ややこしや。
ブリギッテ・ハーマン女史の
『エリザベート 美しき皇妃の伝説(上下)』を読みました。
んもう、ややこしい人やなぁ~(^_^;)――というのが感想です。
もちろん、トート閣下は登場いたしません(笑)。
エリザベート曰く
「もっとも幸福な人間とは、いちばんたくさん幻を見られる人間のことだ」そうです。
少女時代の彼女は、たくさんの幻を見ていた。
この世の少女たちが夢見る幻のなかでも、もっとも美しい幻も。
でも、それは結婚と同時にあっけなく潰えてしまう。
それから幾度か新しい幻も見たけど、どれもあっというまに萎んでしまう。
彼女は、ひどくロマンチストなくせに、ひどく冷静すぎるのだ。
すぐに幻のその先まで見えてしまう。
情報分析と判断力は抜群だけど、それを自分の幸福のために活かせない人。
見えすぎて、悟りすぎて、諦めて、現実から逃げてしまう人。