過ちから学んだものは許しあう心♪(黎明の風)@宝塚大劇場
第3場まで書いてみましたが、マッカーサーの場面とそれ以外とで
なんと温度のちがうこと・・・・
スミマセン。ここは、そういう人間がやっているブログなので、どうぞご容赦くださいませ。
このお芝居、名作!大作!という作品ではないかもしれませんが、
作品全体を流れる世界観、眼差しが好きだなぁと思います。
本当はもっとごちゃごちゃ、どろどろした時代なのでしょうけど、
作り手が描きたいところを綺麗に抜き出して、温もりのある視点で描いているのが
良いところじゃないかなぁと思います。
後味の悪さがなくて、見終わって温かい気持ちになれます。
演じている人たちの思いが、まっすぐに伝わってくるせいもあると思います。
では、つづきです。
(ネタバレします)
・
<第4場>
前場が、マッカーサーの人となりをあらわす場面だとしたら、
この場は、白洲次郎という人の人となりを描いた場面かな。
前場の本舞台が暗転すると、下手から吉田茂が辰美さんを怒鳴りつけながら登場。
辰美さんは大変恐縮しながら、吉田茂のあとをついてきます。
オープニングの台詞(「天罰」とか)でも思うのですが、
辰美さんって被虐の系譜の素質がありそう。
南條範夫さんの時代小説の登場人物が似合いそうな感じがします。
(そのせいか、とても気になります。生まれた時からの腐れ女子なので・・・)
(ようは、叱られている辰美さん萌え~っつうヤツですね・・・イタタ)
場面は、太平洋戦争開戦前のロンドン、日本大使館。
吉田茂は、時のイギリス大使。
和子さんも大使と一緒にお住まいのようです。
そこへ、お金を使い果たした白洲次郎が大使館に置いてくれ!と夫婦連れでやってきます。
次郎のやんちゃを「若造だな」と皮肉る吉田茂に、和子さん(藤咲えりちゃん)が一言。
「お父様も、昔は若造でしたわ」 このセリフ、とっても石田先生っぽくて、クスリ。
で、白洲さんの奥さんになっている正子さんなんですが、
うーん。。なんか、空気が読めない女性で、私は苦手かも・・・・と思いました。
日にもよりましたが、白洲さんに対して、とても勝ち誇った顔を見せるときに
あれ~?ちがうんじゃないかな~という気がして。
同じセリフを言うのでも、もうすこし可愛らしさとか、弱さとかがほしいなぁ。と。
なんでもこなせるたっちんの弱点かも?
(私の好みの問題というのも大きいでしょうけど)
ヒロインや共感すべき人に共感しにくいのは、芝居を見る上でとても辛いのです。
言い方や表情で変わらないかな?と思いますが、どんなもんでしょうか。
(たっちんに対して厳しすぎますかね・・・(^_^;)
とはいえ、たっちんも藤咲ちゃんも、本公演レベルの芝居を遜色なくこなしていて
凄いな~と思います。
ほんとうにたのもしいです。
ありがとう、ありがとうと思ってます。
さて、ここでは次々と白洲さんの後輩やら親友やらやってきて、
カントリーカントリー♪と浮かれ踊っています。
私はちょとばかり、いい気なものだな、と思わなくもないです。
オブザーバー的役割も大切だけど、重い荷を背負って真ん中で
身を粉にして働たらく人がいなければ、成り立たないのにな。と。
双方が、おたいがいを尊重しながら両輪のようにやっていければいいのでしょうけど。
(だから、吉田茂と白洲次郎の関係が良いのかな?)
