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2009/12/14

グリーンブラッド。

レプリークの鳳蘭さんと悠河さんの対談で、
ツレさんが「私が守ってあげるから」とおっしゃったことが
あの限られた文字数のなかで2回も掲載されています。

時間にしてどれほどの長さの対談のなかで、
ツレさんが何回そうおっしゃってくださったのかはわかりませんが、
全体的な記事の流れは、
「守られた世界から荒波の大海に出ようとする後輩への
 大先輩からのアドヴァイスとエール」
というカンジでした。

それほど宝塚の生徒というのは守られている存在ということなのでしょう。
大先輩は身をもってそれを感じていらっしゃるから
ピヨピヨな後輩を目の前にして、なんども口をついて出てしまうのだろうな。
と思います。

何年間か宝塚ファンとして過ごしてきた私にとっては
まさに、宝塚がそんな世界であることが魅力でした。

こちら側(世間)とはちがう常識で生きている人たち。
だからこそ見せてくれる夢の世界。
だからこそよりリアルな人生、魂を見せてくれる瞬間がある。
それに心を奪われて、酔い痴れました。

極論を言えば、
世間知らずでないタカラジェンヌに何の価値があろうか。
と。

そんな彼女たちを直接守っているのは劇団ではなくて
彼女たちを応援している諸々の人たち。
劇団は、生徒についているその諸々ゆえに手厚く保護しているんだということ。

ムラ(宝塚大劇場周辺)に足を運ぶうちに、そんなこともいつしか身に染みて
感じていました。
そして、先生と呼ばれる方たちも、生徒と同じなんだなと。
生徒がいて、応援する方たちがいての先生なのだと。

そうして生徒を守ってきた人(たち)が、より有力な方がついたからと
お払い箱になってしまうことも。
複雑な思いを抱きつつも
彼女たちには緑の血が流れているからね――
という言葉に納得してしまう。
妖精さんだと思えばこそ、
美しさの陰の残酷さも受け入れてしまう。
それは、
私たちが生きる日常とは一線を画した世界のことだと思えばこそ。

生半可に一線に近づくと、それまでの価値観、是非の判断が通用せず
自分らしさを見失ってしまう場所でもあるみたい。
そんなだれかの無念もたくさん彼処(ムラ)には漂泊しているみたい。

昨年あたりから、劇団の方針によりムラでのファンの応援の仕方が
変わってきました。
これから、ファンの応援に限らずいろいろ変わっていきそうな気配です。

「妖精のすむ世界」から「世間」に近づきゆくのでしょう。
それは長い年月のあいだに生じた歪みの適正化ともなるのかもしれませんが
夢を見せてきた世界にとっては、諸刃の剣ともなりそう。


とまれ―――
これから宝塚を純粋に愉しむなら、ムラより東宝や地方のほうがいい。
ムラなら1泊が限度。できれば神戸などに泊まって。
キャトルレーヴの階段より向こうへは足を向けないほうがいいみたい。
ムラでの最後の日を終えて、私はそう心に思いました。

(生徒さんへの思いが、それを越えさせてしまうんですけどね…)

たとえ距離は置いても、これからも
生徒さんや、彼女たちを応援している人たちへのリスペクトは
失くさずにいられますように・・・

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コメント

昨日コメントをしたつもりが送信し損ねていたようです。

私のご贔屓卒業後の宝塚との関わり方もそんな感じです。

東宝って外に出るともう外の世界でさっぱりしている
感じがありますねぇ~~確かに。。。それでいて通年
で全ての組の作品が観れるので恵まれているかもと
思います。それと劇場がムラよりややコンパクトで
お芝居を観るにはコッチの方がいいし、ムラで一ヶ月
公演してきた後なので作品も熟成していたりします。

もちろん年に1度ほどムラに行くのはとても楽しみ。
私にとっては青春時代を過ごした懐かしい町だから。
阪急電車で通学した頃制服を着て楽屋口で待っている
と気軽にサインしてくれるジェンヌさん達。のどかな
時代でありました(笑)

夢のままでいいもの。。。にコメントしたつもり。。。
だったのは、卒業後もお友達になれるわけではなくて
いつまでもファンはファンだし、それでも付いて行く
彼女が私達の目の前から消える(引退とかで)ときに
夢から醒めるのかもしれませんね。わーっとメディア
で目立つほどでなくそれでもコンスタントに舞台の板
の上に乗っかってくれるのが私のペースにあっていて
助かってます(笑)あんまりスピードだされると、
ついていけなくなっちゃうんですもの。。。

そのうちムラで観劇してから神戸で夜景でも眺めながら
美味しいもの頂きましょう。。。

投稿: 一陽 | 2009/12/15 07:59

◇一陽ちゃん、
いつもありがとうございます。
ココログ、このところまた不具合があるみたいで・・・すみません。

悠河さんが宝塚を卒業したら、年に1回くらいのペースでムラに行って、
一緒に若水に泊まって、ゆっくり宝塚を観劇して温泉浸かって宴会もして…
などと漠然と考えていたのに
思ってたような時間がないみたい・・・(お金も)
あれ??ヘンだなぁ?
正直こんなに次々舞台のお仕事があると想定してませんでした。
甘かった・・・
でも、いつかきっと!
(退団したてで張り切ってチケットとりすぎたのが原因だと思うから…)

ムラはやはり独特の世界ですね。
本当にファンが贔屓さんたちのために身骨粉砕の如く動いているかんじです。
長年のファンの方には、生徒さんが新公学年のうちだけ応援し
新公を卒業したらまた入団間もない別の生徒さんを贔屓にして
1から応援をはじめるという方がいらっしゃいます。
え?ずっと応援されてきて、新公卒業されてからが
応援していた方も報われるんじゃないんですか?
と最初は理由がわからなかったのですが、
いつしかそれも理解できる気がするようになりました。
下級生のうちと、それ以上だと、応援の仕方も、求められるものも違うんですね。
ご自分の応援のスタンスを変えないで、誰か宝塚の生徒さんの応援を…と思えば
そのほうがいいのだろうなぁとか。
遠くで見ていた時には考えもしなかったことを考えたりするようになりました。

隅から隅までいろんな方たちに支えられてきた宝塚。
でももう、このままではいられないのかな。
綺麗な人たちを世間知らずのままでいさせてくれるような甲斐性は
いまの社会にはなくなってしまったのかなぁ。
なんて。

神戸、ぜんぜん不案内なんです。
(妙に濃ゆい?所には連れられて行ったことがありますが…)
いいでしょうねぇ。夜景・・・

投稿: theo | 2009/12/15 23:16

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