夢ならば覚めないでほしい。
「MOON SAGA 義経秘伝」8月14日~8月16日の福岡公演を見ました。
ひさびさに地元福岡で悠河さんを迎えて、
そのことに私のすべてが集中してたせいか、5公演見たわりには
公演の印象は薄いのだった(^^;
イカンやん。。。(@_@;)
でも、12月にチケットをとって8ヶ月待ってた。
3ヶ月ぶりに会う悠河さんは、フェミニンで可愛かった。
土御門大路の(入り出の)ときはマニッシュで攻めまくりの印象だったから
今回は美女ぶりのなかに、ときどき男前が出てそこがまた…
入り出場所が歩道でもあったので、通行の邪魔にならないように、で
悠河さんととても近かったのもうれしかった~
幸せ~~~)^o^(
義仲じゃないけれど、夢ならば覚めないでほしいと思いました。
また悠河さん、毎回たまらないこと言ってくれるし(ぽゎん)
シャボン玉まで飛ばしてくれるし
どうしていいのかわからなくて、毎日頭がパニくってました。
はぁ~幸せでした。
こんな↑私の感想なので、そのおつもりで読んでいただきたいのですが。
ってことで、以下、義経秘伝の感想を。
(これから舞台を見る方は読まないでおいてください)
・
映像が綺麗な舞台でした。
でも、正直ここまでいる?という気もしました。
私は、映像(背景)よりもっと生の役者さんの芝居を見たいなぁ。
演技、所作、表情、そして内面の動きを。
映像でシチュエーションや、空気の動きまで見せるので
役者さんの芝居がおざなりになってしまっている感も残念ながらありました。
皆さん、もっとお出来になるはずなのに。
それゆえに、客席への投げかけを中途半端なものにしている感じもしました。
客席が受け止めたのを確認して芝居をすすめてほしいと思いました。
私は客席でおきざり。
14日、15日はそんなかんじ。
恐妻家なだけかと思っていた頼朝が、政子たちを一喝する場面。
背景の映像が歪むことで、頼朝の力の凄さがわかるのだけど
ああいうところこそ、役者の技量と舞台装置の仕掛けで、『生』で見て
『生』を感じたいなぁと思ってしまうのです。
その刹那の空気の共有が、生の舞台のお芝居を見る醍醐味だもの。
たとえば、頼朝の館を訪れた義経の素朴な疑問に答える頼朝のシーン。
「頼朝さん、その答え苦しくない?」「義経、いまので納得?違和感あるよね?」
っていうのは、見ているこちらが感じたいのだけど、
それを思う前に、景時がつっこんで皆まで言ってしまうのはどうかと思う。
もっと客席に自由がほしいです。
先回りして空気を読ませ、先回りして人心を統制するかんじが、
よくない絶対者をほうふつとさせて、私は嫌なかんじがしました。
義経のお漏らしは可愛くて好きだったのですが、
それにいたるエピソードが薄くて軽いなぁ。
巴の「はいはいはーいそこまで」もいらないなぁ。
それがなくても、「あっ!」って気づきたいのです。
そうか、義経のことを皆こんなに思っているんだって、義経愛されているんだなって
そう気づくタイミングは、人それぞれでいいと思うのです。
舞台に生きる人々を見ながら、客席の私も自由に心を動かしたいのです。
比較的、映像とリンクしないシチュエーションが多かったのが義仲だった気がします。
二枚目役だから?(^^)
邪魔されるものが少なかったからか、そいう役どころだからか、
彼の感情の動きはわかりやすかったです。
とくに16日のお芝居は、きました・・・(;_;)
本当に、鎌倉で過ごした日々をいとしく思っていて
自分を信じてついてきてくれる者たちを思っていて
辛いことがあっても側にいてくれる巴の存在に心癒されていて。
だから、上を目指したのに。
裏切られた無念。
いろんな思いを経て、ここに至ったのだと、すごく心に響きました。
すごく感情を表出できる役でもあるし
前川さん男前でかっこいいし。(ちょっと不幸顔なところがまたはまる~)
自分たちはただの駒でしかなかったと義経に感情をぶつける場面、
そうぶつけるしかない気持ちが、よくわかりました。
が、それに対する義経が、逡巡とか信じていた人に対する疑念とかを
抱いているように見えなくて、解せなかったです。
義経は、さいしょから最後まで変わらないように見えました。
こんな経験をしたのに。親友にこんな思いをさせているのに。
言い難い辛苦を経て、感情の昂ぶりの末、覚醒するのかと思ったら、
義仲との死闘による生命の危機が、義経の中に棲んでいた鬼を覚醒させた。
ん????
