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2012/08/17

同年同月同じ日に。

福岡市民会館にて、「MOON SAGA 義経秘伝」全5公演を見ました。

 

7月15日の赤坂ACTシアターでの初日より約1ヶ月。
8月14日がやっと初見でした。

 

初見の感想は、
少年ジャンプだー 男の子の夢だー でした。
義経は、少年ジャンプの主人公にありがちな傾向をほぼ備えてた(笑)

 

未熟で、自分の力をまだ発揮できない。大器晩成型。
現時点で、とうてい敵わないライバル(友人)がいる。
純粋で、人を疑うことを知らない。
まっすぐで状況を省みずに、ひたすら正論を押し通す。
それが原因で仲間も一緒にトラブルに巻き込まれる。
何にも出来ないけど、仲間に好かれて、仲間に助けられている。
憧れのヒロイン(美人でナイスバディ)がいるけど片思い。

 

冒頭のシチュエーションで↑がわかるように描かれていて、なるほどと思ったけど
それをガクトさんが演じているというのが、いちばん違和感でした(笑)
い、いめーじが・・・(^^;

 

プロローグのナレーションで、「仲間との友情を描いた物語である」といっていたし
そこをいちばん描きたいのだろうとは思うのだけど、
14日の初見では、それが心に響いてきませんでした。

 

まず、ガクトさんのアニメ声を受け容れるのに時間がかかったし
(ラストの嗚咽の場面の声はさいごまでダメでした・・・)
物語、演劇として、いちばんの見せ場、感情のやりとりになり得る場面が割愛されて
どうでもよさげな場面を役者が演じている気がしました。
いやいや、ガクトさんは、「仲間との友情」を描きたいのよと思ってみるも、
やっぱり、スカスカっとしている気がして。

 

あたかも、本編は別にあって、その本編から派生した「薄い本」を
演じて見せられているような気がして。

 

ひとつには、客席とのキャッチボールができていなかったように思います。

 

演者から投げられたものを、客席が受け止め「何か」を感じる前に、ことごとく、
別の演者が掠め取って行ってしまう感覚に、イラッとしました。

 

間が悪い、というか、間が早いというか。

 

「この人可笑しい」「このセリフ腹立つ」「面白い」「いやだなぁ」
そういうものが心に湧く前に、演者が次のセリフを言って持っていってしまう。
しかも、どうでもよさげなリアクションで。

 

投げかけたら、役者同士の何か、客席の何かが動いたのを受け止めてから
次のセリフやリアクションをしてほしい。
ほんのちょっとずつ、それが早過ぎて。イラッ。
あーもー勝手にやれば? という気分になりました。
まるで自己完結の、拙いコントを見ているみたいな気分。

 

15日は、私も馴れたのか、それとも改善されたのか、14日よりも受け止められたけど
夜公演を見た娘の感想の中で、
「漫研の部室で、オタク男子特有のノリの会話を聞いているみたいなところがあった」
と言っていたのが、たぶん、同じことを指しているのじゃないかなと思いました。

 

セリフの上っ面や、面白さに逃げないで。
1人1人がその役として気持ちを動かしてほしい。
じゃないと、感動できないよ。

 

とか思っていたら、16日の昼公演でがつんとヤラれた。
泣いちゃったよ、私(;_;)
いや、単に私が馴れただけかもしれないけど。(素直になれ)
キャラの気持ちが動くのがすごく感じられたんですよね。
はじめて、よいかも・・・と思いました。

 

勘違いじゃないよね、と思っていたら、
16日の夜公演でもヤラれました。
義仲がすごくいいんです。
義仲がいいと、巴もとてもよくなる。
ほかの空回っていたところも、気にならなくなる。

 

エピローグの「同年同月」、三国志の桃園の誓いがなぜここで?
と、14日は、意味がわからん。と思ったのに、
16日は泣けてしまいました。
ガクトさんが描きたかった友情が、心に届いた気がします。

 

