ゆらゆら。
博多座にて坂東玉三郎特別公演「海神別荘」を見ました。
美しくて幻想的な舞台でした。
海神の公子の人間とはちがう感覚に
ときに頷き、ときにそうはいかないのよ人間は…と思い
人であることを考えさせられ、、、
ああ、悠河さんってそっちなのかも。。。と
浮世離れした人を思い起こしたりもしました。
悠河さんに似合う世界かもしれないなぁとも。
獅童さんは、浮世離れしたまっすぐで純粋でイノセントで
やさしくて残酷な公子を強弱豊かに演じられてました。
謙虚さと傲慢さ、両方をもつ公子でした。
気品があってお茶目でもあり、
愛されながらも畏れられる公子 ―― 海を統べる存在でありました。
お声が魅力的でした。
コスチュームもとっても似合って、床を引くマントの裾までとてもステキでした。
動きの一つ一つが計算されていると思います。
・
玉三郎さんはそこに居るだけで、世にも稀な美女。
美しくてスノッブな人間の女性。
後ろ姿も裾引く衣の先もすべてのしぐさが美しかったです。
お衣裳も美しかったなぁ。
唐風のローブのような純白の、石がキラキラ煌いてて。
お2人の衣裳に、
そしてお腰元たちの紅色、黒潮の騎士たちの黒と青緑、
幻想的な淡い色調の舞台セットも美しかったです。
黒潮の騎士たちが黒いマントをゆらゆらと揺らめかせると
裏側の青緑が現れてまるで海の中のよう。
上から見ると舞台奥まで見えて、フォーメーションも美しくて
うっとり見蕩れました。
幻想的。
黒潮の騎士たちが操る白蛇がまた、ため息ものの動きをしていました。
その中にたゆたう美女。
美しいことこのうえなし。
お腰元たちがとても愛らしかったです。
しぐさも姿(しな)も笑い方も。
公子を目の前にして、僧都の言葉を復唱するところとか。
男の方たちが演じてらっしゃるのにですねぇ。不思議。
本当にイノセントな愛らしさでした。
それがまた、現世と隔てられた不思議さで、
この世界のものではない雰囲気を醸し出していて
なんだか、私の大好きな世界でした。
1人1人も愛らしいのですが、それぞれの姿作り、立ち位置がまるでリズムのように
舞台に配置されていて、紅色の打ち掛けが作り出す花のような舞台。
お腰元たちの打ち掛け、綿なしで薄い衣のような感じで
裾がラウンド型なんです。
広がった裾がまぁるくて・・・
後ろ姿は西洋のドレスのようにも見えます。
とってもステキな打ち掛けでした。
そして・・・かれらの口から紡ぎだされる鏡花の言葉の美しいこと。
宝石のように煌びやか。
この世のものではないような世界にひたった1時間と40分でした。
・
夢見心地で劇場を後にしますと
折りしも今日は節分で、エントランスで櫛田神社の豆をいただきました。
劇場を出たところのお寿司屋さんの軒先では、恵方巻きが売られていて
お土産に購入。
10年余り前、関西で恵方巻きの風習を初めて知りましたが、
まさか全国区になるとはねぇ・・・と感慨深い思いがします。
(追記)
プログラムを見ますると、お衣裳・美術は天野喜孝さんなんですねぇ。
さもありなんです。
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