをイラッとさせちゃう性質がシシィにとてもマッチしていて見ていて小気味良かったです。
シシィとゾフィーの絡みをもっと見たいなぁと思いました。じっさいには2人が絡むのはこの場面だけなのですよね。

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2016/09/30

つづきは夢の中で。

9月25日に宝塚大劇場にて星組公演「桜華に舞え」と「ロマンス!!」を見てきました。

みっちゃんこと北翔海莉さんが星組トップスターとなっての大劇場公演3作目にしてやっと本拠地に公演を見に行けました。そしてそれがみっちゃんの退団公演・・・。間に合ってよかった。

思えばみっちゃんのトップが決まったと聞いたのが2014年の宙組ベルばら東京公演の頃でした。大和悠河さんのトップ時代を支えてくれていたみっちゃんがいつかトップになる日が来れば・・と思っていましたが、宙組の次期トップには凰稀かなめさんを支えてくれていた朝夏まなとさんになってほしいと思っていた時期でもあり、どうなっちゃうの?と複雑な気持ちになったことを覚えています。
おなじように当時の星組トップの柚希礼音さんのファンの方たちは柚希さんを支えている紅ゆずるさんに後を継いでほしいと思われているんじゃないかなぁと思い、心配したことも覚えています。

プレお披露目となった全国ツアー公演「大海賊」と「Amour...それは」は大和ファンの私にとっても思い入れ深い作品でもありますが、みっちゃん率いる星組のパフォーマンスの素晴らしさに自分の予想をはるかに超えて感動しました。
梅田芸術劇場で見た「LOVE & DREAM」でもそのエンターテイナーぶりに大いに楽しませてもらったこともついこの間のことのようです。
気がつくと知り合いの柚希さんファンの方や大和さんファンの方たちがみっちゃんのファンになっていて、心配は杞憂で終わり星組さんが盛り上がっている様子をよく耳にしました。
短い就任期間は覚悟の上だったと思いますが、それだけに短くも濃く熱い時を重ねて充実した表情のみっちゃんによかったねーと心から思いました。卒業のその日まで幸せな宝塚生活でありますように。

前置きが長くなりましたが、公演の感想を。

まずお芝居の「桜華に舞え」ですが、先に白状しておきますと「西南戦争」と聞くだけでなんだかうるうるしてしまう私。開演前に現れた別緞帳の錦絵ですでに胸が熱くなっておりました。
薩摩兵児が居並んでテーマを歌い見得を切るプロローグでもう涙・・・(笑)。齋藤先生たたみかけるように泣かせにかかってるわcoldsweats01

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2016/09/13

いちど私の目で見てくれたなら。

博多座で上演されたミュージカル「エリザベート」を千秋楽を含めて5公演見ることができました。
昨年から新演出になっているとのことでしたが、これがすごく好くてもっと見たかったです。

同時期に宝塚でも宙組が「エリザベート」を上演していて7月後半とお盆前はそちらに遠征し、博多座のエリザはお盆明けからしか見られなかったのがいまとなってはとても残念です。
今月も宝塚へ行く予定があるのに、梅芸に行くスケジュールを考えていなかったのも残念至極。
でも自分なりに考え抜いたスケジュールだったのだから涙をのみます。
またこのキャストで再演されるなら遠征も考えようと思います。
なによりも博多座での再演を祈ります・・・。

城田トートと成河ルキーニがとても好みでした。
シャウトするトートがずっと見たかった。
トートとルキーニのパートはロックで聴いてみたいという夢が叶ってしまった感。
なんとなくグラムの匂いを感じました。ご本人たちには意識はないと思いますが・・・coldsweats01

城田さんのトートは計り知れない感じが快感でした。
人でない存在であることをつよく感じさせるトートでした。
他者の目、他者の意思を意識して行動することが人間が人間であるゆえんだとすると、そんなものは端から持ち合わせない感じがしました。
荒々しく傍若無人で、飼いならされない野性。
知性はあるのになにかおそろしく無心な存在。

そしてその人に飼いならされない野性にエリザベートを感じました。
知性はあるのに他人の思いをくみ取れない性質。悪気はないけど思いやりのないところ。
群れで暮らす特性がエリザベートには備わっていない。
誰かに愛しまれようというつもりもそもそもなく、自分1人で生きて行こうという意思に貫かれた人。
花總さんのシシィからはそんな魂が感じられました。
少女時代のシシィがあんなに無邪気で愛らしいのも野生の仔の特徴だと思えば肯けるなぁと。

そんなシシィが深い孤独を意識するのは彼女に知性があるからだと思います。
みずから孤独を求めているのに孤独に苛まれる矛盾。
城田トートはシシィの人間関係による孤独ではなくて、彼女の本質による孤独を。彼女が彼女のままでこの世に生きることの苦痛を浮き彫りにしている気がしました。
その見つめる眼差しで。遠慮のない荒々しさで。

城田トートは花總シシィの“無意識”が具現化したもの。ある意味彼女の一部かもしれない。
“死”とは肉体の死ではなく、意識が無となることなのではないかなと。
そんなことを思わせるトートでした。

エリザベートをじぃっと凝視めるトートの昏い瞳。
彼の目にはエリザベートがどう見えるのだろう。どう映っているのだろう。
ここ(客席)で見ている私とはちがうものが見えているようで。その答えを私は安易に出したくはなくて。
ひたすらにそんな計り知れないトート閣下を見ているのが心地よかったです。

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2016/09/07

君が信じた僕をもう二度と見失いはしない。

8月10日昼夜2公演、梅田芸術劇場メインホールにて宝塚歌劇雪組公演「ローマの休日」を見てきました。

3週間以上経ってしまったので記憶があいまいですが書けるかぎりで感想を。

有名すぎるほど有名な映画の舞台化でどうなるのかな?と思っていたのですが、これが予想を超えてよかったです。
誰がやってもハードルが高いだろうと思いましたが、わけても長身のグレゴリー・ペックとあのオードリー・ヘブバーンを“ちぎみゆ”(=早霧せいなさんと咲妃みゆさんの雪組トップコンビ)でやるのは、持ち味的に遠い気がしていたのです。が、そこはさすがの“ちぎみゆ”。芝居で魅せてくれました。