桜が舞うなか、綺麗なものを素直に喜ぶ巴が可愛い。
その姿を後ろから見つめる義仲が大きくて大人でかっこいくて惚れた。
いつも虚無と無関心を漂わせている陰が、微笑み覗き込む巴に
ふっと笑顔を向けるところがキュンときました。
陽和ちゃんは、癒される~。
佐藤兄弟も癒しキャラ。
冷静ゆえに何かを失うことにいつも傷ついている三郎。
接着剤みたいなムードメーカーの弁慶ちゃん。
それぞれのキャラが愛しかったです。

 

皆本当にキャラが合ってるなぁ。
と思って見上げつつ、
やっぱり、義経とガクトさんがいちばんしっくりこない。
けど、外見に騙されているけど、
ガクトさんって内面は、ほんとは少年ジャンプなのかなぁ。
求められているものと、中身の乖離。
それが、義経で、
それが、ガクトさんなのかなぁと思いました。

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コメント

こんにちは。通りすがりのGACKTファンですが、GACKTさんって
おっしゃる通り、外見とは裏腹で
少年のような心をずっと持っていて、少年ジャンプな方ですよ(笑)

あんな外見と言動だから勘違いされがちですが…
何度か観劇されて、伝わったものがあったようで良かったです。
私もこの舞台で悠河さんの演技を初めて観て、素敵な女優さんだなぁと思いました。

綺麗で強いだけでなく、優しさとキュートさまで兼ね備えた巴御前でしたね。

投稿: ひいろ | 2012/08/17 19:07

◇ひいろさん、
コメントありがとうございます。

やっぱりそうですかー(笑)
沢山の人たちが彼に抱くイメージとはちがうものをお持ちなんですね。

ベルばらの部分など、本編とは関係のないような
悠河さんを知らない人たちに悠河さんを知ってもらうネタを
差し込んでくださったり、
出演者1人1人のことを考えてくださる方なんだろうなと思いました。

巴はコスチュームが強烈なので心配しましたが
そこだけがクローズアップされることなく
強くて、でも可愛いところもある一生懸命な女性の役を
演じている悠河さんの姿を見ることができて
とてもうれしかったです。

投稿: theo | 2012/08/17 21:43

まさに舞台は生き物というのを実感したのかしら?

映像を使うことが多くなりつつありますが、多すぎ
だと鼻につくことがありますよねぇ。効果的に使って
もらえるといいのだけど・・・

悠河さんに福岡で会えるというのは幸せな日々でしたね。

投稿: 一陽 | 2012/08/17 21:55

◇一陽ちゃん、
幸せな3日間でしたよ。
劇中の義仲のセリフじゃないですが
「夢ならば覚めないで欲しい」と。

美術と音楽はとてもよかったです。
脚本と演出に難を感じました。

うーん。。な脚本でも出演者の力で楽しめる、感動できる。
宝塚時代幾度も経験したことをまた体験したかんじかな(笑)

映像は、とても綺麗でした。
けど、それは映像じゃなくて役者の演技でこそ見せてほしい、と思う箇所もあるし、
上から下へのスピードとライド感のある映像は、
ジョイポリスなどのアトラクションが苦手な私は見れない部分が何箇所か。
(気分が悪くなりそう)
あと、ホリゾントからのフラッシュ(閃光)の多用がダメでした。
舞台でお芝居されてても、フラッシュが苦手なので俯いて見ないでやり過ごしてました。
「芝居」を見たい人間には、無用というか迷惑だなぁと。

長所と短所がはっきりわかる舞台でもありました。
チケットお高いけど、9,000円の席もありますので
9月の東京公演、ポチくんのお勉強にいかがですか(^^)

投稿: theo | 2012/08/17 22:37

はじめまして。
私はお昼の公演を1回しか観てないので、似たような感覚でした。最後に泣けるって人が多いって聞いてたので、感動の涙で終るのかと、期待してたのですが。構成は革新的だったのですが。私もGACKTさん内面は、ほんとはこのキャラ?それとも演技?って思いながら観てたので、泣けませんでしたというか心に響きませんでした。でもGACKTさん大好きな私なんで、綺麗な容姿見ただけでも満足でした。やっぱり私も全公演観るべきでしたね。

