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2006/04/27

「NEVER SAY GOODBYE」の感想#1@宝塚大劇場

4月21日から23日の4公演を見てきました。(貸切公演除く)

もう…すごく良かったです。
観劇後も毎日、頭の中を曲が駆け巡ります。1曲ではなく、いろんなナンバーが。

とにかく曲が良い、曲にのった歌詞が良い、演出が良い…。
脚本には注文もありますが、それを凌ぐ感動がありました。
一幕さいごの「ONE HEART」の大合唱は鳥肌ものでした。

スペイン内戦が舞台でしたが、歴史はあまり考えなくて良いと思いました。
そこに生きて輝いた人の生き様を目に焼き付けることができれば。

語りたいことが沢山ありすぎて、どこから書いていきましょう…という感じです。
ストーリーの順を追っていくと何夜かかるかわからないので、頭に浮かんだ順に書いていきます。(^^ゞ

(以下、ネタバレいたします)

        ・

正直、ストーリー運びの点でどうかな?と思う部分もありましたので、筋立てにお芝居の醍醐味を見出すタイプの人にはつまらないかもしれないな、とも思いました。
感動的な場面がいくつかあれば大満足なタイプの人には、すごく美味しい作品じゃないかな。(←私) 心に響くシーンがいくつもありましたから。


そんな私のお気に入りのシーンのひとつは、ヴィセントたちがアジトで仲間割れをするところ。

同じ理想を掲げて共に戦う仲間(センチュリア・オリンピアーダ)だけど、反ファシズムの人民戦線政府は内部分裂、フランコ将軍率いる反乱軍が力を強めていき、戦況は思わしくない。
意気消沈し、何のために残り、戦うのだろう…と懐疑的な思いにかられる者も出てきて・・・

仲間の中に生じた温度差が感情的な亀裂を生んでしまう。
このシーンがとてもせつなかったです。
一度は硬く心を結び合った仲間がこんなふうになるなんて、皆心底疲れているんだなぁ…と。

ここに集うだれもが、人民オリンピックの趣旨に賛同して、それに出るために意気揚々と故郷を出てきたのでしょうに。
故郷には恋人や家族を残したままなんですよね。きっとすぐに帰ってくるつもりで。
逢いたいですよね。
ふつうだったら、軽口のひとつでも言ってゆるせることもゆるせなくなってるんだなぁ。追い詰められているのよねぇ。

そんな仲間たちを見て、苛立つヴィセント。彼が一番苛立っているのは、この状況をどうにもできない自分の力の無さではないかな。
八つ当たりのように苛立ちをぶつけるしかないのが辛いなぁ。
そして、一番言ってはいけないことを言ってしまうんですよね。ジョルジュに「お前は写真を撮っているだけだろう!」と。お前に一体なにがわかると。
相手を責めながら、自分の心も血を流している。そんなヴィセント。

ヴィセントの目を見て、理解するジョルジュ。
言葉だけじゃない、その裏にあるもの。
相手の深いところにキツイ一発を埋め込んで、分かり合うっていうのが、いいんだなぁ。男同士。ってかんじでした。(すごい萌えシーンでした…(^^ゞ)

ジョルジュって本当に、懐が深いヤツよねぇ。
大国に挟まれその思惑に翻弄された国に生まれ、家族や人々の苦難を目にして、数々の屈折を味わってきた人だからかなぁ。
傍観者であったジョルジュが、共に戦う決意を彼らに告げる。
お気楽な「キザなフランス野郎」(byキャサリン)を気どっていたジョルジュが、封印していた自分の真実の気持ちに真っ直ぐに向き合う瞬間だと思いました。

私は、ここのぶつかり合ってゆるしあう仲間たちが本当に好きです。
一連のナンバーもとても感動的で。
このシーンに歌われる「俺たちはカマラーダ」は本当に泣けました。

願わくば、もっとそれぞれのバックグラウンドを浮き彫りにして、故郷や、理想への個々の思いを描いて、膨らませてくれたら、もっともっと好きになるのになーと思いました。
マックスもビルもビョルンも、ハンス、ナセール、タリックも皆魅力的ですもん。
もったいなーーい!と思うんです。


っと・・・1シーンでこんなに語ってしまって・・・
どうしましょう。
ひとまず今夜はここまでにいたします。
一番語りたかった部分を言葉に出したので、あとはもうちょっと落ち着いて語れるかな?
どうでしょう(笑)。

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