1幕はけっこうドタバタ。
ジョー(早霧さん)に振り回されて気の毒な相棒アーヴィング(彩凪翔さん)とアン(咲妃さん)に一目惚れのイタリア人美容師のマリオ(月城かなとさん)が良い味を出してて目立っていました。

ときどきテンポが滞る気がしたのと、え?こんな生徒さんまでもがモブなの?ともったい気がしたりしましたが、わ~これ楽しい♪で一幕が終わりました。

2幕はうっかり涙ぽろぽろでした。
祈りの壁の場面からの主人公2人の心の近づき方が田渕先生ロマンチストだなぁと思いました。

現状に不満たらたらでなんとか世間を出し抜いてよい目をみてやろうという気持ちで生きていたジョーがアンに心を寄せていく過程で、自分の利益よりも誰かのためにという気持ちが芽生えているところが自然でした。
たぶんこの優しいジョーが本来の彼なんだろうな。幼い頃の彼はきっと心優しい子だったのだろうなと思いました。
そんな自分を取り戻せてよかったねと見ていて素直に思えました。

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2016/08/28

自分を殺してすべて王家に捧げること。

8月18日と23日、博多座にてミュージカル「エリザベート」を見ました。

2公演でトートとゾフィーの役替わりを見ることができました。
トートについては先に書きましたので、ソフィーの役替わりで感じたことを書いてみたいと思います。

18日のマチネは香寿たつきさんがゾフィー役でした。
この日のキャストは私がこれまで見たことがある「エリザベート」の中でもベストだと思える素晴らしいものでした。
ことに私はゾフィーにくぎ付けでした。
香寿さんの歌声は相変わらず素晴らしくて好きだなぁ。ゾフィーの歌はすごく彼女に合ってるなぁと思いました。
香寿さんが見せる強いゾフィー像は私が思い描くゾフィーそのものかそれ以上で、シシィが戦うべき「強固で古いしきたり」そのものに見えました。
とても理解しやすい世界観でした。

あまりにも香寿さんのゾフィー像が私の中でしっくりきたので、涼風さんのゾフィーを自分がどう思うのか正直ドキドキして23日マチネを見ました。

涼風さんのゾフィーはすっとした美しい女性でした。シシィに似ているなとも思いました。
なぜこんなに美しい人が美しいまま寡婦でい続けたのだろうとも。
いままで私が知っているゾフィー像とはちがうゾフィー像になんだか夢中で見ていました。

涼風ゾフィーは1人の女性としてシシィと対立しているように見えました。
息子について「私には隠さない」「強い絆で結ばれている」とシシィに誇らしげに言うゾフィーに私はかつて感じたことのない心のざわつきを覚えました。
フランツが「でも母の意見は君のためになるはずだ」とシシィに言ったのを聴いた瞬間、涼風ゾフィーの口角が優美に引きあがるのを見て思わずあっと思いました。このひとは女だと。これは女性として同性に勝利した笑みだ・・・。

ゾフィーもフランツもいままで何度も聞いてきたセリフを言っているのに、ゾフィーが変わるとフランツにもこれまでとはちがう一面が見えたような気がしました。
厳しく強い母に逆らえないというのとはちがう、彼の心の中にもこの母を守りたい気持ちがあるのでは、、、と。
ちょ、シシィ、これは手強いぞ。
母と息子の二十数年間の実在を感じてしまったというか。それに嫁いできたばかりのシシィは勝てないでいる。
シシィの戦いはここからのスタートだと思うと、ほんとうによく健闘したなと称えるばかりです。

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2016/08/25

自分のためにしたの。

8月18日と23日、博多座にてミュージカル「エリザベート」を見てきました。

やはり、シシィの描かれ方は東宝版のほうが好きだなぁ。彼女の本質がわかりやすく丁寧に描かれていて。
そして、宝塚版はシシィを中途半端にしてもトートに重きが置かれてるのだなぁとあらためて思いました。

花總さんのシシィは私が頭で考えなくても見ているだけで、彼女が何を求めている人なのかわかる。この世でこれほどまでに切実に自由を求めているという稀有な人物像をこんなにも自然に気負わず演じて見せることができることが凄い。
こういってはなんだけども、周囲がどんなふうに演じようともエリザベートとして揺るがないのが凄いなぁ。相対じゃなく絶対なのだ。絶対エリザベート感。なんなのだろうこれは。
実在したエリザベートの肖像とはちがって見た目は華奢な女性なのになぁ。


この東宝版の花總シシィを見ていて、彼女がもとめる『自由』とは「おのれの命を懸ける自由」なのだということがふっと心に入ってきました。
木登りをしたり綱渡りをしたり曲馬師のような乗馬をしたり、シシィはつねに冒険とスリルをもとめている。
『死』と隣り合わせの勝負を。トートを引き寄せているのはほかならぬ彼女自身なのだと。

皇太后ゾフィーとの戦いもハンガリーも彼女にとっては綱渡りと同じ命を懸けた真剣勝負。アドレナリンバシバシ。
子どもの頃からいつも彼女は『死』を傍らに綱渡りを続けている。懸命に生きるということはいつ『死』が迎えに来てもおかしくないということ。けれども絶対に『死』の思い通りにはならないという強い魂に支えられているということ。

そしてその『死』が顔を持ったら、城田トートや井上トートになるんだと。
なんだか深く納得できてしまったのです。この博多座エリザベートを見て。

彼女の人生はトートとの戦いそのものなのだと。
誰もが畏れる相手に怯むことなく挑みつづけるエリザベートに私は惹かれたのかも。

さいしょは木登り。それが宮廷の古いしきたりへの挑戦、ゾフィーとの戦いとなり。ハンガリーの件で自分を認めなかった人々を認めさせて。やがて夫の裏切り、身内の不幸、老い、孤独と彼女が戦うものは人生そのものに移り変わっていく。昔のようにかんたんに勝ち負けがつくものではない。

