「不滅の恋人たちへ」@宝塚バウホール
陶酔のエゴイストにめろめろ~)^o^(
7・8日と宝塚に行ってまいりました。
宙組バウ公演を3回、星組ベルばらを1回、観劇しました。
同じおフランスものですが、180度違う趣きで面白かったです。
まずバウホールの「不滅の恋人へ」から・・・・(大いにネタバレしますー)
バウホールは小さめの本当に見やすい劇場でいいですね。舞台全体を見るには「り列」辺りがいいかも。前方席はもちろん良いのですが、舞台に直に寝転ぶお芝居(!!!)の時はちょっと見づらいかな~と思いました。
さて、感想ですが・・・はじめにいっておきますが、私に客観的な感想は無理です。(^^ゞ
大和悠河さんのアルフレッド・ミュッセは、まさに才気と美貌の「青春のプリンス」。眩暈がするくらいbeautiful!で、ひとつの流し目にポヤ~~ン。片方の口角が上がれば、うっと~~り。口許から言葉が零れればとろ~~ん。というような具合で、私は完全にイッてましたので…(笑)。
またナルシストぶり、エゴイストぶりが素敵で。崩れてしまう姿も目を離せない…。目を眇めて皮肉をいう顔さえ美しい。
そしてミュッセのこの攻撃性は、相手へ向かうのと同じくらい自分自身にも向いているんだな~。鋭利な切っ先で自分をも傷つけているんだな~と。
"上手に”やれない生真面目さが、この人の持ち味であり魅力だなぁと思いました。中庸でいられず極端から極端にはしってしまうのが悲劇でもあるけど。
でも人生の中で一度くらいは、こんな色男に振り回されてみたい…と思わせられる人。もちろんサンドさんでさえ手に負えなかった男を、私ごときにどうしようもないのはわかってますけど。(^^ゞ(きっと3日ともたず逃げ出してしまいそう)
若すぎても絶対に御し得ない。でも、年齢を重ねて相手に寛容になりすぎてしまっても面白くない。
やっぱり、ちょうどジョルジュ・サンドの年齢で、エゴとエゴとをぶつけ合うような恋愛こそ、ミュッセにはお似合いだと思いました。
恋愛中は腹が立って、別れたくてたまらない相手だと思うけど、別れたあとで一番忘れられない恋人ですよねぇ。それだからこそ、「不滅の恋人」たりえる人ですよね。魂が不滅である限り、世界の終末までそこに刻み付けられる…。
激しい言葉で罵っても、結局は愛していると言ってしまう…ジョルジュの気持ちがせつないほど染みました。
人は相手が善人だからという理由では、あまり恋に落ちない気がします。悪魔的であるほどハマってしまう…。
時として罪は快楽であるように、時として苦しみも快楽ですから。
激しく憎めば憎むほど、その振り幅で愛も深まる気がします。
あんなに強い「想い」をぶつけ、ぶつけられるるいちゃんジョルジュがほんとーにうらやましかったです。
カタルシスはないけれど、いつまでも作品世界に浸っていたいヨーロッパ映画のような作品でした。
(タニちゃんのことばかり書いちゃいましたケド、細かなことはまた書けましたら後日に…)
P.S.
バイロンの詩(名言)をいくつか知っていると、さらにミュッセの言葉にニヤリとできますよ。(^^)
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コメント
くぅ~っ!タニちゃん良かったんですねぇ!
私も見に行きたかったです~。
先日行きつけの本屋で岩波文庫稀少本フェアというのをやってまして、ジョルジュ・サンド「彼女と彼」という本がありました。
「文豪ミュッセとの恋愛を描いた半自伝的作品」との帯を見て、つい買っちゃいました。初版1950年の本、旧仮名です…。とりあえず、頑張って読んでみます(笑)
投稿: ひー | 2006/01/16 01:37
旧仮名ですか… ということは漢字も旧字体とか…? すごいですねー
その本、オンライン書店で検索したら「お取り扱いできません」だったんですよ~ 1950年? 本当に「希少本」フェアなんですねー(それにびっくり!)
「不滅の恋人たちへ」は太田先生の作品ということで、なんとなくリカさんのプロヴァンスを彷彿とさせるところもありました。
タニちゃん自体が、どこかリカさんを彷彿とさせる部分もありまして… るいちゃんと話しているのに、視線がるいちゃんではく正面-つまり客席-なところとか…(笑)。夢を見るような、見下ろすような目線がとってもナルシーなミュッセさんで、見ている私はぽや~~んとしてしまいました。
物語的には、期待された優等生のお坊ちゃまが、年上の女性との恋愛でしくじって転落していくっぽい感じもプロヴァンスっぽいかなと。
ただミュッセの場合は、最初に挫折を味合わされた人妻とは別れて、サンドに惹かれてしまいますけど。
それと、舞台がやはり南仏プロヴァンスではなくて大都会パリ。周りは奇人変人(芸術家ともいう?)ばっかりで、醜聞ですら勲章にされてしまうあたりが、彼にとって幸運というか不幸というか…。根はとっても純粋で生真面目な青年というのは似ているのに。
あとドラマシティではなくて、バウホール作品だからか、セットがとてもシンプルで…長椅子にも机にもなる飾り気のない箱を、チャルさまがお芝居をされながら、移動させたり積み替えたりされてました(笑)。
チャルさま、黒いラメの口紅にお顔にもラメが輝いていて、とっても妖しかったです~)^o^(
るいちゃんは色っぽかったですよ~~ ラブシーンが綺麗な中にもリアルっぽい表現とかありまして、まるで息子の閨房を覗いてしまった母親の心境で…ドキドキでした。
ラストパーティのように東上するといいのに…と思うのですが。
ただバウホールサイズのこじんまりとした作品なので、青年館にはどうなんだろう?っていう気もします。それはラストパーティも同じですが…。
こういう場合はちゃんと、ホールに合わせて変更があるのでしょうか。
タニるいもすごくいい雰囲気だったので、本当に青年館のラストパーティも見てみたかったです・・・
投稿: theo | 2006/01/16 23:02