それにしても、汝鳥さんの吉田茂は凄いです。
ソファに腰掛けて、次郎に目配せするところとか、まさに背筋に電撃でした。
どれだけ、汝鳥さんが凄いかということが、この役で実感としてわかった気がします。
それにしても(その2)、吉田茂の次には白洲さんに叱られ、
上から目線で語られても、「はい」と答える辰美さんに萌え~です。
<第5場>
いよいよ、真珠湾奇襲が実行され、開戦となりました。
美形の水兵さんたちが、「月月火水木金金」を歌いながら陽気に銀橋を渡っていかれます。
まだ、あまり戦争の緊迫感は感じられません。
(このシーンは、軍服マニア向けに海軍のセーラー服をご披露する場面だと理解しております)
つづいて本舞台では、里村キクさんたちが、鍋を打ち鳴らしながら「隣組」を歌われます。
まだ、なんとなくたのしげです。
翼賛会の珠洲さんが言う、「オットセイ、タツノオトシゴ」は笑ったほうがいいのかな~
ここ、全体的に笑っていいのか、いけないのか、微妙なんです。
憲兵の郷くんが、青い目の人形を没収していくときの迫力に、やっぱり恐ろしい時代なんだ~と悟るのです。
前の場面とはうってかわって、いきなり「イン・ザ・ムード」が景気よく流れて、
な、ナニゴト????と思っていると、
そこは、フィリピンです。
日本軍の進軍により、コレヒドール島の要塞で窮地に追い込まれているマッカーサーは
イライラと行ったり来たり。(その歩き方だけで、ステキ~と思っているばかがいます)
東京ローズ(あおいちゃん)アナウンスによる、日本の調略放送に苛立っているみたいです。
(「イン・ザ・ムード」はラジオから聴こえているのでした)
砂埃が立っていそうな殺風景な要塞なのに、ジーンさんは真っ白なスーツと帽子で
マッカーサーたちのそばに付き添っています。
(さすが宝塚!ってカンジで、じつは好きなのです。それが)
ラッセル少佐(まさこちゃん)が、「許せん!」と怒ってます。
でも、それ以上に無言のグルーバー中佐(ともちん)のほうが怒っているみたい。
ラッセル少佐を諌めるマッカーサーがカッコイイです。(そればっかり・・・(^_^;)
オーストラリアへ行くようにと、大統領命令を告げにきたブレストン大佐(みっちゃん)を
マッカーサーが怒鳴りつけます。
名誉を重んじるマッカーサーにとって、敵前逃亡は屈辱的なことなのです。
これまで敗北という敗北を知らないマッカーサーなので、名誉と忠誠心のあいだで
そうとう揺れ動いているようです。
ラッセル少佐が、「フィリピンは、私の部隊が死守します!」と
とっても健気なことを言ってくれます。
(まさこちゃん~~~)
見つめあう2人。(マッカーサーとラッセル)
辛うじて、潜水艦ではなく、フリーゲート艦で日本軍の海上封鎖を突破してやるという
ことで、彼は自尊心を保つ道を見出したようです。(史実かどうかは知りません)
誇り高い人は、いろいろと大変です。
それでは、ご家族だけでも潜水艦で、というブレストン大佐に
「私も軍人の妻です」と、マッカーサーと同道すると言ってきかないジーン。
なんか違う気がするけど、ま、いっか。
メイドのアー・チュ(彩苑さん)も同道すると言っているし。
テンパっている男たちより、大丈夫そうに見える2人です。
そして、
「アイ・シャル・リターン!」 マッカーサーのプライドが閃光炸裂です。
戦況は、日本にとって思わしくなく、鶴川村で隠居中?の白洲さんのところへ
近藤さんが、吉田茂の逮捕(終戦を画策しているというかどで)と
神風特攻隊への出動命令が発動されたことを知らせにきます。
烈しく憤り嘆く白洲さん。
そして谷村新司さんの「群青」のイントロが。
轟さんの歌に合わせて、レクイエム・ダンサーズが踊るのですが・・・・
うーむ。うーむ。うーむ。
あまりに唐突な展開で、初見のときはしっかり置いていかれました。
なぜなぜなぜ?な展開。
歌も唐突だけど、光ゲンジみたいなダンサーズの衣裳もナゾで。
1回目の遠征のとき(2/14-2/16)は、
「この場面は、アリスを好きそうな世代の石田先生がどーしても入れたかったんだ」
というふうに理解して帰ったのですが、
2回目の遠征の最初の公演(2/28)のこのシーンで、ふと上手に整列して
上を向いて敬礼している兵隊さんの役の子の清々しい純粋な顔に
うっ・・とヤラレてしまって。
その公演以降は、登場シーンから銃を構える兵隊さんを見て、うるうるしています。
演じているのが、まだ若い生徒さんなのも胸に迫る理由のひとつかな。
特攻隊として出撃していった若者たちも、ちょうどこの年代だろうなぁと思って。
きっとまだ、こんなに幼い、純粋な顔をしていたんだろうなぁと思って。
その子たちの敬礼する顔はもう、たまりません。
去っていくときの、まだ男役になりきっていない体型にも、うるっとしてしまって。
しっかり、私のうるポイントの1つになってしまいました。
(下級生の一人一人まで、皆自分の役をがんばっているんだ~と思ってまたうるうる・・)
ダンサーズに視線があつまる場面だとは思いますが、ぜひ兵士の子達も見てみてください。
私のオススメポイントです。
つづきます~。
(ちょっと息切れ)
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