思い一つでもっと楽にもなれるのに、それを選ばず人生の苦しみ、受け入れ難い不条理と戦いつづける。誰のためでもなく自分のために。

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2016/08/17

いまに死にたいときがくる。

8月8日と9日宝塚大劇場にて宙組公演「エリザベート」を見てきました。

7月末に観劇したときの印象とはまるでちがう「エリザベート」でした。
場面から場面に地脈が通じてさいごにそれが吹き上がったような。
私はこの「エリザベート」がたまらなく好きになりました。

トートに躊躇がなくなり強くなった感じがしました。物語世界を支配している感じ。
唯一支配しきれないのがシシィなのだなと。

結婚式の翌朝、シシィの寝室に来襲するゾフィーのデフォルメ加減が絶妙でした。
リヒテンシュタインも女官たちもあくまでゾフィーの側にいる者たちなのだと見えるように演じられていて、宮廷でのシシィの孤立がはっきりと浮き彫りになったようでした。

フランツもシシィの気持ちを察することができず「母の意見は君のためになるはずさ」などと言う。
そのときのシシィの絶望感たるや ――― おなじセリフなのに、なぜこんなにも前回と180度ちがって見えたのだろうと不思議でした。

ゾフィーが支配する宮廷で孤立し、フランツも頼りにならないと絶望したシシィが「私だけに」と歌い始める心の流れがとても自然に感じられました。
短剣を見つけてからそれを鞘に納めて気絶するまでの流れ、緩急のつけ方が素晴らしくて引き込まれ鳥肌が立ちました。

気絶したシシィの手から短剣を取り上げて「返してやろうその命を――」と歌うトートはまだ余裕に満ちているように見えました。
これはあくまで小手調べのようなものでシシィを試しただけなのかも。
見ている私がそうであるようにトートの心のうちにもまた、シシィという他とは異質ななにかをもつ1人の少女に予測できない期待があるような、そんな感じを受けました。

まさに愛と死の輪舞の始まり――

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2016/08/02

君の港はどこなんだい。

7月28日に日帰りで宙組宝塚大劇場公演『エリザベート』2公演を見てきました。

私にとっては見たこともないような不思議な印象の『エリザベート』でした。

シシィに死の影を感じない。
ゾフィーは厳しいけれど筋が通って公平。
フランツはマザコンではなく超愛妻家。
そこらへんの2世代同居よりもよほどうまくいきそうな雰囲気。

「いろいろあったけれど、最後にはお互いわかりあえました」という結末でもおかしくなさそう。

フランツとシシィの愛情物語が鮮やかなのでトートに付け入る隙がない。
イライラする闇の帝王。ハートが脆く繊細なのはトートのほうかも。
シシィに対してトートが弱い印象で、シシィがトートをもとめることがあるのだろか?と思っているうちに終幕を迎えてしまいました。

鏡同士なのはゾフィーとシシィで、ルドルフとシシィは似ている気がしない。
強い祖母、強い母親、母の言いなりの父親の中で自分の意思は誰にも伝わらずどこにも救いがないルドルフ。

そんなルドルフにはトートも本領発揮。やっと闇が広がる~~♡
私が知っている『エリザベート』に近いのはこのへんだなぁと思いました。

新しい『エリザベート』に挑戦しているのかもしれないけれど、私はエリザベートを見たぞという満足感のほうを得たかったなぁと思いました。

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2016/06/16

嵐もこわくはない。

ミュージカル「エリザベート」。
いろんな見方があるだろうし解釈もあるでしょうけど、私は深い孤独を表現するエリザベート役者が好きです。

エリザベートの孤独とはなんなのか。
それはありのままの自分でいると周りの人たちからまったく受け入れてもらえないことじゃないかな。
誰ともわかりあえない感覚。
子どもの頃は母親や親戚たちに。
本人としては悪いことをしようと思っているわけではないのに、やりたいことをやりたいようにやるとすべてを否定されてしまう感覚。
不幸なことに彼女のやりたいことっていうのが、穏やかな秩序ある生活をしたい人たちには迷惑でしかないことばかり。
それもどうしてもやらなくちゃいけないっていうよりも、いまやりたいと思ったことをやらずにいられなくてやってしまうこと。
非難されるのもしかたのないこと。
そしてやりたくないことを我慢してやるのはもっと嫌。そこはとてつもなく頑固。

唯一彼女を理解できるはずの同じ血を持つ父親は、やっぱり自分のしたいことしかしない人だから、子どもたちの養育は妻に任せていつも家を空けている。
帰ってくれば一緒にやんちゃなことをやってくれるからエリザベートは父親が大好きだけれど、気まぐれな父は自分が可愛がりたい時にしか可愛がらない人。
少女時代のエリザベートは、母親たちのおぼえめでたい姉を尻目に、いま夢中になれる冒険(危険な遊び)や空想に逃げながらも、内心では自分を認めてもらいたい承認欲求の強い子どもだったのではないかな。

そんな彼女の承認欲求を大いに満たしたのが皇帝からの思いがけない求愛だったのだろうと思います。
セロトニンの分泌増加でどんな問題ももう彼女を悩ませたりしない。
まさに嵐もこわくはない。
だから、先のことなど考えずに求婚を受け入れることができたのだと思います。その先にあるのは実家以上に彼女がありのままでいることが許されない場所なのに、そんなことは考えもせず。
フランツ・ヨーゼフの言葉も都合の良いところしか脳みそに入って来ないみたい。
彼に求められた高揚でそれ以外のすべてが見えなくなっている状態だろうなぁ。それほどあのときの彼女にはその事実が重要だったんだろうな。
でもそんな幸福感に満たされた時間は一時的なもの。その先には長い忍耐の時間が待っているもの。それを『責任』と呼ぶのだけども。

