「もう1人の僕」
7歳で父親を亡くしたスチュアート。
夫を亡くしたという現実を受け入れられない母。
彼なりにそんな母と幼い妹を守らなければと思ったんだろうなぁ。
息子に亡き夫と同じ道を歩むことを願う母。
幸か不幸か、彼には才能と、へこたれずに頑張れる強さが備わっていた。
そこに目をつけた大人たち。
母の願いと自分の夢が同じではないと気づいたとき、
スチュアートは彼なりに母と話そうとしたのだと思う。
けれど、あの通り、母は聞きたくないことは耳に入れず
にっこり微笑んで上手に話を逸らす。
「そんなことより、あなたの好きなジンジャークッキーはいかが?」
描写から「機能不全家族」の状態が垣間見える。
そのわりに、スチュアートはめちゃめちゃ「いい子」に育っているんですよね。
いや、「機能不全家族」の子だから、「いい子」(=AC)なのか。
そんな彼の心の中で育ったのが、パラダイス・プリンス。
「どんなときも無邪気に笑うもう1人の僕」。
周りの期待を一身に背負い、
表面は笑っていても、心から無邪気に笑えなかった子ども時代を過ごしていたのだろうなぁ。
長い時間をかけて、機が熟して、ようやく母親に理解してもらえて良かったなぁ。
私には、そのハッピーエンドが、なによりも嬉しかったです。
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コメント
私が自分を見失って呆然としたのは実は結婚して自分の子供を持ってからでした。自分が嫌だった事は子供にはしないと思い自分がして貰えなかった事はしてあげる、をしているうちに自分の子供時代を嫌でも振り返るようになり混乱していきました。それでも自分より大変な人はいくらでもいるしと自分を責めたりしましたが、ある方が大変か大変じゃないかはその人の受け止め方だからもっと自分本位になっていいと言ってもらい随分楽になりました。スチュワートの苦悩も何を贅沢いっているのと受け止められかねない(素直にわかるのはマギーだけ?)けれど私にはわかるなぁ。説明抜きに家を出た経験ありだし…(苦笑)
投稿: 一陽 | 2008/12/29 13:39
◇一陽ちゃん、
常々私も、一陽ちゃんはもっと自分本位でいいよ~と思っています。(^^)
他人のお馬鹿は一陽ちゃんの責任じゃないんだから、1人で背負わなくていいと思います~
私も、子育てによって、子どもの頃の自分を肯定し、歪になっていた自己愛を育て直した気がします。
子育ては、私にとって大事な時間でした。
(子らにはどうかはわかりません…(^_^;)
スチュアートとお母さんが和解する場面、
現実はそんなに簡単にはいかないよ~とは思うのですが、
おとぎ話に癒されたい私は救われました。
家庭内のことって、きっとわかってもらえないことが多いと思います。
子どもの言葉では、問題を伝えきれないと思うし、
ヘタに言っても反対に責められたり、贅沢だと言われるでしょうね。
(利用しようとする大人は、巧く言い包めると思うし)
ダゴベール(@シークレットハンター)の境遇に同情する人は多くても、
スチュアートの境遇に心を痛める人は数少ないかも…
(けど、ショービスネスなどで脚光を浴びた子どもが大人になって心に問題を抱えるケースって少なからず耳にしますよね)
(子ども時代を奪われた人の心の闇って深いと思うんですよね…)
そういう痛みや孤独も乗り越えて、誰のせいにもしないスチュアートは大物だなぁと思います。
かなり世間とズレているところも含めて(笑)。
そして10年後の、かなり普通っぽい幸せそうな家庭を見て、よかったなぁと私は勝手に幸せになってました。(^^)
投稿: theo | 2008/12/29 21:34
度々お邪魔します
私も最後のアメリカのホームドラマのようなお部屋を見て笑っちゃいました。だって育った家は天井高くて大理石張り(想像ですが)みたいなのに…
子育ては自分育てですよね~本当に
投稿: 一陽 | 2008/12/29 21:56
また来年よろしくお願いします
投稿: 悠生 | 2008/12/31 09:57
◇一陽ちゃん&悠生ちゃん、
今年もいろいろありがとうございました。
来年もそれぞれの場所から、ファン生活をたのしみましょう~(^^)/
投稿: theo | 2008/12/31 21:10