牡丹芳。
夢枕獏著「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」を2巻まで読みました。
空海さんとか橘逸勢さんとか白楽天さんとか恵果和尚さんとか
教科書や博物館でしか知らなかった人たちが
会話したり遊郭に行ったりお墓を掘り起こしたり
活き活きと活動していておもしろいです。
ストーリーは、楊貴妃の死にまつわる謎に迫ってまいりました。
空海や逸勢や白楽天たちが、
彼らが活動している物語の「今」より
50年以上前に生きていた楊貴妃にまつわる謎を
李白や阿倍仲麻呂の文や詩などを手がかりに
解いていっています。
玄宗皇帝、高力士、安禄山、楊国忠とか出てきます。
どこか浮世離れしていて時空もなにも超えて行ってしまいそうな空海と
とっても俗物で憎めない逸勢の関係が好き。
逸勢にとって空海は友でありスターなんだな(笑)。
そんな逸勢に人間らしさとか単純な疑問とかを気づかされる空海。
密教や道教、ゾロアスター教や異国の古い宗教。
吐蕃や波斯や天竺の人々。
異国の酒や神や絨毯や妓生や道士や僧や詩人や
国際色豊かな人や物が溢れる長安の都。
猫の物怪や兵馬俑の化物。
何億という牡丹の花びらを蒼天に吹き散らす…とか
幻想的な情景を想像するだけでため息。
つぎつぎに面白いことが起きて、どうつながっていくのか…の1巻。
楊貴妃の死の謎に関係が…?の2巻。
つづきが気になります。