当然のように宮廷では彼女のやることなすことすべてが否定される。
「皇后だから」という理由で自分の行動原理を変える気などまったくないエリザベートにとってはすべてが耐え難い。
カルメンが「カルメンはカルメンなんだ」と言うのと同じように、自分基準で生きる生き方を変えられないし、たぶん納得いかないままに変えようとしたって心を病んでしまうだけ。
境遇に適応するためには適切なカウンセリングと根気強い愛の支えが必要な人だと思います。

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2016/06/11

祈りはやがて世界を変える力となる。

今年の宝塚歌劇宙組博多座公演『王家に捧ぐ歌』の千秋楽はもうとっくに終わってしまいましたが、もうすこしだけ思い出すままに書いてみます。

これまでの博多座宙組公演は私にとってエポックを画する出来事となっていたのですが、でもさすがに今年はそんなことはないだろうと油断していたらーーその予想は大きく裏切られてしまいました。
(油断していたからこそ楽日直前に大阪遠征を予定していたのです)

いちばんのトピックはひ孫ができたことです(笑)
誤解のないように書きますとひ孫のように愛着を感じる生徒さんができてしまいました。
これから宙組を観劇する楽しみが増えましたhappy01

楽の1週間前まではずっとエジプトの戦士に注目していましたのでエジプト側から物語を見ていたのですが、楽日はやけにエチオピア寄りの視点で見てしまいました。

なんだかウバルドがかわいそうでたまりませんでした。
この子は生きる喜びも知らないまま死んでしまったんだなぁ。神の名の下に清らかなまま・・・と思うと。

つらかったよね、半身のような妹アイーダの心変わりが手に取るようにわかってしまって。
心から信仰し大事にしている神様のその御業を否定されてしまって。
「虫けら」だなんて言われて。
アイーダひどいweep

アムネリス様にラダメスの凱旋を告げに来る伝令さんと同い年くらいなのかなぁと思うと、ウバルドの死が私にはとても重く感じられました。
あの薔薇色の頬を恋に輝かせる若者と青春も知らず散った若者と。
生まれ育った国がちがうというだけでこんなにも・・・。

楽の伝令さんは、アムネリス様の笑顔をいただけて踵を返して去って行くお顔がとても嬉しそうに輝いていました。何か手応えを感じたのかな。お顔に出過ぎよ(笑)と思ってしまうほど。
あの場面にほのかな明日への希望を感じたばかりだったから余計にウバルドの短い一生に心が揺さぶられたのかもしれません。

こののちあの伝令さんがいちばん青春を謳歌するのかも。あのままずっとエジプトが平和だったら。
伝令さん、あなたの幸せは皆の悲しみの果てにあるのよ・・と。
そしてあの伝令さんは、これを見ている私自身にいちばん近いところにいる人なんだなぁと思いました。
自分の子どもや孫たちひ孫たちには彼のような人生であってほしいなと思います。いつまでも。
だからこそ忘れないでいてほしいし忘れないでいたい。ウバルドたちのことを・・・と思いました。

楽のずんちゃん(桜木みなとさん)のウバルドを見て、しみじみと宙の子の芝居だなぁと思いました。こんな芝居が私は大好きだとしみじみ。

もう大好きだ。エジプトもエチオピアも。bearing

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2016/06/08

選ばなくてはいけないわ。

5月25日から27日までの3日間、梅田芸術劇場メインホールにて、ミュージカル『1789~バスティーユの恋人たち』を見ました。

宝塚版は見ていないので25日がまったくの初見でした。
今回この作品は主人公ロナン、ヒロインのオランプ、そしてマリー・アントワネットがWキャストになっていて、25日はマリー・アントワネット役の花總まりさんが一足先に楽を迎えられる日でした。

私が見た3公演は、25日マチネの小池徹平ロナン/夢咲ねねオランプ/花總マリー、26日の徹平ロナン/神田沙也加オランプ/凰稀かなめマリー、27日の徹平ロナン/ねねオランプ/凰稀マリー、でしたが、キャストの組み合わせが変わると心に響いてくるところもちがいました。
見られなかった組み合わせではどうなのかな。
花ちゃんのマリーとさやかちゃんのオランプの芝居も見たかった~~weep
加藤和樹君のロナンも見たかったです。(ぜひぜひ再演希望です!!!)

初見では、ねねオランプの『許されぬ愛』やロナンの『サイラモナムール』にうるうる。
2回目以降は1幕のパレロワイヤルからもう泣きそうに。ラストで全員が歌う『悲しみの報い』では涙が流れるのを止められず…。このカタルシスはクセになります。
作品自体は、名場面はあるけどドラマはない感じなんですけど。
ドラマは見ている側の胸の中にあって、それを役者に引き出される感じかなぁ。
それとフィナーレがこんなに楽しいミュージカルははじめてかも(笑)。

ラストで歌われる『悲しみの報い』の歌詞はしみじみ小池修一郎だなぁって思いました。あの甘っちょろい夢が私は大好きなのだ(笑)。
ただ全体的にはこれぞ小池修一郎なダイナミックな演出はなくて、どちらかといえば往年の宝塚的既視感がたくさんでした。
カーテン前のお芝居が多かったり、客席降りが多かったのも「ここは本来銀橋の場面かな?」なんて思ったり。
舞台機構の問題なのかもしれないけど小池先生がどのくらい携わったのかちょっと疑問かな。
小池修一郎的既視感も散見されて、見ていてあっネバセイ、あっエリザ、スカピン・・と思いました。
本来のフランス版がそうなのでしょうけど場面場面がぶつ切れなのを如何につないでいくかに苦心したのかな。それにしてもちょっと安直じゃないかなと感じたところや、唐突に感じたところがあったのも否めませんでした。
もしかしたら、フランス革命の顛末になじみのない人やロジック重視の人には感動しにくいかもとも思います。
私は演じる人たちの熱にノックアウトされたかなぁ。楽曲も好みでしたし。