投稿: さくら | 2012/08/18 05:49

◇さくらさん、
はじめまして。

1回だとやっぱり戸惑う人が多いのかな~
と思っていたら、16日のお昼1回だけ見た私の友人は、
楽しかったーと興奮気味でした。
友人は、とくに誰のファンでもないのですが、
キャストに興味をもって見てくれた人です。
期待が大きかった人ほど戸惑ったのでしょうか?(^^;

私も、悠河さんが男前だけど可愛らしい役で、
棍の殺陣のシーンもカッコよかったので、そこは大満足でした(笑)

桜舞うシーンで巴を見つめる義仲かっこよかったことや
お漏らしシーンの義経が可愛かったことなど
予想していなかったところでよかったこともありましたし、
思い出してニヤニヤしています。

投稿: theo | 2012/08/18 19:41

はじめまして。

いつも読ませていただいています。義経の感想を書かれるのをお待ちしておりました。
私は大和さんのファン歴半年強の若輩者で、生で観たことがあるのは、土御門大路のみです。この時は3回見に行って、表情が素敵な人だと、改めて感動しました。やっぱり、演技もどんどん変わるし、3回目が一番感動しました。
義経は赤坂で一度観ましたが、やはり脚本が・・・。笑いの部分も、真顔で「何が面白かったんだろう??」という具合で、ストーリーも予想範囲内。義経のへたれっぷりがちょっと受け入れられず。でも、大和さんが美しく可愛らしかったので、それで良しとしております。義仲、かっこ良かったですね。
国際フォーラムでもう一度観ますので、全体的にもっと練られていることに期待しています。大和さんのお芝居も、巴の優しさやひたむきさが大和さんによく合っているとは思ったけれども、演技としてはもっともっと練れるような気がしたので、9月に期待しております!(私は、台詞の最後の方に滲み出る優しさが、大好きなのです)
土御門の時も思ったのですが、私は大和さんのお歌が好きらしくて、見終わった後に、「やっぱり歌が聴きたい」と思うのです。なので、薔薇降る夜に・・・はとても楽しみにしています。

投稿: りぃ | 2012/08/20 10:20

◇りぃさん、
はじめまして。

たぶん、名古屋福岡大阪と経て、
9月の国際フォーラムではまたちがった義経秘伝を見られると思いますよ。
演じている方々も、どんどんのってきていらっしゃるような気がするので。
福岡3日間だけでも、3日目はすごく変わったと思いましたもん。
私の勘違いでなければ…(^^;
その違いがわかるかも。うらやましいです。

私も国際フォーラム行きたいですが、この秋はちょっと事情があり断念。
でも11月の薔薇蒼は行くつもりですし、
年内にはまだほかにミュージカルもありそうなので(^^)
1公演1公演、驚きと喜びをくれる悠河さんをこれからも
愉しみにしたいです。

投稿: theo | 2012/08/20 17:47

お返事ありがとうございます!

年内にまだミュージカルありそうなのですか?なかなか薔薇蒼の後が発表されないので、やきもきしておりました。オペラカイエが来るのかな、とか想像したりもして。発表を楽しみにしております。
国際フォーラムは、前から5列目の通路際と、なかなかの良席をゲットしました。これが、仕事で潰れそうになった時のショックと言ったら・・・。おかげさまで?仕事が立ち消えになり、無事に行けます。また感想をお伝えできればと思います。

投稿: りぃ | 2012/08/21 10:30

◇りぃさん、
12月のミュージカルの件は、
義経秘伝公式サイトのキャストプロフィールにありましたよ。
日程などは出ていないようですけど、たのしみです。

国際フォーラム楽しんできてくださいね(^^)

投稿: theo | 2012/08/21 11:03

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