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2006年1月の3件の記事

2006/01/15

ベルばらの愉しみ。

ムラ遠征後、小出しに感想を書こうと思っていましたが、なかなか書くことができないうちに1週間が経ってしまいました。
思うことはいろいろとあったのですが…

自分ではなかなか「書く」という行為ができなかったんですが、ネットではいろんなブロガーさんの感想を読みました。
ちなみに「フェルゼン」で検索したら、たくさんの観劇感想がヒットしました。
「大和悠河」や「不滅の恋人」では、なかなか毎日は新しい記事は拝めなかったのに、「フェルゼン」だと1日に10件以上の新規記事がヒットする…すげ~や!です。さすが「ベルばらさまさま」です。

宝塚ファンの方の感想も多いですが、やっぱり、「初宝塚」「数年ぶりの宝塚観劇」の方の記事が多いですね~。
初観劇や、久しぶりのベルばら観劇をたのしみにされていた方の感想は概ね好評が多く、宝塚ファンの方の感想は、辛口やツッコミが多いというのも特徴でしょうか。
初めて見た方でも、フェルゼンが印象的だった方、オスカルが印象的だった方…とまちまちで、それも面白いなーと思いました。私が印象薄いと思ったアンドレが印象的だったと綴られている方もあり、そんなところもベルばらの特徴なのかなぁと思ったりもします。
舞台そのものが与える印象もあるでしょうけど、原作やアニメで知っている方は、やはり思い入れのあるキャラに目がいってしまうのかも…。

私も見に行って、やっぱり、宝塚らしい演目だな~と思いました。良くも悪くも宝塚だなぁと。
宝塚歌劇団がどんなに素晴らしい作品を生み出しても、宝塚といえば「ベルばら」という世間様の評価は変わることがないんだろうなー。ベルばらが似合わない劇団になってしまったら、やっぱり宝塚じゃないんだろーなーと、なかば諦めの心境も入りつつ、肯定的に受け止めております…いまは。^_^;

で、いろんなブログを見させていただくうちに、新しい楽しみも見つけました。
世の中には、本当に小気味よいツッコミがお上手な方っていらっしゃって、さっそくベルばら観劇記で細かくつっこまれているのを、お腹を抱えて笑いつつ…読ませていただいたりしております(笑)。
こんな楽しみ方も、ベルばらならでは…ですね。
多くの人が共通項としてもっている(原作の)知識もあるので、同じ観客としてのシンパシーもとても感じますし。
笑ったり怒ったり(改悪しやがって、脚本家のばかー!!みたいな…)、すごーーくカタルシスがあります。

熱演されているジェンヌさんにはお気の毒なんですけどね…。でも熱演されているからこそ、とも思います。
というかお芝居に手抜きだけはしないでもらいたいです。あの脚本で、手抜きの芝居を見せられてしまったら、ほんとーに興醒めですもんね。
タカラジェンヌさんがんばれ!!!という気持ちも大いに掻き立てられる演目でもありますよね。

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2006/01/11

星組「ベルサイユのばら」@宝塚大劇場

1月8日の11時公演を見てきました。
貴城けいさんのオスカルでした。

 

見終わった感想は・・・ (以下ねたばれしてますー)

 

となみちゃん(白羽ゆりちゃん)のアントワネット、いいじゃん!です。
おっとりしていて浅慮そうだけど、素直で気立てが良くて華やかで、あんな難しい時代の王妃ではなく、ふつうの貴族の令嬢だったら、まさに社交界の花として愛される人だろうなぁと思えました。
公安委員さんたちに子供を取り上げられてしまうシーン、牢獄でのフェルゼンとの別れのシーンには泣かされましたし。
アントワネットの見せ場はしっかり押さえているな~という印象でした。(新曲のソロもありましたよね。あれがアントワネット作曲?)