フランス版を日本版にするのに苦心している気がしたのは楽曲もでした。本来もっと高い音なんじゃないのかなぁそのほうがカタルシスあるのになぁとか。もっと音響効果使ってもいいのじゃないのかなぁとか。ちょっと中途半端かなぁと思いました。
日本語の歌詞を当てたり演者の都合だったり観客の好みを考えたりしてこうなっているのかなぁと思いましたけれど、ロミジュリの宝塚版初演を見たときに感じたのと同じ歯がゆさを感じました。
これは日本版として確立していく過程でなくなっていくのかもしれませんけど。まだちょっと途中な感は否めないかな。

で、やっぱりこれだけビートがはっきりあるのにじっと聴いてるのつらいなぁと思いました。
ノリの良いナンバーでは客席も一緒に騒いで楽しむ作品ですよね本来は。できないけど。客席降りが多用されているのに無秩序はこわいですし。
でもせめて手拍子とかで盛り上げたいなぁと思いました。

キャストが発表になった時は本当に好きな役者さんばかりでうきゃっheart02だったのですが、時期的に遠征が難しく、花ちゃんのマリーも見たいし・・と計画したら結局梅芸1遠征で3公演、限られたキャストスケジュールの中でしか選らべなかったのが今となっては悔やまれます。
3公演しか見られませんでしたが、ナンバーはいまも耳に残っています。またいつか見ることができたら・・・。

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2016/05/27

そののち、あなたさまに。

5月5日より博多座で公演中の宝塚歌劇宙組公演「王家に捧ぐ歌」の感想その2です。

今回の公演は主要キャストのラダメス、アイーダ、アムネリスが初日がはじまってすぐから安定していること、博多座という宝塚大劇場よりも小さめの劇場で、出演者も半分に減ったことなどもあり、メイン以外のキャストに私が目を向けるのもいつもより早かった気がします。

主要3役以外では、まずウバルド役の桜木みなとさんが目にとまりました。

大劇場でウバルド役を演じた真風涼帆さんは、当時星組から組替えされたばかりで新生宙組の2番手となった方。
その経験値と長身と色気でもって、執拗な眼差しで妹であるアイーダを見張っていたり詰め寄ったりする感じが危険な雰囲気で、まるで妹に欲情してるのかと思うほどでした。

対する桜木さんのウバルドは一気に若返った印象でした。アイーダ役の実咲凜音さんとは同期ということもあってか博多座では双子の兄と妹という設定となったのだとか。
アイーダとは兄と妹という関係よりもさらに近い、自分の欠けた半身への執着のようなものを感じさせるウバルドでした。

私はアイーダがエジプトに囚われてもエチオピア人の囚人たちに頼られ、戦の勝ち負けを問われたり、現実的にどうしようもないことを願われたりするのは、彼女が神とこちらをつなぐシャーマン的存在であるということなのじゃないかと思うのです。
兄ウバルドの側近カマンテ(蒼羽りくさん)やサウフェ(星吹彩翔さん)に多大な期待を寄せられていたり失望されたりするのも、彼女にそれだけ人の心を掴む立場と力があるからではないかと。王女にはそういう役目があるのではないかなと。斎宮斎院のような勝手に恋をしてはいけない立場なのかなと。
だから男である兄よりも、女であるアイーダのほうが大事にされているのかなと思えました。
(この物語の中の架空のエチオピアの話としてですが)

大劇場の真風ウバルドのときは、妹である王女は巫女的役割、兄は武力を司る王子、と役割が分かれているのかなと思っていました。
けれど博多座の桜木ウバルドに、私は妹に代わって巫子ともなりうる危ういまでの精神の純粋さを感じました。

だから神の御告げを聞いてしまうのかしらと。
とても清らかでまっすぐすぎる魂で信じ、憎む。フィジカルなものにとらわれない、思い込んだら寝食を忘れてのめりこむ危うさを感じました。

真風ウバルドの時はアイーダが敵国の男を愛するのが裏切りに見えたけれど、桜木ウバルドにとっては自分の半身ともいえるアイーダが、恋をして俗に染まり清らかな魂を捨ててしまったように見えることが裏切りなのではないかなと思えました。
そんな危うい王子を、カマンテとサウフェが支えているようにも見えました。カマンテはウバルドとアイーダが揃ってこそ憑座としての意味があると思ってるのかもとか、いろいろ想像してみたり。カマンテが陰でウバルドを唆す黒幕かなとか。

大劇場では、ウバルドはもともとエチオピアの戦士としてテロを決行する計画であったところに偶然神の御告げの夢を見て勢いづいたようにも感じましたが、博多座のウバルドはつねづね神との対話を請い求めていた人なんじゃないのかなと。そうしてようやく神の御告げを聞いて奮い立ったような感じを受けました。
真風ウバルドは自分の戦闘力を熟知しているようだったけれども、桜木ウバルドは自分の力量など測らずに打って出る危なっかしさがあるなぁと思いました。

アムネリスも役者でまったくちがって見えましたが、ウバルドももしかしたらアムネリス以上に役者が変わって見え方が変わったなぁと思います。ほんとうに面白いです。

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2016/05/26

それはファラオの娘だから。

5月5日に初日を迎えた宝塚歌劇宙組博多座公演「王家に捧ぐ歌」。
初日から21日までの間の5公演を観劇しました。

なんだかもう、、、すばらしくてすっかり嵌ってしまっています。
ことしの博多座公演が「王家に捧ぐ歌」だと発表になったときは、なんでよりにもよって王家なの~? せっかく地元で宝塚を、まぁ様の宙組を見られるチャンスなのに! なんでショーがないの~~~?と落胆していたのに。
初日を見て、3日目を見て、1週間後を見て・・・気がついたらすっかり。。。
いまではことしの博多座宙組公演が「王家に捧ぐ歌」でヨカッタ!!!と心から思っています。
(博多座千秋楽を前にして博多を離れることがやるせなくて仕方がないくらいに・・・)
(なんで私はこの時期に梅田遠征を決めてしまったのだ・・・・・・・それは花ちゃんが見たかったから・・・sweat01


