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2010/04/26

夢の名残り。

二の腕をがしりと掴まれ、揺さ振られるような中島かずきさんの言葉。
おそるおそる指先で触れて確かめるような荻田浩一さんの心の風景。
Japanese Musical「戯伝写楽」は不思議な雰囲気を醸す作品でした。

闇にまどう心を独特の肌触りで描き出すオギーワールド。
はまってしまうと闇に棲む快感から抜けられなくなってしまう。
そこから救い出したのはやはり中島さんの機知機転と言葉の力が底にあったからかなぁ。

たとえば、不思議キャラなら、かつての羽野晶紀さんがおせいを演じたら、別の部分がクローズアップされ浮き彫りになるかもしれない。
想像するだけだけど。

おせいは一人だけど、十郎兵衛が思う彼女と、与七が思う彼女、鉄蔵が思う彼女はちがう。
10人いれば10人のおせい像があり、100人いれば100通りのおせい像があるのでしょう。

自分が描いたおせい像が心に沿う人は、おせいを好きになり、沿わない人は嫌う。
人は他人に好かれるため、好かれる自分像を作ろうとするけど、
あるいは、他人が描く自分のイメージと自分が思う自分との乖離に悩んだりするけど、
おせいは、そんなの関係なさそうだった。
それこそ、私のイメージだけど。

私は人びとの夢まぼろしが、あの刹那に人のかたちとなって現れ、言葉を発し、他の何処かではなく、この世にあらざる処へと消えてしまったような大和悠河のおせいが好きでした。

かたちある絵と、百年千年とつづく大きな夢を残して。

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