義仲も、義経の中に棲む別人格の鬼に、義経を頼んで死んでいく。
あれ????
5回見ても、ああそうか、とはなりませんでした。
なんで?
2時間、劇中の時間でいえば1年半、こんな重い経験をしても義経は変わらないの?
じゃああれはなんだったの?
2時間の物語の末に、義経が成長(クラスアップ)してこそ義経の物語だと思うのだけど。
そしたら「木曾義仲編」じゃなくて、義経の物語として成立できるはずなのに。
それが見えなかったなー。
と、つらつら並べちゃいましたが、贅沢な舞台なのに、もの足りなく思ったのも確かです。
でも、よかったところもたくさんでした。
森の中の精霊? シルクパフォーマンスが素晴らしかったです。
思わず見入ってしまいました。
女性の物の怪の動きも目を奪われました。
とくに、仲間が殺されたあとに残った物の怪のしぐさがせつなくて毎回うるっとしてました。
言葉もなく、その動きだけで、悲しみががつたわってきて、胸に迫りました。
陽和ちゃんが可愛かった。
基本的に、お兄ちゃんの後をついて歩いて、誰かの言葉を鸚鵡返しに言う役なんですけど
出方がいい、タイミングがいい、どこから見ても姿がいい。
さすが小さくても役者さんですねー。
巴と陰と陽和の3人の場面で、
頭を巴の肩にのっけているところが好きだったなー。
それだけで、涙出ちゃうくらい。和みました。
闘っているときとは違う、巴のあんな穏やかなやさしい顔が見られるのは、
陽和ちゃんのおかげですよねー。
陰は、扇子での殺陣が圧巻でした。
あの扇子さばきすごい。閉じるときに、パチッと音がするのもかっこよかったです。
闘っているのに、その姿が美しいのもすごい。
声が、なんとなく苦手で(いつも太一くんこんなじゃないよね?)
口の端を舐めるとことかも、ちょっとやりすぎな気がしてうむむ、だったりはしたんですけど。
16日の弁慶ちゃんの客席歩きで、後ろから陽和ちゃんと登場したときはわくわくしました。
しゃべらなくても、客席の昂揚を煽れるんですねー。
張りセンを持ち上げるタイミング、力いっぱい振り下ろすタイミング、もう絶妙。
やはり、この人は天才だと思いました。(そこでか)
弁慶ちゃんには、陰の姿は見えないので、陰おまえか、って、いつもいつもぼそぼそ
しゃべりやがって、もっとはっきりしゃべれって、悔し紛れの弁慶ちゃんに言われるんだけど
相手にせず、フッと鼻で笑って袖に消えるそのタイミング、ほ、惚れたー!
16日夜も、おなじシチュエーションだったけど、やっぱりなにもかも絶妙でした。
そして、昼と同じく陰がひっこんだ後、「弁慶!」と呼びかけるだけ呼びかけて、
くるっときびすを返してしかとする陽和ちゃん。
「おまえもか」って弁慶ちゃんを悔しがらせて、袖に引き込む陽和ちゃんの
間も最高でした。
さらいますねー兄妹で(笑)
巴は、棍の殺陣のシーンが凄かったです。
くるくる回してた。
私は目が追いつかなくて、目が回りそうだった(@_@;)
彼女は、戦いが好きで闘っている訳じゃないんだなーとも思った。
相手を傷つけるのを嫌がってる顔をしてた。
物の怪に対しても、人間に対しても。
でも、愛する人を守りたいゆえに、いつも葛藤しながら心痛めながら戦っているかんじ。
けっしてうれしそうではないの。
それから、義仲とのラブシーンがよかったなぁ。
義仲男前で長身なので、華奢に見えてよかった(^^)
顔が義仲の肩にあるのよー。
(マイワンショックから立ち直った~)
(ラブシーンは、もしかして東山紀之さんとのカーテンズ以来?)
そしてエピローグの桜舞い散るシーンで、
綺麗なものをうれしそうに喜び、掴もうとする笑顔にこちらの顔も緩み涙でそうに。
闘うことに傷ついていた巴だから
あんな表情で義仲のそばに、いつもいられたらいいのに。
そして、そんな巴を後ろから穏やかな微笑でみつめている義仲の素敵なことったら。
長身だから、ちょっと目線が上からなんですよね。
いいなぁ。大人の男ってかんじー(^^)
好きな男性に、あんなふうに見つめられる巴は幸せですね。
この幸せが、いつまでもつづいてほしい。
夢ならば覚めないでと。
なんというか、ガクトさんがやりたいことをあれもこれもぜんぶ、とりこんで
皆の持てる力を結集して仕上げた作品っていうかんじでした。
そんな意味でも、ガクトさんって義経的だなと思いました。
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