闇の君。
夢枕獏著『秘帖・源氏物語 翁-OKINA』を読みました。
葵上と六条御息所との車争いから端を発する「葵」が元ネタのお話。
光の君と蘆屋道満がコンビを組んで、葵上に憑いた「物の怪」の正体を探ります。
物の怪の正体が、六条御息所の生霊だけで終わらないのが夢枕さんらしい。
源氏物語の中には異国の占師や陰陽師や阿闍梨の加持祈祷など
著者氏が好きそうなものがいっぱいですもんね。
そこにスポットを当てたところが面白いなーと。
(翁って、能の式三番に出てくる翁かなぁ)
(秦氏と太秦の謎はやりすぎ~)
光の君が私の抱くイメージと少々違いました。
たしかに、光の君の孤独は誰にも理解されない深い暗いものなのかも。
華やかな面ばかりイメージされるけど、
じつは六条御息所とソウルメイトかもなー。
葵上の扱いがちょっと気になった。
妊婦をモノ扱いみたいな。
そんなことばかりしてたら早産するぞ。
他に手はないからしょうがない? えー? うーむ。。。(ーー;)
たまに…夢枕さんが書く物語は私をドン引きさせてくれて…
そうなるとあまり作品にハマれなくなっちゃうんですが、
この物語もそっちの気がありました。
(葵上関連で)
公明正大清廉潔白、北の方(雲居の雁)一筋、地味で上等の夕霧はこうして出来たのか。
うーむ。
光が強ければ闇もまた濃いのよね。
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