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2006/09/20

闇に舞う女豹。

タカハナ時代の宙組のショー「テンプテーション」の中で歌われた「熱愛のボレロ」。
もとは星組のショー「ラ・カンタータ」でシメさんが歌われた名曲だそうですが。

この歌詞の中には「貴女は咲き誇る赤きバラ」とか恋人(女性)を讃える言葉がいろいろ出てくるんですが、どーも私には「それってほめ言葉???」と思えてならないフレーズが目白押し。

「咲き誇る赤きバラ」はいいとして、「(貴女は)夏の日の稲妻」と喩えられてうれしいかな?
極めつけは、「闇に舞う女豹」・・・・・・絶対うれしくないぞ。少なくとも私は。

なんだか、ケイブンシャあたりの官能小説みたいじゃありません?(笑)
なんだかなー。清く正しくないよなー。ぜんぜん。
・・・・とか思っちゃう私が、汚れてるのね・・・・(^^ゞ

ショーの歌詞やお芝居に出てくる女性キャラクター見ていると、
脚本家の先生の女性の好みとか女性観とかが如実に現れているような気がします。

岡田先生は、気の強そうな派手めの女性がお好きなように思われます。
そのせいでしょうか男役によく女装をさせてらっしゃいますね。
けなげな娘役然としたタイプより、自己主張の強い女性にこだわりがあるのかな。
(テンプテーションでたにちゃんがやった赤い衣装のペネロペとかが典型かなと)
星組と相性が良いように感じるのは、じつは岡田作品と星娘たちの相性が良いからなのかも。

正塚先生の作品に出てくる主役とヒロインは、共犯関係というかパートナーシップを築いて共に歩んでいく感じ。
一見対等な男女関係のようですが、どこか「女はばか」と思ってるでしょ?と思わなくもないです(笑)。
去って行こうとする男に、最後の最後ですがって泣く女性とかお好きでしょ?と。
(じつは、ツンデレ派?)
どこか抑圧されたかんじがする女性。素直でない女性が多いなぁ。
そういう内面を抱えた女性を男性が上段から見ている感じがチラチラするんですよね。
もっと自由な女性のほうが面白みがあるのに!と思わなくもないです。
男同士の友情・敵対関係の面白さに比べてヒロインの存在意味が弱い気がするのは、そのあたりが原因かな。
(と思いつつ、素直じゃない女性に共感させられてしまうのは私の業でしょうか…(^^ゞ)

柴田先生は、「女性には裏がある」ってかんじでしょうか。いろんな意味で。
そのへんを巧く紐解いていく(暴いていく)ものだとドラマとして面白かったりする訳ですが。
(このへんは女性・男性に限らず柴田先生の真骨頂だと思います)
「大奥」とか題材にされたら、かなり濃厚な女の世界を描かれそうです。

柴田先生の作品が女性の二面性に「えっ???」という驚きを感じさせるものだとすると、
酒井先生は、女性の二面性をあっさりと受け入れているかんじです。
「女性とは媚びるもの」。でも、とっても逞しくて強い存在、という感じ。
じつはいつも男性のほうが情けないんだけど、そんな弱くて脆い男性を最後まで愛している。
つまり情が深い。
楊貴妃も西施も、自分が死ぬことないのにー 男の落ち度は男に背負わせていいのにーと思うけど。
そうはしないところがいいじゃん。と思います。
眞女児(浅茅が宿)もキャラ的にとても好き。
「その男は、この女がここまで執着するほどの人間なのか?」と理屈をいってもはじまらない。
「愛」になった瞬間に、理屈じゃない世界のものになったのだから。
ということを、とーっても感じさせてくれて面白いです。

どの先生も、それぞれの女性観とか好みを反映しつつ
「こんな人いるいる!」とか、または「こんな人いるかもしれない」「こんな人いたらいいなー」
といつのまにか物語世界にはまらせてくれるのは、やっぱり凄いなーと思います。

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コメント

そんなにいろんな作品を観たわけでは
ありませんが、俺の場合、正塚センセの作品は
いつもストライクゾーンど真ん中ですわ

あのニヒリズム、たまりませんわ(笑)
ナルシストだからこそ描ける世界だと思っています
(その世界に嵌るってことは俺もナルシスト?)

キムシンせんせの「不滅の棘」これ最高ですよね
その他の作品は知りませんので???です(大汗)


投稿: 近藤634 | 2006/09/20 12:21

634さんコンバンワ。
正塚先生はやっぱりナルシストなんですかねー?
武士は食わねど高楊枝…っていうか「男の痩せ我慢」を見せてくれるのが面白いと思います。(^.^)
自分でボケツッコミするおちゃらけもあるけど、どん底まではカッコ悪くなれないのが弱点?(←ココが落としドコロだと思われます。<悪魔の囁き)
あと、やっぱり私は脇のおやじキャラの一言が好きです。
男性キャラが魅力的なのに比べて、女性がちょっと辛気臭いのが玉に瑕かなーって思いますね。私の好みからすると。

「不滅の棘」は面白かったです。
木村先生は、絶望的な孤独や淋しい人間関係を面白く描く人だと思いますが
恋愛を豊かに描けないのが、宝塚的にキビシイかも。
恋愛が力関係になっていたり、親子関係の透かしだったり
キミら中学生かってくらいあまりにピュアで相手に厳しい(自分には甘い)恋愛模様だったり・・・(^_^;)
でもこのへんを逆手に面白い物語を描いて下さるかも。と期待してます。
それと観客を気持ちよく帰そうって気持ちは露ほどもない人みたいなので(笑)、見る側の精神状態によってはキツイかも。
(こういうところが贔屓の生徒さんが出ていると辛いんですよね…リピートが…)

同じ脚本家の先生の作品を何作か見てみると、自分なりの見所も掴めてきて楽しみが広がって面白いですね。(^^)

投稿: theo | 2006/09/20 20:05

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