第10場A 再びGHQエントランス/朝鮮戦争と神武景気(黎明の風)@宝塚大劇場
録画したかしちゃんのサヨナラ・ショーを繰り返し見ています。
念願の仮面のロマネスクのシーンが見られてシアワセです。
ヴァルモン=かしちゃん、メルトゥイユ=るいちゃん、ダンスニー=悠河ちゃん、で
想像してみたりして・・・。
でも、ダンスニーの「うっとりします」は、やっぱり轟さんじゃなきゃだなぁ。。。
それから、コパのシーンもうれしいです。
「ダンシング・フール」のあと、「コパカバーナ」になるのも。
悠河ちゃんが、名前はリコ~♪と歌いだすのがたまらなくて・・・。
そして、銀橋のともちんが色っぽくて、くぎづけ。
もしももしももしも、コパ再演ってことになったら、ともちんリコは如何でしょう。
目つきのエロっぽい、大人っぽい色悪キャラができあがりそうですよ♪
さて、「黎明の風」の感想のつづきです。
なんだか、つっこみばかりしているような気がしますが、
「つっこんでナンボ」、それもまた娯楽になるのが、宝塚だと思っております。
気持ち良く(後味良く)つっこめるのは、それもまた作品の魅力の1つだと思ってます。
(以下、ねたばれいたします)
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カンカン娘たちが袖にひっこむと、上手花道から珠洲くんと琴羽桜子ちゃんのカップルが登場。
桜子ちゃんは「真知子巻き」です。
どちらかというと、女の子が主導権を握っているカップルってかんじかな~。
いつもは、「晩御飯ご馳走してよ」なんですが、時々「豚汁」だったり、他のものだったりしてました(笑)。
珠洲さんも、時々マッシュルームカットだったり、眼鏡の冴えない人だったり(笑)。
上手に座ることが多かったので、いつもたのみしにしてました。
GHQによる再軍備の要請に、吉田首相のまわりはざわついています。
私は武藤さんの「日本をひっかき回すのは、やめてもらいたいですなァ」を聞くのが好きでした。
辰美さんと吉田首相は、もっと深刻にやりあっています。
「軍隊は国民に支持され、愛されてこそ、命をかけて国民の為に戦えるのです」という元軍人の辰美さんの弁は、もっともだと思います。
吉田首相は、いまの日本に本格軍備にまわす予算はない、自衛のための最低限の兵力を保持しつつ、一部アメリカに基地の存続を打診して、講和の条件を引き出そうと言います。
が、まっすぐな気性の辰美さんには、受け入れられるものではないみたい。
辰美さんは、現代にも尾を引く憲法問題にも言及します。
それに対して、白洲さんが車や聖書・仏典に喩えて、どんな憲法であっても、それを実践して活用するのは人間。日本人の「判断力」に賭けてみようじゃないか、と辰美さんを説得します。
素直で純粋で浪花節風味の辰美さんは、それで説得されてしまうけど、
本当は、もっと頑固で論理的な何千何万の「辰美さん」を説得できなければいけないような気がするけど・・・(^_^;)
宝塚だから、そこはいいのよね。キレイゴトで。
ロジカルなことは、小劇場の演劇に任せて、ここは大いに浪花節、いえ、花と夢の世界を突き進めばOKですよね。(いまいち花や夢の世界に突き進みきれていないのが、石田先生なんだけど・・・)
宝塚風というよりは、石田節なんだけど、それもOKかな。と思います。
だからきっと男性のお客さんに、受け入れてもらえている気がします。
(男性のすすり泣きを聞くという稀有な体験は、この作品ならではだと思います)
多少、煙に巻かれた気がしないでもないですが(笑)、白洲さんが辰美さんたちを説得したところに、マッカーサーがブレストンを呼ばわりながら登場します。
(吉田首相のお愛想も無視しちゃっているところが、わたくし的に萌え~でもございました)
アメリカ本国へ打診していた朝鮮への援軍要請がトルーマン大統領によって拒否されて、怒り狂うマッカーサー元帥。
「大統領は海軍贔屓だ。私のことがキライなのだ!」って、そんな駄々っ子みたいな・・・(^_^;)
思わず怒り狂っているマッカーサーが可愛く思えてしまうのは、石田先生の術中にはまっちゃってるのでしょうか(笑)。
「なら…私は台湾に渡り、親友の蒋介石に援軍を要請する!」って、もう~どこが、「なら」なんだか(笑)。
(結論、良い男が本気で怒ると可愛いということで・・・)
ブレストンとグルーパーが一緒になって、激昂する彼を説得しようとするけど聞き耳もたないマッカーサー。
「停戦も休戦もありえない!」って。めちゃくちゃな~(汗)。
マッカーサーには、マッカーサーのプリンシプルっつうものがあるわけで。
目の前に悪の存在がのうのうとしているのに、戦わずにいるなんて、ありえないんですよね。
彼にとって、戦うとは、相手が立ち上がれないくらい徹底的に打ちのめし、彼の信ずる「正義」に平伏させることなのですね。
もちろん、そのためなら自分も傷を負う覚悟はあるのでしょうけど。
自分の大切な何か(誇り?)を守るために、戦い続ける人なんでしょう。
でも、そんなことしたら、第三次世界大戦になってしまうやん。と緊張する周囲の人たち。
色めき立つ辰美さん(脳裡に原爆で亡くした妹さんのことがあるみたい)を目で制して
第三次世界大戦だけは、回避していただきたい、とマッカーサーに土下座する白洲さん。
プレストンが、マッカーサーに「あなたは白洲さんに何をさせているのか判っているんですか」と詰め寄ります。日本人にとって土下座が、どれほど屈辱的な行為か、と。
へ?そうなの?
土下座で第三次世界大戦が回避できるのなら、いくらでもしちゃうよ?と思う私は日本人ではないのかしらん・・・(^_^;)
どう考えても、世界大戦>土下座、でしょ??? イコールなんてありえないもの。
辰美さんは泣いているし、正子さんは夫の姿を正視できずに後ろを向いちゃっているし、皆は責めるようにマッカーサーを見るし・・・
よくわからないけど、なんかマズそう?と空気を読んだマッカーサーが、指示棒を投げ捨て、白洲さんに手を差し伸べた時。
大統領からの解任通告を手にしたジーンが駆け込んでくるのです。
「やっと祖国に帰れる・・・!」
ジーンを抱き寄せるマッカーサーの表情が無条件に美しくて、思わず感極まってしまいます。
いったい、どんな思いが、彼の胸中を過ぎっているのでしょう(涙)。
でも、なんかやっぱり煙に巻かれたような気がしないでもないのですが、
マッカーサーの表情でぜんぶ水に流せてしまう、しょせんどこを切っても悠河ファン、宝塚ファンな私です。
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コメント
今クラッシック千秋楽を観ています(笑)
この後さよならショーを観るのが楽しみだわ。
投稿: ichiyo | 2008/03/30 00:12
◇ichiyoちゃん、
サヨナラショー、いかがでしたか?
退団同期の生徒さんにとっても、うれしい演出・構成の
サヨナラショーだった気がします。
かしちゃん、いろんな作品で良い歌をいっぱい歌っていたんですね~
(カレーニンの歌と式部卿宮の歌は、やっぱり泣ける~)
投稿: theo | 2008/03/30 10:25