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2011年2月の5件の記事

2011/02/27

そらごと。

あさのあつこさんの「十二の嘘と十二の真実」という本を読みました。

 

王や后や公爵や侍女が登場するファンタジーのような物語と
平成の大合併やら温暖化やらを普通に口にするどこかの田舎町の老女の語りとが交互になっています。

 

いつも欲しい言葉を語る侍女。

 

あなたは正しい。
あなたは美しい。
あなたは偉大な方。

 

その言葉に頼って、いろんなものを見失っていく后。

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2011/02/26

冬の金魚。

岡本綺堂「半七捕物帳(三)」を読みました。
読みながらなんだか、江戸の町に郷愁を覚えました。
江戸の町なんて知らないのに。

岡本綺堂の文章がすばらしくて、なんど唸ったことやら。
夕立の情景。匂いや温度まで伝わってくるような描写。
憧れます。
奇をてらうことない、とっても平易な言葉を用いているようなのに。

半七親分のとてもフェアで健全な目線を通して描き出される
人と人が絡んだ事件。
プレーンでクリアでシンプル。なのに。
あれ。あれれれ?
これってもしかしてある種の嗜好では?
と思えるようなこともさらりと描かれていて。
あれ、あれれれれ?
そんなにあっさりと。
特別な言葉を知らなければそんなものなのかしら?

と思っていたら、さいごのさいごに半七老人。
「こんにちのお医者にみせたら、みんな何とかいう病名がつくのかも知れませんよ」
ご老人、ご存知でしたか。
恐れ入谷の鬼子母神。
本当に。
そのエピソードのタイトルが「冬の金魚」。
うーん。お見事。
(当時、金魚は夏の風物詩だったようで、冬の金魚とは変わった種を指しているようです)

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2011/02/20

恋は曲者、白桃の花。

博多座に坂東玉三郎特別公演を見に行きました。

今日見たのは、泉鏡花作「高野聖」と
常磐津の「将門(忍夜恋曲者)」。

獅童さんのお坊さんは、原作よりもうんと清らかな印象でした。
ああでも、原作ではお年を召してからの回想として
人に聞かせる一人称の語りだったから
謙遜が入って俗っぽく偽悪的になったのかも。
本当は、これほどに清らかで純粋な青年僧であったかも。

そう思わせるほど獅童さんの若いお坊様は好ましかったです。
声の感じから所作から。

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2011/02/15

花のをり知る身ともなるかな。

御園座の公式ウェブサイト、劇場案内の4月「綺譚桜姫」にマウスを合わせると
フラッシュを見ることができたんですね。
すぐにクリックして公演詳細ページを見てしまっていたので気づきませんでした。
悠河さんの目線

それにしても、不思議なかもじですねぇ。

今週の金曜日(18日)はいよいよ一般前売りの発売日ですね。
御園座のオンラインや@ぴあのほか、
地元の銀行系カードや旅行会社でも扱いがあるみたいですね。
(先行しているところも)

私は会で申込みはしましたが、公演期間が4月の上旬という予定を立てにくい時期で
せめてあと1公演増やしたいけど、増やせるのか増やせないのかまだわからず。。。
増やせるとわかったときにチケットがとれたらいいけれど。
とそんなかんじです。

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2011/02/03

ゆらゆら。

博多座にて坂東玉三郎特別公演「海神別荘」を見ました。

美しくて幻想的な舞台でした。

海神の公子の人間とはちがう感覚に
ときに頷き、ときにそうはいかないのよ人間は…と思い
人であることを考えさせられ、、、

ああ、悠河さんってそっちなのかも。。。と
浮世離れした人を思い起こしたりもしました。
悠河さんに似合う世界かもしれないなぁとも。

獅童さんは、浮世離れしたまっすぐで純粋でイノセントで
やさしくて残酷な公子を強弱豊かに演じられてました。
謙虚さと傲慢さ、両方をもつ公子でした。
気品があってお茶目でもあり、
愛されながらも畏れられる公子 ―― 海を統べる存在でありました。

お声が魅力的でした。
コスチュームもとっても似合って、床を引くマントの裾までとてもステキでした。
動きの一つ一つが計算されていると思います。

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