こわいお人でありんす。
イケメンミュージカル「戯伝写楽」。
イケメンがいっぱいでした。
小西遼生さん演じる喜多川歌麿さんはクールビューティ。
冷え冷えとした目ェをしていらしゃります。
このお人。
おせいちゃんに負けず劣らず、ヒドイ(笑)。
放つ言葉がいちいち冷酷。
切れ味鋭い刃物のような、ドSの権化みたいなお人。
まともに聞いて受け答えしている鉄蔵さんがMに見えてくるくらいです。
まぁ鉄蔵さんは、彼女に惚れるくらいですから、まちがいないでしょ・・(^_^;)
(本当に、浮雲さんがおっしゃるとおりの人ですね。鉄蔵さん)
(以下、ねたばれだと思います)
・
冷え冷えとした目で人の心の奥底まで見透かしながら、
浮雲さんに言わせると「すっとした絵ェ」を描かれるそうです。
絵の価値とはなんでしょう。
どんなに「良い絵」であっても、人がお金を出して
それをもとめる気持ちにならなくてはダメ。
そんなことをおっしゃってました。
プロですね~。
彼は彼のスタイルを、なにがあっても貫かれるみたいです。
カッコよくないですか?
イケメンは顔だけじゃない。
他人に厳しいことをおっしゃいますが、いつも自分に課していることを
言っているだけ。なのかもしれません。
そこが凄いですよね。
この人の生き方も半端じゃないみたい。
なりたくてもなれるものじゃないです。
(てか、しんどそうだから、なりたくない…)
舞台の上の歌麿さんは、いわば「カタキ役」。
この人が大きく見えないと、主役も大きく見えない。
スターでカリスマに見える歌麿さんが、写楽の絵を見て
顔色を変えるから、見ている私も写楽って凄いんだーって思う。
その顔色を変える、という演技をおおげさじゃなくニヒルに表現する小西さん。
うわっ。極上のイケメンだよ。。。この人。。。と思う瞬間です。
一瞬、温度が上がったかと思ったら、すぐにクールダウンするあたりがイイです。
抑制が効いているひとだわぁ![]()
歌麿さんのそのストイックさに惚れます。
こんな性格で、こんな生き方考え方で、
この人幸せなのかなぁ。なんて、ぬるい私は思うけど、
たぶん、この人は他の生き方は望んでいないんでしょうね。
中途半端な生き方なんか、ぜったいしたくないんだろうな。
ほんと、絵描き、もの書きとはおつきあいしたくないわ。
作品を見るのはいいけど。
あと、これほどイケメンなら、距離を置いて眺めるのはいいかもだけど。
見たままを描くおせいとはちがって、
歌麿さんは、「見たまま」に自分なりのアレンジを施すんでしょう。
カスタマーニーズを大事にされているみたいなので。
でも、浮雲さんのニーズには合わないみたい。
たぶん、浮雲さんと歌麿さんとおせいは、ぜんぜんちがうようで
似たところをもっているのかも。
人が見えないもの、
見せたくないものが見えるあたりが。
カスタマーニーズなんて考えず、天衣無縫に見たままを描くおせいに対して
歌麿さんは、自分のウリ、スタイルを熟知して、人が見せたくない、見たくないと
思うものは排除する方向性? そして残ったところが「すっとした」なのかな。
浮雲さんは絵描きではない。
でも見えるのだと思う。
人の素顔や心の奥は。
だけど、自分の顔だけが見えない。
自分があまりに鋭い目をしているので、
自分がどんな風に見えるのか、知りたくてたまらないのかな。
自分では見えないけれど、でも、こんな風に見えるのでは?という
おおよその予測はあるのだろうな。
いろんな人たちを見てきた経験上。
そして、自分が自分の思うとおりの顔をしていたら―――
ああしようと、とっくに決めていたのだと思います。
運が良いのか悪いのか、写楽にめぐりあって。
写楽が描いた自分の顔を見てしまった。
だから、しょうがないんです。
納得しちゃったんだもん。
そうですよね。
人をそこまでにしてしまう絵を描いているのに、
それにまったく無頓着なおせい。
こわいお人でありんす。
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