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2012/02/11

鬼ぞ愛(かな)しき。

夢枕獏著『陰陽師 鉄輪(かなわ)』と
『陰陽師 生成り姫』を読みました。
再読です。
なぜって、今年5月に悠河さんが能『鉄輪』を題材にした舞台を勤められるからです。

悠河さんが演じるのは、たぶん鉄輪の女でしょうかね。
安倍晴明ってことはないですよね^^;
(それでもいいけれども)

「身には赤き衣を裁ち着、顔には丹を塗り、髪には鉄輪を戴き、三つの脚に火を灯し…」
自分を捨てた男を呪い殺そうと丑の刻参りをする女。
女の嫉妬と恨みは恐ろしい・・・というよりは、
この2作品は、なんとも悲しく愛おしい物語なのです。

『鉄輪』のほうはもともと絵本なので、絵物語としてさらっと読めます。
といってもエッセンスがギュッと詰まっているので
ラストは泣けます。
なんど読んでも、博雅の言葉に泣いちゃいます。
『鉄輪』という物語のアウトラインを知るためにはちょうどいいかもしれません。

『生成り姫』は、絵物語の『鉄輪』を長編にリライトされたものです。

「生成り(なまなり)」とは、“能面の一種で、角を少し生やし、髪を乱した女面。般若の前段階で、女性の中の魔性がまだ十分に熟さない状態を表す。「鉄輪」の後ジテに用いる。”と辞書にあります。(「デジタル大辞泉」)

彼女がどうして鬼にならざるを得なかったのか。
その部分がよく理解できるように書かれています。
とても悲しいです。

心に鬼あればこその人。
人の心に鬼が棲むからこそ、人は歌を詠み、琵琶も弾き、笛も吹く。
そう晴明は言う。

人の心は深く、単純でもあり複雑でもあり。
なんだかなぁ。
でもだからこそ愛おしくなるんだなぁ。

陰陽師というもの。
安倍晴明といういう男。
源博雅という男。
について詳しく説明されているので、シリーズものではありますが、
この作品は、この1冊だけ読んでも大丈夫です。

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コメント

ありがとうございます。読みたくなりました‥

投稿: コスモ | 2012/02/11 21:10

◇コスモさん、
ぜひぜひ♪
『鉄輪』のほうには
「鉄輪」を元に書かれた舞踊劇「鉄輪恋鬼孔雀舞」の
シナリオも収録されていまして、
博多座でご一緒した「葛葉」のシーンも出てきます。
子役の晴明の「母さまいのう、母さまいのう」とか。

いろんな役に挑んでいく悠河さんを
これからも見続けられたらしあわせですね(*´▽`)

投稿: theo | 2012/02/11 21:26

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