仮寝の夢。
バレンタインの夜は、博多座に二月花形歌舞伎を見に行きました。
はじめに紋付で亀治郎さんが挨拶をされました。
亀治郎さん、博多座10回目なんだそうです。
歌舞伎の役者さんの中でも最多出演だそうです。
お話の内容は、歌舞伎は畏まって観賞する高尚なものではなくて
客席も一緒に参加するものなので、周囲を気にせず自分が感動した、
綺麗だ凄い面白いと思うところで、思い思いに拍手を入れてください。
お客様の熱い拍手で10回の毛振りが20回30回になるかもしれません(笑)
なんてかんじで。
花道から舞台を移動しながら熱く語られてました。
で、1階から3階までの客席を、下手上手に二分して、拍手の練習というか
拍手合戦?やりました。
コンサートのMCみたいで面白かったです。
九州のお客さんは、熱くなるのに時間がかかるけど
いったん熱くなるとなかなか冷めない…なんてこともおっしゃてたかな。
それ、よくわかります。
歌舞伎だけじゃなくて、ミュージカルや宝塚でも一緒で
最初はノリ方が分からなくて戸惑うけど、わかってくると皆やっちゃえー的になるから(笑)
で、演者の方がノってくるのがわかると凄くうれしいの。
お祭気質だからかな(笑) 皆で盛り上がるのが大好きな人が多いですよね。
ということで、そこまでいわれちゃー遠慮はしねぇ!ってことで(笑)
この夜も盛り上がりました。
・
「華果西遊記」、もう最高に面白い(笑) 可愛い(笑) 派手(笑)
見せ場、見どころの連続ってかんじでした。
右近さん(孫悟空)のセリフの間や声色の変化がめちゃくちゃいいんです。可愛い~
ちょっと戯画的?
猪八戒(猿弥さん)と沙悟浄(弘太郎さん)とのチームも愛嬌たっぷりで
でもアクロバティックで凄くて面白かったです。
拍手喝采。
孫悟空に手術?を受けるのに大の字になっている猪八戒がなんとも可愛くて…
江を泳ぐ孫悟空も可笑しかったです。
宙乗りでは3階席ちょっと美味しい(^^ あれ右近さんがすぐそこに~みたいな。
女怪の美人姉妹は眼福でした。
お姉様らしい品のある笑三郎さん、そして愛らしい妹姫の春猿さん。
玄奘三蔵の笑也さんと3人並ぶとそりゃ綺麗。
絵画のよう。美人画のよう。
戯画的な孫悟空たちとの対比も目に可笑しいです。
女王姉妹、そして侍女たちがみーんな妖怪に変化した姿も凄かったです。
えーあの愛らしい妹姫が~)^o^( みたいな面白さ。
声も皆、さっきのしおらしさはどこへやら。
蜘蛛の糸を使って孫悟空たちとの大立ち回りも盛り上がりました。
金の妖怪の装束もド派手で、見得を切ったところもカッコよくて、うわぁ~
何度も言うけど、これがさっきの上品なお姉様と愛らしい妹姫?って感じ(笑)。
見終わって、とにかく楽しかったーーーー\(^o^)/と思いました。
そうだ。孫悟空の分身の術のシーンもめちゃめちゃ可愛かったです。
「鬼揃紅葉狩」は美しい上臈(亀治郎さん)と侍女たちの踊りに釘付けに。
上品でたおやかな所作が、侍たちが熟睡したのを確認し、
鬼の荒々しい本性が表わになっていくのを踊りで表現していく面白さ!
美しい女性から鬼への変化が1人の生身の役者さんで見えていくのが面白くて凄くて。
なんか、体重そのものが、倍くらいになったような感じがしました。
わー凄い凄い目が離せない。
そりゃ拍手です。
眠っているお侍さんのところへ、八幡様の御剣を託けに現れた
八百媛(笑也さん)の舞のこれまた涼しいこと。
これは姿の美しい女形ならではですねぇ。
うっとりでした。
女たちの正体を知ったお侍たちが、鬼の塚を壊すと
中から被衣で顔を隠した女?が登場。
下手袖からも綺麗な色合いの被衣に顔を隠した6人の女たちが。
いっせいに被衣を取ると、鬼の隈に赤い髪。
うわ~!
あの美しい女性たちが、鬼女の姿に。迫力。
鬼の隈を描いてても、素の顔がなんとなく区別がつきますね(笑)
お侍との立ち回り。
おーこれが(亀治郎さんがおっしゃってた)毛振りのシーン?
拍手がいっぱい(笑)。
盛り上がりました。
最後は討たれてしまうけれど、なんか鬼に肩入れして見てたので
悲しくなりました。
人は鬼に生まれるんじゃないんだ。
人の心では耐え難い苦しみの末に鬼になるんだ。
その苦しみを与えたのは人なんだぞぉぉぉぉ。
(ちょっと「鉄輪」に影響されずぎ?)
なんだかわからないけど凄かった。
美しかった。
見どころ満載でたのしかった。
そんな舞台を見せていただきました。
幕が下りても拍手が途絶えず、幕の向こうから花道へ鬼の姿の亀治郎さんが登場。
カーテンコール(笑)。
1階2階3階のお客さんに届くように大きなジェスチャーで感謝を表していらっしゃいました。
なんだか素敵な亀治郎ナイトでした(笑)。
とにかくたのしくて面白くてむずかしくない演目なので
歌舞伎を見たことがない方にもオススメしたいな~。
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