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2008/03/30

第10場B サヨナラ・ニッポン(黎明の風)@宝塚大劇場

宙組のムラでのお稽古も今日でいちおう終わりですね。
満開の桜の中で、東宝初日が開けるのでしょうね。

 

第10場の感想を書きながら、千秋楽の出の悠河さんの笑顔を思い出しました。
劇中のマッカーサーの演説の一文を引用して、私たちが
「私たちは、悠河さんを永遠に愛し続けます」と掛け声を掛けるのを嬉しそうに聞いて
「私も皆さんを愛しています」なんて答えてくださるものだから、私たちがきゃ~となっているのを見て微笑んでらっしゃいました。
隣の轟さんの会の方も笑ってくださってました。あちらは、正子さんの台詞から引用して掛け声をかけていらっしゃいました。
轟さんも、ニコニコ聞いていらっしゃいました。
とても、和やかで華やぎのある楽の出でした。

 

さて、「黎明の風」の感想のつづきです。
(以下、ねたばれしています)

 

下手花道で、日本で過ごした6年を惜しむポーラと正子さんがたわいない会話をしています。
舞台上では、段上のマッカーサーが和子さんに花束を渡されています。
マイクに入っていない「ありがとう」というマッカーサーの声を聞くのか、密かなたのしみでした。
そして、マッカーサーのあたたかい感動的な演説がはじまります。

 

「今ここにいる我々は、敵でも味方でもなく、・・・(中略)・・・世界の平和に向けて、共に手をたずさえて行く仲間であり、同士であります」
マッカーサーを見守るブレストン、グルーパー、辰美さん、宮川さん・・・皆が、それぞれの思いを、わだかまりを乗り越えて、今ここに、同じ気持ちでいるのだ、ということが伝わってくる感動的な場面でした。
マッカーサーが、史実、本当にそう言ったのかどうかは知りません。
でも、宝塚はキレイゴトでいいんだと、しみじみと思います。
そのキレイゴトに感動した、1人1人の心が大切なんですから。

 

去っていくマッカーサーの、残していく日本の人々への気遣い。思い。
そして、それを受ける側、双方それぞれに思いやりに溢れていて、良い場面だと思います。
昭和天皇との会見の話は、史実ではないとのことですが、それでも、晩年のマッカーサーがそう語りたいくらいに、彼は昭和天皇に、日本という国、民族に、リスペクトを感じていたのだと思ってもいいのではないでしょうか。
(たとえ、ほかの意図があったとしても)
吉田首相に、「プレジデント」と呼びかけるのは、やっぱり最後まで納得がいきませんでしたが・・・(^_^;)

 

そして、マッカーサーが銀橋で歌う「サヨナラ・ニッポン」。
むずかしい歌詞でも曲でもありません。でも、いつもとても心に響いてきました。
マッカーサーの澄んだ瞳が素敵でした。
ときどき大粒の涙が零れているのを見て、さらにぐっときたりもしました。
別れを惜しみ友情に感謝する歌詞がストレートだからこそ、胸に迫るものがあるのかもしれません。
銀橋の反対側から、マッカーサーを迎える無言のジーンも素敵でした。
涙を隠すようにレイバンを掛ける夫をしずかに見守って。最高の伴侶だと思います。
「サヨナラ・ニッポン!」
心からの拍手を贈りたい場面でした。

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