阪急電車。
10年以上前のことになりますが、
3年ほど阪急沿線に住んでいました。
夫の転勤で関西に引越しが決まったとき、
相談した方たちが口を揃えて「住むなら阪急沿線がいいよ」
と言われました。
だからではないのですが、町並みや印象、
ことにちょうど満開だった桜並木の晴れやかさに惹かれて
住むことに決めたのは阪急沿線のまちでした。
結論を言えば正解だったなぁと思います。
いい方たちにめぐり会えて、愉しく刺激的な日々を過ごしました。
それが阪急沿線と関係があったかどうかはわかりませんけど。
住んでいたのは阪急沿線でしたが、1人、あるいは趣味友さんとよく訪ねたのは近鉄沿線。
「冥途の飛脚」(心中・恋の大和路)よろしく藤井寺、羽曳野、八尾、南河内・・・そして奈良。
お墓(古墳)が好きなんで。
古事記や日本書紀に出てくる地名にバンバン遭遇して、興奮したものです(笑)。
雰囲気もやはり阪急沿線とはちがってたかなぁ。
なにか心の奥のほうからざわめくような・・・われ知らず惹かれるものがありました。
阪急=ニート(neat)。近鉄=ソウルフル。ってかんじかなぁ。
さて、関係ない話が長くなっちゃいましたが、有川浩著『阪急電車』を読みました。
阪急今津線(の北線)を舞台にした小編が、駅の数だけ8編×2(折り返し)=16編。
宝塚歌劇に通っていた身には、見慣れた地名が出て、懐かしくうれしかったりもしました。
・
いちばん最後に今津線に乗ったのは、去年の5月、大和悠河さん退団公演千秋楽の翌日。
悠河さんのディナーショーのお稽古の入りを見送って、
泊まっていた宝塚ホテルをチェックアウトして、梅田のホテルにホテル替えしに行った時。
そして、折り返して悠河さんのディナーショーのお稽古待ちに行く時。
お稽古待ちが終わって、梅田に戻る時。1日で1往復半したなぁ(笑)と。
折りしも、神戸の高校で新型インフルエンザの感染者が確認された直後で、
電車の中は、マスクをした人たちだらけ。
していない人は、白い目で見られてしまうような雰囲気だったなぁ。
そんなことも思い出しました。
さて、小説のほうですが、登場人物が、巧い具合にリンクして、面白いです。
ほのぼのとニタニタと、そしてほろっと。うるうるして読みました。
ついつい、心の中でがんばれ!と登場人物に肩入れしたくなります。
あっという間に読めました。
ほのぼのとした読後感のきれいな小説なんだけど、
ちょっと潔癖すぎる気もするかなぁ。
阪急の上辺のイメージだといえば、まさにそうかも…ですが。
心の隅に魔物を棲まわせているような世界観に惹かれる私には
ちょっと窮屈な感じもしました。
だがしかし。
宝塚南口から西宮北口のあいだで下車したことはなかったなぁ。
もし、また行くことがあったら、逆瀬川や小林(こばやし、じゃなくて、おばやし)で
降りてみたいなぁ。
そのときは、この本を片手に・・・なんて思うくらいには、気に入ってるんですけど(笑)。
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コメント
ええとねぇ。。。
まさしくその沿線に住んでその沿線の学校に通っていた
私の印象としては、あのまんまなんですよん。。。
魔物が住んでいる感じはないです(笑)
元々堺辺りの大商人さん達の別荘地だったって
いうところなので今も住宅地臭さがないのかも。
来年映画化されるそうですよ。
投稿: 一陽 | 2010/09/21 08:30
おっ、かなり前ですが週刊ブックレビュー(BS)で
オススメしていました、読もうと思っていましたが
スッカリ忘れていました(苦笑)
基本的にムラへのアクセスはJRでしたが、たまに
阪急に乗ると中吊り広告やいかにも観劇に行くで
あろう母娘の姿にニヤニヤしたなぁ~
ちなにみ今津線の仁川(阪神競馬場)では何度か
降りたことがあります(笑)
映画化される前に原作読んどこっと。
投稿: 近藤634 | 2010/09/21 15:02
私もこの本、気になります!
小林〜逆瀬川辺りに住んでいましたし、やはり宝塚ファン?としては(笑)
近いうちに読みます★
投稿: れみ | 2010/09/21 16:43
theoです。
一陽ちゃんにレスしていたら、ねたばれになっちゃったので、
順番を変えてレスします
◇れみちゃん、
れみちゃんもあの辺りにお住まいでしたか。
(一陽ちゃんもだそうです)
やはり上品な沿線なのね・・・なっとく
ぜひ読んでみてください。
あの路線の雰囲気がよく出ていると思います。
それに、若い方の感想はまたちがうと思うので。
◇634さん、
そうか~! 阪神競馬場もあるんですよね。
ムラに行くために、阪急やJR宝塚線(福知山線)に乗り換えたときの
なんともいえない気分。なつかしいです。
地元の鉄道に乗っているときとは、ぜんぜんちがう・・・。
遠征ならではの高揚なのかなぁ。
宝物ですね。
◇一陽ちゃん、
うん。住むなら魔物は棲んでいないほうがいいかな(笑)。
まじめで正しい登場人物たち。
反面色っぽさはない人たちだなぁと・・・(^_^;)
彼女の元カレが言うように、あの状況で正論で男を責めてどうする!・・・とか(笑)。
男も女も、隙あらばこそ、恋愛が成り立つんだから。
それを否定して責め立ててたら話になんないやんと。
異性の隙は、「責める」ものではなくて「攻める」ものです。
最後に心の中でつぶやいているあの下りこそ、男に聞かせるべきなのに。
もう、ほんまにあほやなぁ。。。。って。
それと、男を暴君にしてしまう女っているのよね。
自分は正しい。こんなに尽くしているのに。
・・・っていう態度が端々に見えてしまうひと・・・。
それでいて、相手がイラつくことを言ってしまうひと。
「そんなの常識じゃない。そんなことも知らないの」って
けっきょく自分が知っていることを知らない相手に対して
優越感に浸りたいわけで。その時点で相手の無知や育ちを見下している。
「それがなんぼのもんじゃい」と言いたくなる気持ちわかります。
もちろん、暴力をふるう人間が悪いのだけど、
相手をそんな悲しい気分にさせないことって、たいせつ・・・。
どちらかが一方的に悪いというより、2人でつくっちゃった関係だなと。
こじゃれたプロットと筆力で一気に読めて、
思わず主人公に肩入れしてしまうけど、読み終わってちょっとだけ
あれ?って思ってしまうのは、どの話も、一方の側からだけの言い分だったなぁ
って気がすること。
アチラにも言い分がありそうって思ってしまって…。
なんだか皆、上品で正しくて賢いけど恋愛下手だなぁって・・・(^_^;)
えーと、もしかして、それが作者が描きたい「阪急電車」のイメージなのかな。
投稿: theo | 2010/09/21 20:21
読みたくなったので、明日にでも買ってきます!
そうなんですね!もしかしたら一陽さまは私の学校の先輩かもしれません(笑)
投稿: れみ | 2010/09/21 22:56
◇れみちゃん、
ぜひぜひ!
読み終わったら、登場人物たちと「ステキな通りすがり」に
なっていると思います。
ついついきっと、同じ電車に乗り合わせた彼らのおしゃべりに
聞き耳を立てたくなりますよ
投稿: theo | 2010/09/21 23:13