夢の奥津城。
お前は夜と朝の狭間揺れる迷い児・・・
いまさらながら、春野寿美礼さんに落ちています。
いま宝塚で彼女が主演していたら、飛んでいくかも。
というくらいに。
こんな男役さんがまた出現したら、宝塚ファンに復帰するぞ。
と思うくらいに。
マラケシュのプロローグを歌いこなせて、
リュドヴィークが演じられる男役さんが現れたら・・・
自分のことを「ひどい男です」とかキザを言って
その顔が誰より傷ついていて、かっこよい男役さん。
「パリへなんか行けるわけがないじゃないか!」という叫び声で
私の涙腺を崩壊させるような・・・
1920年代~1930年代の雰囲気がよく似合って
スーツが似合って、ソフト帽の縁をすべらす指が色っぽくって、
真ん中で誰よりも輝いていても、どこかエトランジェの雰囲気が漂っている人。
本来はここにいるべき人間じゃないと思っているような戸惑いを
心の奥底に残して、スポットライトを浴びているような。
狂騒のただなかにいても、
心はいましがたどこか遠くを彷徨ってきたとでもいうような。
・
ときどき、むしょうに「マラケシュ」を見て、また泣きたくなるのです。
「マラケシュ」って、私にとってそういう作品でした。
博多座版しか生では見ていないけど。
荻田浩一さんの真骨頂だなぁと思います。
「エンター・ザ・レビュー」との組み合わせもよかったなぁ。
あのレビューのパリの場面は、まさにレザネフォルで。
舞台美術や、春野さんのエトワール様の衣裳もアールデコ風。
アメリカが恋するフランスの雰囲気。
酒井先生の美意識が詰まってて。
大衆芸能であることと美意識が反発しあわない、
そんな魅力が発揮されたときの宝塚歌劇が大好物です。
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コメント
>大衆芸能であることと美意識が反発しあわない
あぁ~、それ、、、確かに宝塚そのものですね。
投稿: 一陽 | 2010/12/09 01:18
◇一陽ちゃん、
すべてがそういう作品ばかりではないけど、
宝塚はそういうところを目指してほしいなぁって思います。
そこに魅かれるんだもの・・・
投稿: theo | 2010/12/09 01:42