魔性と純情。
波津彬子さんの『幻想綺帖 二 玉藻の前』を読みました。
一は、短編集でしたが、二であるこちらは、
岡本綺堂の伝奇小説が原作です。
岡本綺堂といえば、本邦における探偵小説(捕物帳)の先駆者!
っていっても、私は未だ「半七捕物帳」を読んだことがないですが…
中国では妲己、天竺では華陽夫人に化けて
国を滅ぼそうとした九尾の千年狐狸精が本邦で化けたのが
この玉藻の前・・・そして、保元の乱につながる――
という歌舞伎や人形浄瑠璃にもなっている伝説が元ネタです。
妖狐にとり憑つかれる前の藻(みずく)という少女と千枝松との
淡い恋のくだりが綺堂のオリジナルなのかな。
玉藻の前の魔性ぶりと、
彼女の中の藻の面影と師匠(陰陽師の安倍泰親)との間で
揺れ動く千枝松の葛藤が読みどころ。
ラストが好きでした。
愚かで一途ではかなくて ―― でも、これもひとつのしあわせかな。
波津さんやっぱりいいなぁ。
「半七捕物帳」も読んでみたい。
(追)
宝塚GRAPH 10月号の表紙のまりも姐さんに、
玉藻の前をやってもらいたいです。
まさおちゃんとみりおちゃんは、
姐さんに誑かされなさい!(笑)って。
←コレね。
| 固定リンク | 0
« うつろふものは。 | トップページ | どすこい。 »
コメント
いいですね~キリヤさんは大坂侍が凄くヨカッタです。最近本公演で日本物のお芝居があまりないのでこれなんか面白そう。石田先生でしょうけれど下ネタは控えめで(笑)お願いしたいです。大坂侍のフィナーレで男衆が足元チラチラの躍りが妙に色っぽかったな。
投稿: 一陽 | 2010/09/18 08:13
◇一陽ちゃん、
石田先生はヤダヤダヤダ!(ジタバタ)
だって、妖艶=セクハラと勘違いされてそうだモン。
みどころは、妖艶な傾国の手練手管と
尊敬する師匠の言いつけとの間で葛藤する
ストイックな陰陽師の弟子の悩ましい姿。
妖艶な傾国なら、酒井先生がいいかと。
陰陽師の祈祷で術が破れ、狐の本性が暴かれていくシーンは
鷺娘なみにえんえんと舞踊で表現してほしいなぁ。
すべてを失った妖狐と彼女のために命を捧げる男が
手を取りあって天上へ昇る幻想的なラストとか♪(愛は盲目♪)
酒井先生がだめなら、大野先生がいいなぁ。平安ものだし。
(大野先生だと師匠と弟子の関係が濃厚になりそうかな…(^_^;)
(イケメンを奪い合う、師匠vs妖狐)
波津彬子作品に造詣の深い荻田先生が手がけられてもいいのになぁ。
あはは。夢ばっかり。
投稿: theo | 2010/09/18 21:07
そうね。。。
やっぱ、大野先生かしらね。
投稿: 一陽 | 2010/09/18 22:40
◇一陽ちゃん、
大野先生はヒロインをどうでもいいキャラ設定にしがちだけど
玉藻の前なら、キャラとして大物だし
しっかりと存在できそうな気が。
・・・でも、やっぱり師匠と弟子があやしいことになりそーな・・・(^_^;)
私はそれでぜーんせん無問題だけど(笑)。
投稿: theo | 2010/09/19 20:22