十六夜月に。
雲間から、月が煌々と輝いています。
昨夜は十五夜、中秋の名月でしたが、
じつは、今年は十六夜の今夜が満月です。
たしかに今夜の月は、昨夜の月よりほんのすこしメタボかも(笑)。
肌寒いくらいの澄んだ空気に、冴え冴えと輝く望月。
十六夜こそと云うのもうなづけるような。
こんな夜はやはり波津彬子さんでしょう…ということで
『空中楼閣の住人』を読みました。
「うるわしの英国シリーズ」の3冊目。
前2巻は読みきりの短編集でしたが、
これは3回連載が2作収められています。
エヴァディーン卿や猫のヴィルヘルムは出てきません。
かわりに出てくる骨董古美術を扱う貿易商のマクラウドは素直な感情表現が苦手っぽい。
なのであまり軽快洒脱に話がすすむ・・・ってかんじではないです。
むしろ、引き取った少年ヴィクターとのあいだに誤解が生じてしまう。
考えたら、この2人って性格が似ているのかもしれないけど…(^_^;)。
とりまく気の好い人々のおかげで、なんとか上手くいくけど。。。
愛すべき、めんどうくさい奴らです(笑)。
黒猫のユーイェンが可愛いです。
あの目で語りかけられたら、たまらん
妖精がいて、小鬼がいて、ドラゴンがいて(小さくて可愛い)、
五爪の龍やキマイラが動き出す。
波津さんの美意識の高さに感歎。
そういえば、お金持ちの男爵がパトロンの座を狙っている歌姫が
私の脳内では、彩乃かなみちゃんでした。
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