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2009/09/13

みなぞこ。

文庫版『百鬼夜行―陰』を読みました。

『姑獲鳥の夏』から『陰摩羅鬼の瑕』までの登場人物たち(主に脇キャラ)の内面に焦点を当てたサイドストーリー集というかんじでした。

榎木津も京極堂も登場しないので地味です。
うすぼんやり罔兩としたなんとも言い難い世界でした。
たいていの恐怖はこうしたものだろうなぁ。

「実力とは己の力ではない。己の背後の力である」(『火間虫入道』)
己の中に巣食う亡者たちの言葉に翻弄され闇に堕ちていった男。
絢爛豪華な袈裟衣を纏う蠱惑に、理性も客観性も求道も見失う男。

憑物は落とされないまま、「その日」を迎えてしまう。
日常の裏側。

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