 

反面、フェルゼン様の見せ場が少ない気が・・・・。
大浦みずきさんのフェルゼン編で見たスウェーデン国王の前での剣の舞とか、好きだったのになぁ。全国ツアー版にはあると聞いていたので、大劇場でも見られると思ったのになくなっていて残念でした。
フェルゼン編とフェルマリ編の差なのでしょうか・・・。
今回付け加えられた新しいフェルゼンのシーンは、いまいちな気がしましたし。
メルシー伯爵の説得を受けてのソロ「アン・ドゥ・トロワ」は蛇足な気が。あんなふうに煮え切らないで悩む姿は見せず、(苦渋の末であっても)すっぱりと身を引く潔さ、男前さが見たかったなぁ。

 

一幕最後の宮殿の大広間のシーンもなぁ。ここが一番つっこみどころだったです。
でも、おかしなシチュエーションなんだけど、その場にいるアントワネット、オスカル、アンドレ、メルシー伯爵…それぞれのリアクションは、心情が察せられてとても良かったです。
そして、フェルゼンが「愛の面影」を歌うにいたると、せつなくて…。わたるさんは、人を思う役が本当に素敵だなぁと惚れ惚れしました。オスカルの気持ちを思いやりつつ(すまないという悔恨の気持ちもありつつ)、アントワネットへの苦しい愛を歌い上げている…そんな感じでした。(ついでに、わたフェルは2人の女性を一度に愛せるくらいの度量がありそうだよな~と^_^;)

 

二幕初めのスウェーデンのフェルゼン邸のシーンも、うーん^_^;でした。やっぱりなつめさんフェルゼン編の邸宅でのやりとりのほうが好きだなぁ。危機感があって。身の危険を冒してもアントワネットのもとに駆けつけようとするフェルゼンの強い愛を感じられたから。
今回の脚本では、演じる人もそこらへんを表現しにくい気がします。無聊とはいえ、お庭をお散歩しているのはなぁ。
で、「行け行けフェルゼン」は・・・いくらなんでも馬速すぎませんかね~(笑)。

 

フェルゼンにとっての最大の見せ場は、一国家を相手にしても、命を賭して愛する人を救出に向かおうとする強さ、勇敢さ、真剣さ。一人の女性への愛ゆえにほかのことが何も見えなくなっている男の愚かさとエゴも含めて、「一人の愛する男」として、どこまでの「本気」を客席に見せられるか…という、このあたりの場面だと思うのですが、どうも脚本がポイントをはずしているようで、もったいないな~と思います。
はっきりいってこのあとの牢獄のシーンは、アントワネットの独壇場になりますもんね。フェルゼンの想いが強ければ強いほど、それを振り切るアントワネットが男前~にみえるという…。
それまで真綿にくるまれているような女性だったアントワネットが、最後にもっとも王妃らしく威厳を示すあのシーンの主役は、あくまでアントワネットですから。
すべてにおいてほぼ原作派の私が、唯一原作より宝塚版のほうがカッコイイと思ったのが、フェルゼンだったもので、フェルゼンにとっての見せ場がなくなっていたり、書き直されて薄味にされてしまったみたいで、そのあたりがちょっと不満でした。

 

とはいえ、今回の脚本でよくなってる~と思ったところもありました。
フェルゼンとアントワネットの小舟のシーン台詞。「道具だったのです」がなくなっていましたよね。私、いつもあの台詞をきくと「ハァ?」と思っていましたので、なくなって本当に聞きやすくなりました。
そのぶん、アントワネットの寂しさが伝わる台詞になり、フェルゼンの「おいたわしい」にも共感できました。
また、ここの2人がすごく熱々の甘々で、愛し合ってる~~って感じに溢れているんですよね。わたとながコンビである理由がすごく納得いきました。「ばらのスーベニール」にうっとりでした。

 

なんだか、わたとなのことばかり語ってしまいましたね。^_^;
…が、こんやはもうこれ以上は限界なので、ほかの方々の感想は一言ずつ…。(スミマセン)

 

かしカルは、とても美形なオスカル様でした。予想していたとはいえ、生で見るとやはりうっとり。フィナーレのデュエットダンスの女装もきれいでした。

 

アンドレは、やっぱり歌が良かったです。すごく素敵な「白ばらの人」を聞かせていただきました。
でも、かしカル相手には華奢だなぁ…という感は否めませんでした。単体ではビジュアルも素敵なアンドレなんですが。
それと、出番が少なくてもったいない~。トウコちゃんを見たい人には、寂しいだろうなぁと思いました。その分、東宝で魅せまくってほしいです。ほんと…。

 

ジェローデルは、なにげにかっこよかったです。すずみんって、かっこよかったんだ~って見直してしまいました。

 

ベルナールも出番が少なかったなぁ。伝令ばかりしていたような気が…。

 

