日輪は瞼の裏に赫奕と昇った。
三島由紀夫の「春の雪(豊饒の海・第一巻)」と「奔馬(豊饒の海・第二巻)」を読みました。
10代の頃、「奔馬」の途中で読むのをやめていたので再挑戦です。
以前読んだ時は、清顕の傲慢さと愚かさが気に入らなくて面白いと思えなかったのですが
今回は、とても面白く読みました。
その傲慢と愚かさに惹かれました。
自分が何者かわかっていない感じが。
清顕は、清顕だからこそ人を魅了するのだと思います。
思うが侭、人を振り回してこそ。
恋情とは相手のためものではなくて自分のためもの。
自分の肉体は、自分の精神は自分のもの。
皆が彼に羨望して、憧憬の念をいだくのは
彼がそれを貫き通すからじゃないかな。
なんの濁りも無く。
「奔馬」では大人になった本多にいたく共感しました。
昔の私には漠然としかわからなかったものが
直に伝わってくる気がしました。
反対に、勲の純粋さがズキズキと痛かったです。
眩しく羨ましく妬ましく愛おしい。
ラストはどうなるのかとドキドキしながら読みました。
次はどういう転生の物語が読めるのだろう。
すぐさま「暁の寺(豊饒の海・第三巻)」を手に取りたいけど
その前に読みたい本がある。
(11月までに「銀河英雄伝」の2巻まで~ 読むの遅いから大変)
ゆっくり味わって読みたい作品なので、第四巻読了まで
まだまだ時間がかかりそうです。
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