君はそこにいるのに~DC「A/L」初日遠征記#6
昨夜のつづきです。
(以下、ネタバレいたします)
・
2人がマルセイユに逃避行?しているあいだにも
パリのスーピーズ伯爵家周辺の状況は変わっていきます。
(ルイ・アントワーヌ・レオン公爵=ともちんがいろいろ画策してましてね~(^_^;)
『怪盗紳士』の発禁が解けて、作者ヴィクトワールが釈放されて
ルパンが、令嬢アニエスを誘拐拘束する理由もなくなってしまいます。
甘い陶酔の時間も終わりです。
別れを告げるラウルの表情がせつなくて…(>_<)。。。
心地よく甘くやさしい時間はいつか終わりを告げてしまう――
ということを、悠か遠い昔に思い知らされている2人です。
そしていま、また・・・・・
若くて経験値もないに等しい2人の恋は、周囲の状況に流されていくばかり。
自分たちの力で切り拓いていける見通しもない恋です。
滴るような瑞々しさが切ないばかりです。
う…うまいです、齋藤センセイ。
国を揺るがす大事件よりも、私はこんな“ときめき”をたにちゃんの舞台で感じたかったの。
少女漫画だなぁ…と思った要因のひとつが、この淡くて切ないときめきが、
全編をつうじて流れているところ。
往年のオトメもきゅーんとしてしまいました。
型破りで強引そうに見えたアニエスちゃんも、じつは
好きな人に拒まれたら落ち込んで何にも言えなくなる乙女なんですよね。
傷ついて、屋敷に戻ってきた時の顔が、とってもとっても切なくてきゅんきゅんしました。
(うめちゃん、いいわ~)
いま、レオン公爵が絡みながらスーピーズ伯爵家で起きていること
それも実は過去の首飾り事件が発端なんですね。
王妃の首飾りとルパン(ラウル)の関係に着目した賢くて悪い公爵様は、
ルパンをおびき寄せる悪巧みを。
レオン公爵の裏の顔を知ったルパンは、アニエスを助け出すために自ら罠の中に!
つうわけで・・・・
公爵が本性を見せるシーンは、もっとケレン味いっぱいで演じて見せてくれていいと思います。
すごく魅力的な悪役だから、客席に雪崩が起きますよ。(^^)/
初日と2日目を見る限り、ともちんはまだまだ遠慮がち(笑)。
おもいっきりやっちゃってください、色っぽい悪役の顔、待ってます!
ともちんが、ナンパで甘い文系の教授の顔(オモテ)と狡猾でオトナな悪人の顔(ウラ)を
やりすぎなくらいに演じ分けることで、この作品はこの作品なりに深みが増すと思うんです。
(え?だれも深みはもとめてない?・・・そんなことおっしゃらずに…(^_^;)
あるのかどうか、じつはよくわからなかった必然性(笑)も見えてくるのではと思います。
この作品の説得力、ともちんレオン公爵にかかっている部分が大きいと思います。
最初の登場は、いにしえの少女漫画ばりにバラを背負って出てほしいの!
伯爵夫人の首飾りを触るシーンでは、尖った尻尾が見えるくらいダークに…。
いつも好い人役が多かった気がするともちんの悪役が新鮮でカッコ好かったので
ぜひぜひもっともっと!と思ってしまいます。
(じつはレオン公爵が大変趣味でしたの)(がんばれ、ともちん!)
ピュア~で傷つきやすい若い恋人たちvs狡いオトナ代表レオン公爵、で
がんがんどかんどかん火花を散らしてほしいです。
白いスーツ(ウェディング仕様)のともちん公爵とルパン装束のたにラウルの
立ち回りシーン、すごくカッコイイです。
音楽も、いかにもってかんじで盛り上げてくれます。
なんかこう、血肉湧き踊りマス。
こういうカタルシスのある場面とせつない場面があって、
あっという間に終演になってしまうのですよね。
レオン公爵の悪事が露わになって、ルパンは初めて自分がラウルであることを
アニエスにばらすわけですが…(つっこみたいのはわかりますが、ここはガマンですよ)
それは、永遠の別れも意味するのですよね。
ルパンの別れの言葉は、「アデュー」なんですよね。「オルヴォワール」じゃなくて。
どこかでアニエスとすれ違っても、あるいはどこかでアニエスを見つめていても
もう姿を見せないってことなんでしょうか…?
「ちっともおしゃれじゃないわ」(byアニエス)
私も、可愛い可愛い恋人たちとお別れするのが、とてもせつなかったです。
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