まず、初日の私の感想は、去年宝塚大劇場で見たときに比べて、物語がすっきりして見える。この物語はまさしく愛の物語だったんだな。ということでした。
初めはそれがどうしてかわかりませんでしたが。

一つには、ラダメス役のまぁ様(朝夏まなとさん)とアイーダ役のみりおん(実咲凜音さん)のトップコンビが、ラストへ向かって高めていく感じが凄くて、地下牢の場面にいたってはこの場面のためにここにくるまでのすべてがあったんだと思えたこと。全体的に余計なものがそぎ落とされて、純粋なところだけが残った結果そう感じたのかなと思います。

ただ、初日の段階では『重いな』とも感じて、これをマチソワするのは精神的に消耗してしまいそうでキツイなとも思ったのです。
この博多座公演が、ある意味故郷への凱旋公演とも言える佐賀出身のまぁ様が気負いからか、初日はその緊張が声を通して客席にも伝わっているように感じました。
さらに、この博多座公演でアムネリス役のしーちゃん(彩花まりさん)も音を外したりはしないものの、かつてない大抜擢でとてつもない緊張だったのではないでしょうか。
そしてその2人に比べて、アイーダ役のみりおんがあまりに堂々と安定していて、これはアイーダが主役?!って感じさえしていました。

この主要3役だけをとっても、それぞれが自分ひとりしゃかりきで一生懸命が勝っていて、あまりにも必死で生きて愛して必死で死んで慟哭して全力でラストへ突き進んでいたので、見終わったらどっと疲れてしまったようなのです。(いかにも初日らしいといえば初日らしいですが)

けれどその2日後の観劇では、まぁ様ラダメスもしーちゃんアムネリスも見違えるように安定して、とくにアムネリスは、しーちゃんがしーちゃんのアムネリス像を作り出したなと思いました。そのアムネリス像が私には面白くて。
そのアムネリスに対するラダメス、アイーダのバランスも面白く、作品全体に血が通ってきたように感じました。
初日とは打って変わってマチソワも十分アリだなと思えました。

そして1週間経って観劇すると、初日あたりのみりおんの出来上がりの素晴らしさにまぁ様しーちゃんが追いつき追い越してで、拮抗する3人とそれをとりまく出演者全員の深まりとで、場面場面がとっても面白くなっていました。
それからは次の観劇が待ち遠しくて・・・。
(とはいえそんなにチケットをとっていない・・・sweat01 私のばかばかばか)


しーちゃんのアムネリスは、等身大の女性が大国の王女様として生きたらこうなったとでもいいますか、とても素直な共感しやすい女性でした。

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2016/04/28

人生を選び取る勇気。

4月16日と17日、福岡市民会館にて宝塚歌劇月組全国ツアー「激情」「Apassionado!! III」を見ました。17日はツアーの大千秋楽でした。

14日夜と16日未明に熊本で震度7の地震が起き、福岡でも一晩中スマホが鳴り微震が繰り返す状況で16日は寝不足状態での観劇となってしまいました。16日14時公演ではショーの冒頭で揺れがあり、安全確認のため公演中断、そして最初からやり直しになりました。
その間、主演のたまきちくん(珠城りょうさん)は小林幸子状態で身動きもできず舞台上にいて(たぶん開演前からその状態)、数分間幕もあいたままで、そんなたまきちくんに客席から万雷の拍手が起きました。皆たまきちくんにがんばれーって思ったと思います。
客席にいる人も出演者も同じ眠れない一夜を過ごしいまここにいるんだなぁ。ところどころ不自然に空いた客席は今日来るはずで来られなかった熊本やその他の地域の方たちなのだろうなぁ。皆それぞれの胸になにかを思って劇場にいたのだなぁと思います。

さて、そんな中で見た公演の感想です。

お芝居「激情」は初演とはまったくちがう印象をうけました。キャストのバランスでこんなに見え方が変わるのかと驚きでした。

3公演見ましたが、どうにも私はメリメに共感できませんでした。なぜだろうと考えたのですが、メリメがただの見目良い傍観者に見えてしまったからではないかと思います。
この作品にメリメが登場する意味は? 存在意義が見出せなかったのです。
かちゃ(凪七瑠海さん)のメリメは端正で上品なおぼっちゃまに見えました。その造形はメリメとして正解だろうと思います。が、ホセの生き方に憧れると言いながらも、安全な立ち位置からホセを眺めて彼のことを分析したり同情したりしているだけな気がして、それだけなら客席で見ている私にもできることだと思って、なんのために彼はここに登場しているのかわからなかったのです。

カルメンという決して捕らえられない自由な鳥のような女に強烈に惹かれ、そんなカルメンのためになにもかも捨ててしまうホセという男に心動かされて、自分にはないその勢いと人生に憧れ、それを描き出したいという衝動に突き動かされて、こののちメリメは創作に彼自身の才能と情熱をぶつけることになるのではないのかな。
強く憧れながらも自分はホセのようには生きられない、そんな自分を省みながらも、ホセとカルメンを目の前にしてその時々に彼もまた変わっていく部分があるのじゃないのかな。ホセやカルメンにはない強い自制心ゆえに見せるものもあるのじゃないのかな。そんなものが見たいのに見えなかったから。
分析や同情のためだけに登場されても ―― それならその尺分ホセを演じる珠城さんの芝居をもっと見たいと思ってしまいました。その芝居から、私自身がいろいろと感じたいし考えたいと思いました。
皆に恐れられるジプシーの首領ガルシアとのコントラストは見事でしたが、それだけじゃなくてメリメの役作りではもっと内面も追求してほしかったなぁと思います。メリメの内なる葛藤が感じられなかったので、ただ安全なところから傍観しているだけのモラトリアム青年のように見えてしまったのが、彼にイラついてしまった原因のような気がします。

