こんなことでいいのかと。
ミュージカル「カーテンズ」名古屋公演を見ました。
本当に本当の千秋楽でした。
東京の初日に見たときは、ここは笑っていいの?と思ったり
この人どういうキャラクターなのかなと腑に落ちなかったりもしましたが
それが、スタッフや出演者の方々の力で、どんどん面白いものになっていき
名古屋ではここまで!!(笑)というほど、たのしい作品になっていました。
もともとがブロードウェイのミュージカル通の観客向けの作品だと思うし
演出家もアメリカの方を招聘していたし、じっさいに日本の板の上に乗せてみて
お客の反応などから、わかったことなんかもたくさんあるのだと思います。
すこしでも面白く、よりよく、という出演者、スタッフの皆さんの気持ちが
こうして素晴らしい作品に仕上げたんだなぁと感無量になりました。
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いちばん印象が変わったのが、アーロンさん(鈴木綜馬さん)。
初日は、プライドが高そうで、相手に望んでばかりのなんだか嫌な人だなという印象でした。
それが、どんどん可愛くなってて。
自分の好きなことに夢中になるあまり、大切な人のことをないがしろにしちゃって
相手が離れてしまって。それに気がついて子供みたいに落ちこんじゃってる・・・
その姿に共感しました。
すねた様子も、初日は「卑屈」に見えちゃっていたのが、
大阪では「可愛い~」になっちゃってました。なぜに(笑)。
なんか、呆然と、まわりも目に入らないみたいにたたずまれちゃうと、きゅんとなります。
この人、自分のこともあんまりかまってないみたい。
パンツ丈は短いし。無精ひげだし。
もとがハンサムだからいいんだけど・・・
大きな子供ってかんじで、
母性本能を刺激されると弱いタイプの女性にモテそう。
ジョージアさん、この先も苦労すると思います(笑)。
大きな子供っていうのは、アーロンさんだけじゃないとも思います。
チョーフィさん(東山紀之さん)をはじめ、この作品の中の人たちはほとんどがそう。
ピュアなんですよね。舞台という夢の世界に対して。
もちろん皆大人だし、大人の取引きもして生きているんだけど
ピュアになれるものを心の中にもって生きている。
舞台に生きている彼らもそうだし、舞台を見るのが好きな人もそう。
そういう共感で劇場が満ちたとき、この作品の輝きは何百倍にもなりますね。
だから、しあわせになれるのかな。
それから私、クリス・ベリングさん(青山明さん)が好きでした~。
初日は、演劇界によくいると言われているオネエサマな演出家?
これは、観客もあたりまえのように受け入れて笑っちゃいけないの???と
どうしていいかわからなかったのです。
人が死んじゃったのを笑っていいの?と同じように。
でも次に見たときは、デフォルメ炸裂ししゃってて(笑)。
皮肉はあるけど、そこに愛がないわけじゃない。どこかお茶目な人。
愛すべきキャラに見えました。
ニキには「女」としての先輩。女トモダチだし(笑)。
(鈍感なニキよりも「女の勘」は鋭いとおもうわ~)
(だから、チョーフィさんにビビビときたんじゃないかな。運命の恋よって。自分じゃなかったけど)
ニキに対しては同性のお世話好きなオネエサマだけど、
バンビには同性として敵愾心が(笑)。
そういうところも好きでした。
いろんな経験をして、いろんな人生を見て
自分の居方を確立した人なんだなと思います。
彼を嘲笑う人もいたかもしれないけど、演出家としての名声と舞台への愛が
それを凌駕してますよね。
自画自賛で自分を鼓舞しちゃうところも好き。
この才能が枯れ果てちゃうってことはないの~
そうやって強く強かに生きている姿が。
初日から、私の印象があまりブレなかったのが
カルメン(鳳蘭さん)とバンビ(岡千絵さん)母子。
娘の服選び、ボーイフレンド選び。
もうすこし上手にできないのかと母が思うのは、古今東西同じなんでしょうね(笑)。
母は母なりに、娘は娘なりに相手を思っているのに
口を開くと言い合いになっちゃうのも、そう。
ここら辺は説明がなくてもわかっちゃいますよね。
それにしても、カルメンさんは酷くない???って思いますけど。
バンビちゃん、かわいそうよと。
娘である人、娘であったことがある人ならバンビちゃんに同情しちゃうと思います。
いつも言い合いをしている彼女たちが、じつはお互いのことを
いつも気にしているというのは、繰り返し見るほど感じました。
犯人逮捕前の2人の連係プレーがそれを如実にあらわしていますよね。
あそこはすごく好き。
見ているとしあわせな気持ちになれるので。
犯人逮捕後のカーテン前の強かなカルメンさんの開き直りも好き。
他人に娘のことを誇らしく自慢したい気持ちは、どの母親にもありますよね。
うらやましいです。
カルメンさんが、それだけのことをしてきたからこそですね。
そして可愛いニキ!
・・・について書きはじめたら、とんでもなく長くなってしまったの
でそれは別記事に(笑)
東京の初日あたりを見た方と、楽近く、大阪、名古屋の公演を見た方では
この作品の印象もちがっているだろうなとも思います。
初演作品を見るときは、もし初日を見るなら、時間を置いてもう一度見るほうが
お得。たのしめるんだなと、そんなことも学びました。
初日から2日目の公演を見た友人に、もう一度見てもらいたかったな。
でも、チケットは安くはないから、2度3度誘うこともできないし。
次からは、中日以降に誘うようにしよう・・・とは思うものの
私自身、福岡から行くわけで。むずかしい課題です・・・(^_^;)
名古屋は前泊して後泊して2泊3日の滞在。
でも名古屋は、劇場近くにお安いホテルがいくつもあるので
2泊しても東京公演1泊分でおつりがきちゃうのがありがたいです。
食べ物も珍しいものがいろいろで♪
そんな宝塚時代と比べたら、とってもお気楽な観劇遠征。
心からたのしみました。
出演された皆様、関係者の皆様おつかれさまでした。
そして、出会った皆様、お世話になりました。
本当にありがとうございました。
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