衛兵隊は、本当に衛兵隊?っていいたくなるほど美形が揃っていました。近衛隊のまちがいじゃないのかな~^_^;と。

 

ロザリーってあんなに男前キャラでしたっけ? ウメちゃんが、という訳じゃなくて、台詞がいちいち男前で潔くて…(王妃らしく死なせてあげてとか、パリに出動するオスカルについてとか…) 原作とキャラがちがってる気がしました。

 

あ、モンゼット侯爵夫人、去り際にかしカルに「かしげたお顔もかわいいこと」とかおっしゃってました~(笑)。

 

 

公演が決まったときは、すごく心配した「ベルばら」でしたが、生徒さんたちは美しくて、生き生きと役になりきっていて、面白く見ることができてよかったです。
おフランスものとはいえ、とても日本的で、カタルシスがありました。(しっかり泣かされました~~)
でも、数年後にまた見たいかといわれたら、勘弁して・・・と思います。正直、ほかの作品、ほかの役が見たいです。

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2006/01/09

「不滅の恋人たちへ」@宝塚バウホール

陶酔のエゴイストにめろめろ~)^o^(

 

7・8日と宝塚に行ってまいりました。
宙組バウ公演を3回、星組ベルばらを1回、観劇しました。
同じおフランスものですが、180度違う趣きで面白かったです。

 

まずバウホールの「不滅の恋人へ」から・・・・(大いにネタバレしますー)

 

バウホールは小さめの本当に見やすい劇場でいいですね。舞台全体を見るには「り列」辺りがいいかも。前方席はもちろん良いのですが、舞台に直に寝転ぶお芝居(!!!)の時はちょっと見づらいかな~と思いました。

 

さて、感想ですが・・・はじめにいっておきますが、私に客観的な感想は無理です。(^^ゞ
大和悠河さんのアルフレッド・ミュッセは、まさに才気と美貌の「青春のプリンス」。眩暈がするくらいbeautiful!で、ひとつの流し目にポヤ~~ン。片方の口角が上がれば、うっと~~り。口許から言葉が零れればとろ~~ん。というような具合で、私は完全にイッてましたので…(笑)。
またナルシストぶり、エゴイストぶりが素敵で。崩れてしまう姿も目を離せない…。目を眇めて皮肉をいう顔さえ美しい。
そしてミュッセのこの攻撃性は、相手へ向かうのと同じくらい自分自身にも向いているんだな~。鋭利な切っ先で自分をも傷つけているんだな~と。
"上手に”やれない生真面目さが、この人の持ち味であり魅力だなぁと思いました。中庸でいられず極端から極端にはしってしまうのが悲劇でもあるけど。
でも人生の中で一度くらいは、こんな色男に振り回されてみたい…と思わせられる人。もちろんサンドさんでさえ手に負えなかった男を、私ごときにどうしようもないのはわかってますけど。(^^ゞ(きっと3日ともたず逃げ出してしまいそう)

 

若すぎても絶対に御し得ない。でも、年齢を重ねて相手に寛容になりすぎてしまっても面白くない。
やっぱり、ちょうどジョルジュ・サンドの年齢で、エゴとエゴとをぶつけ合うような恋愛こそ、ミュッセにはお似合いだと思いました。
恋愛中は腹が立って、別れたくてたまらない相手だと思うけど、別れたあとで一番忘れられない恋人ですよねぇ。それだからこそ、「不滅の恋人」たりえる人ですよね。魂が不滅である限り、世界の終末までそこに刻み付けられる…。
激しい言葉で罵っても、結局は愛していると言ってしまう…ジョルジュの気持ちがせつないほど染みました。
人は相手が善人だからという理由では、あまり恋に落ちない気がします。悪魔的であるほどハマってしまう…。
時として罪は快楽であるように、時として苦しみも快楽ですから。
激しく憎めば憎むほど、その振り幅で愛も深まる気がします。
あんなに強い「想い」をぶつけ、ぶつけられるるいちゃんジョルジュがほんとーにうらやましかったです。

 

カタルシスはないけれど、いつまでも作品世界に浸っていたいヨーロッパ映画のような作品でした。

 

(タニちゃんのことばかり書いちゃいましたケド、細かなことはまた書けましたら後日に…)

 

P.S.
 バイロンの詩(名言)をいくつか知っていると、さらにミュッセの言葉にニヤリとできますよ。(^^)

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