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2016/03/28

虫のいのち。

3/11(金)福岡サンパレスにて、地球ゴージャスプロデュース公演「The Love Bugs」を見ました。

蘭寿とむさん目当てで見に行ったのですが、とてもたのしかったです。
まずオープニングのダンスに圧倒され、これからどんな舞台が見られるのかわくわくしました。
岸谷さん山脇さんは客席の反応を受けてどんどん笑いを取っていかれて一体どこまでが台本かアドリブがわからない状態でした。山脇さんが岸谷さんを表現するときにかなり遠慮なくこまめにアドリブを入れてらっしゃったみたい(笑)。

物語には同世代の匂いを感じました。
不武装無抵抗を貫き自らは滅びることでしか不戦の尊さを示せないのではないかとか一度は考えたであろう世代。守るべきものが見出せなかった世代。
そんな世代もやがて守るものを得て大人になったんだなぁとか。シルバーに対して思わず武器をとって戦っている寺脇さん演じる小さいおじさんにそんなことを重ねて見たり。
命を渡し繋げていくことを城田優さんのスィンクルマンを通して考えたり。
スィンクルマンを表現する言葉に世の美男に対するやっかみが多分に含まれている気がしたのも面白かったです。
(美男って意外と生き辛いのかもしれないな)
なんだかそこにはこの物語を作った人の等身大が見えた気がして、それはなんだか自己肯定への応援のような気がして。

大原櫻子さんの天娘ちゃん、とても可愛かったです。
天道虫かと思っていたら羽虫で、一気に薄倖のヒロイン&おばあちゃんな気分なところとか最高に好きでした。
羽虫かと思っていたら蛍だとわかって、一気に浮上して岸谷さん演じるシザーQが眼中になくなってしまうところとかも可笑しくて可愛くて。だってそんなものでしょう(笑)。
ちなみに羽虫はカゲロウのことですよね? 天道虫に間違われるくらいだから葉虫(甲虫)かなと一瞬思ったのですが、そうすると寿命の点で話が合わなくなりますよね。

女優の蘭寿さんを舞台で見るのは初めてでしたが違和感なく見られました。蘭寿さんだからこその役だなぁと思いました。
コンテスト荒らしとしてさすらっていたティアラ。その生き様には種としての宿命を跳ね除けたいという思いがあったのかななんて思ったり。反目していたスィンクルマンと共闘の中で惹かれ合い彼の切なる思いを受けとること、すなわち命をつなぐために彼を食べるという究極の決断をする場面が熱かったです。
それはかけがえのない一個の命としてかけがえのない選択を自らすることだなと。自分で自分の業を受け入れ選びとること。それができる強い意志と凄みが熱くつたわってきました。
宿命を精いっぱい生きる者への愛おしさで胸がいっぱいになりました。

虫という小さい命の世界に入ってみつめることで、愛おしさに思いいたらせてもらえたような。
笑って笑って疑問を抱いたり感動したりいろんな温度をかんじられる舞台でした。

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2016/02/19

悪足掻きをやめねぇから面白い。

1月22日(金)三越劇場にて初春新派公演「糸桜」を見てきました。
新派に大和悠河さんが出演、波乃久里子さんと共演というトピックに観劇前からわくわくしていました。

「糸桜」は、歌舞伎の狂言作者河竹黙阿弥の娘糸女と、彼女の養子で演劇学者の繁俊、その妻のみつを描いた「作者の家」(河竹登志夫著)を原作とした劇団新派の新作。私にはなじみのない世界の話と思っていたのですが、劇中で波乃久里子さん演じる糸女が泉鏡花を褒めたり(新派の代表作となる戯曲をたくさん生んだ作家ですからね)、みつの嫁入り道具一式が日本橋三越で揃えたものと披露されるセリフがあったりして(まさにその日本橋三越にある劇場での上演!)、そうかこの地で生きていた人たちのことなのだなぁと距離が縮まった気がしました。

新派の方たちのお芝居は短いセリフでも意味や感情がすっと伝わってくるのが良いなぁと思いました。
ダイナミックな舞台転換や歌舞や見得を切ったりも一切無く、簡単な大道具と生活感のある小道具の中でセリフと繊細な動きで心のリアリズムを見せる芝居に、歌舞伎界出身の市川月乃助さんと宝塚出身の悠河さんが挑んだわけですが、やはりそれぞれの出身から身についたものが見え隠れする。体当たりで演じているからこそ湧き出づるもの、それもまたこの作品の味のような気がして、なんともいえない思いが見ている私の心に広がりました。
1幕さいごのあたりで、月乃助さん演じる繁俊と悠河さん演じるみつが、おたがいさまと、すこしずつ夫婦になっていきましょうと向かい合う場面では、2人の役の境遇と役者として生き様が二重写しとなり、思わずほろりと涙が出てしまいました。

この作品から新派に入団する決断をされた月乃助さんの心にあるリアルが、繁俊という役を通じて発せられているようにも感じました。
裕福でありながらも荒れた家庭で居所なく育ったみつは、この縁談を機に新しい環境で自分の居場所を作っていこうとしている。そこは豊かな実家とは正反対の質素な作者の家で、さらに姑の糸女はとてもクセがあるし夫はその糸女の養子で彼女に逆らえない。そんな面倒な家の中にあってもうじうじせずにさっぱりとしている。もちろん思うことも言いたいこともあるだろうけど、自分の役目を一つ一つものにしてこの家を自分の居場所にしようとしている。そんなみつの様子もまた、宝塚時代からいまに至る悠河さんの姿勢と重なって私にはとても感慨深かったです。

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2016/02/09

20個もあるの。

1月25日(月)梅田芸術劇場メインホールにて、星組公演「Love & Dream」を見てきました。
時間が経ってしまいましたので覚えている範囲で簡単な感想を。

柚希礼音さんトップ中の2012年頃から別箱公演といえばほぼコンサートな星組さん。
トップが交代して北翔海莉さんになってもつづいていますね~。なんだかうらやましcoldsweats01

ディズニーとのコラボとなるこの「Love & Dream」、まずはミッキーマウスマーチなどの楽しいナンバーを愛らしく踊る十輝いりすさん、七海ひろきさん、十碧れいやさん、麻央侑希さんの長身4人の麗しの星の王子様ズshineにガツンと心を掴まれました。こういう愛らしさは普段の舞台ではなかなか出会えないなと(笑)。

星組の舞台にいるかいちゃん(七海さん)を見るのも初めてで、まさこちゃん(十輝さん)、かいちゃん、ゆっこちゃん(麻央さん)の3人並びでかいちゃんが凹になるのは新鮮に感じましたし、また宙組4代目ファンとしては、みっちゃん(北翔さん)、まさこちゃん、かいちゃんの並びは懐かしかったです。
この並びを見られるのも、この別箱公演ならではだなぁと思いしっかり堪能しようと思いました。
―― そして先日まさこちゃんの退団発表があり、ほんとうに見に行けてよかったとしみじみと思いましたweep

「世界に求む」ではひろ香祐さんの歌声とても素晴らしかったです。星組95期の妃海さん、礼さんの歌声の素晴らしさは知っていましたけど、ひろ香さんも負けない素晴らしさ。星組95期恐ろしい期・・・(lll゚Д゚) さらに瀬央さんもいるんですよね・・・
それから、シナーマンで北翔さんの前に歌った方もとても素晴らしくて、あとでお名前を人に聞いたのですが音咲いつきさんとのこと。
彼女たちの歌声とお名前を認識できたのも、この公演のおかげだなぁ。齋藤先生よい演出をされるなぁ。と思うと同時に、一本もののお芝居がつづいた宙組のことをつい考えずにいられませんでした。自称宙組ファンなのに、きっと知らない才能がいっぱいなんだろうな・・・と。(翌日ひさびさに見る予定の宙組のショーがとても貴重に思えました)

この「Love & Dream」、みっちゃんの安定の歌声に加えて歌が得意な生徒さんに見せ場があり、長身美形の男役さんたちは眼福で、目にも耳にも心にもたっぷり栄養―愛と夢―をもらったかんじでした。
さらに娘役さんたちがとても愛らしくて、齋藤先生恒例の娘役さんによるアイドルユニット場面もあり(笑)

そして私がこの公演でいちばん心を奪われたのが、トップ娘役の妃海風ちゃんhappy01
ほんとうに愛らしくていじらしくてheart04
元気溌剌でがんばり屋さんで、馴れない立場に戸惑いながら、一途な努力と真心で道を拓いていく彼女はとってもディズニープリンセスと親和性があるなぁと思いました。
一瞬にして空想の世界へと翔んでいけそうなところも(笑)。
リトル・マーメイドの歌を歌う風ちゃんは、ほんとうにアリエルに見えました。
未知の世界を夢見るマーメイドプリンセス。
とても魅力的でした。

しみじみとこの公演を成功させたのは、みっちゃんの力が大きいなぁと思います。
最初から最後まで全力のパフォーマンス。終始笑顔で。
プロフェッショナルだなぁ。
どのパフォーマンスも素晴らしかったですが、さらに願望を言うと、風ちゃんが歌って感動したアナ雪の「レリゴー」をみっちゃんの歌声でも聴いてみたいなぁと。
みっちゃんの艶のある歌声や迫力のある歌声は聴けたけれど、お得意のハイトーンも聴いてみたかったなぁと思いました。
これは、またのお楽しみにとっておきなさいということかな(笑)。

観劇したのは寒波に見舞われた日で雪の中を列車を乗り継いでの遠征でしたが心はホカホカになりました。
愛と夢のひとときをありがとうございました。

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2016/02/04

僕の瞳がなぜチカチカしてるかって?

 ―→ それは君があまりに可愛すぎるからだよ。  【さすがまぁ様(〃▽〃)heart01


ということで、1月26日(火)宝塚大劇場にて宙組公演「Shakespeare~空に満つるは、尽きせぬ言の葉~」と「HOT EYES!!」を見てきました。
お芝居「Shakespeare」の感想は前の記事で書きましたので、ショーについて。

ダイナミック・ショー「「HOT EYES!!」―― 藤井大介先生のショーだから「!!」はお約束!!happy01

2013年から宙組のショーといえば大介先生の作品ばかりで「またかdown」という気もしなくはなかったですが、見終わった感想は「楽しかった*\(^o^)/*」
名シーンと思えるような場面こそありませんでしたが(そう感じるのも私が大介先生のパターンに慣れてしまっているせいかもしれません)、どの場面も楽しかったです。
構成演出が平均点あれば、あとは出演者の技量やモチベーション次第でいくらでも楽しくなるのが宝塚のショーなんだなと思いました。
楽しくてあっという間に終わってしまいました。

上級生実力派の4名(組長副組長にきゃのん、てんれー)による白い人たちは、いかにも大介先生のショーらしいけれども、もったいない使い方だな~と思いました。が、あえて外すことでこれまで埋もれていた方たちにチャンスが到来したのだったら、それも一つのやり方かも。
1年前にくらべて遥かに成長し輝いている生徒さんたちの姿が印象的でした。

数十年ぶりの「全場大階段」が売り物のショーとのことでしたが、それについては大階段が活きているシーンもあれば、なくても良い場、ないほうが良い場、とありました。
全場大階段であるがゆえに、かえってメリハリがなくなってしまっている気がしました。

活きているなぁと思ったのは、ダークアイズの場面。大階段でストーリー性のあるダンス場面は珍しく、前方で朝夏さんと真風さんが絡み階段上でそれを支配しているように妖しく見ている伶美うららちゃんの図がとても美しくて印象的でした。
朝夏さんが1人で踊る場面は、階段をなくして舞台奥まで平面で使ったほうが迫力あるダンスが見れた気がしましたし、パレードでは両脇にある柵のようなセットが邪魔で、いつものようなパレードの階段降りの迫力が薄れてしまっている気がしました。
オープニングで出演者たちがどんどん大階段から降りてくる場面は華やかでわくわくしましたが、この使い方はよくありますよね。
つまり、大階段は必要なときにあればよい。大階段がない方が見栄えがしそうなシーンを作ってしまうなら「全場大階段」は売りにはならないなと。

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