« 2012年10月 | トップページ | 2012年12月 »

2012年11月の6件の記事

2012/11/28

誰しも浮き世ですよ。

11月22日は和文リテラシーが終わって
リバレインに新しくできたイングリッシュパブでランチをして
お隣りの博多座で新派特別公演「麥秋」と「滝の白糸」を見てきました。

「麥秋」は小津安二郎監督の名画で、やっぱり同じく小津作品の
「東京物語」みたいなかんじの作品を舞台化したもの。。。。

ていどの知識しかなく劇場に行ったので、1幕が終わったところで終演したと
思い込んでしまいました(笑)。

だって、あのあとお隣さんと結婚するんだよねってわかったし。
しあわせってなんだろうなぁって、しみじみ考えさせてもらったし
いい作品だったなぁって思って・・・(^^ゞ

だって、はじまりから事件という事件は起きないし、
それでも、日常そのものが、そこにいる人たちの思いが、
ただそれだけで、じーんときたんですもの。

いまここにいない、戦死した青年(登場人物たちの息子であり兄であり弟であり親友である)
を思って平和をかみしめるせつないシーンとか
妙齢のお嬢さん方と兄嫁との会話とか
なにげない言葉のやりとりが心にしみてきてうるうるして。

続きを読む "誰しも浮き世ですよ。"

| | コメント (2)

2012/11/13

もはや涙は乾いてしまったけれど。

 思い出の街に雨が降る
 泣き濡れたあの日が甦る
 もはや涙は乾いてしまったけれど…

 

「薔薇降る夜に蒼き雨降る」のナンバーが脳裏から離れません。
千秋楽から一週間以上経っているのに。
本当に記憶に深く残る作品でした。
荻田先生らしい言葉の世界。色。人間関係。
それぞれの出演者に宛て書きされたような個性ある登場人物。
本当に癖になる作品でした。
見終わってからのほうが後をひく。

 

 思い出の薔薇に雨が降る
 かりそめの恋人を憐れんで
 もはや涙を流してくれる人もいないけれど

 

悠河さん演じるカッサンドラは
アンダルシア出身のロマ。
「教養のない父親と勇気のない母親」の元を飛び出して、
バルセロナのバルで観光客相手のフラメンコダンサーをしてた。

 

続きを読む "もはや涙は乾いてしまったけれど。"

| | コメント (0)

2012/11/12

美しいものになるということは。

11月5日日本青年館にて、宝塚月組公演「春の雪」千穐楽の2公演を観劇しました。

三島由紀夫の同名小説の舞台化、しかも主役の松枝清顕を
明日海りおさんが演じるということで、どうしても見たくてチケットをお願いしました。

ちょっと期待が大きすぎたかなというのが率直なところです。
みりおちゃん(明日海さん)の清顕は美しくて期待どおりでした。
けれども、演出や構成に不粋と感じるところが目に付いてしまい
どうしても世界観に浸りきれなかった気がします。

原作を知っている場合、ここはこうきたか~!という楽しみを得られるときと
どうしてこうしてしまうんだ~!と納得がいかないときとありますが、
今回は後者のほうが勝ってしまった気がします。

みりおちゃんの清様は美しかったけれど、清顕自体はもっとエゴイスティックに
描かれてもよかった気がしますし、もうちょっと冷笑的なところも入れてほしかった。

なによりも本多が納得がいきませんでした。
本多の理智とはそういうことじゃないだろー!と。
房子とのエピソードをあんなふうに変えてしまうなんて最低。
本多の抱えているものは、そんな浮薄なものじゃないのはわかりきったことなのに。
鎖の演出とか、はぁ?でしたし、見ていて私は怒り心頭でした。
声を上ずらせる本多なんか本多じゃない。
絶叫する本多なんか本多じゃない。
どうしてくれよう、、、沸々。
といった具合です。

続きを読む "美しいものになるということは。"

| | コメント (0)

2012/11/09

英雄は宇宙を救うか。

宝塚歌劇宙組東京宝塚劇場公演「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」
11月6日11時公演を見てきました。

宝塚友の会で当選したSSどセンターの良席。
来年1月公演からはシステムが変わるので、私にとってきっと
友人と連席で見る最後のSS席かな(^^;

悠河さん退団後、宙組とは縁がなく
ラインハルトを演じる凰稀かなめさんが宙組に来て、これがはじめての観劇でした。
雪組や星組の頃は全国ツアーや博多座で見たことがあったのですが。

あいかわらず目をひくスタイルの良さ。
かなめさんは、前方席からより離れて見るほうが正解かも。
スタイルの良さを堪能できるのはもちろん、芝居も全身を見たほうがわかるタイプかも。
雪組出身と関係があるのかな。
じつは大芝居、大劇場向きのジェンヌさんかも。

そこが悠河さんとのいちばんの違いではないかと思いました。
表情だけでは何を思い、何を感じているのか、私には読み取れなかったのです。
でも全身を見ると心の裡のなにかを醸し出している。
たいていのジェンヌさんの場合、より近くで、より前方で見るほうが素敵と思ってきましたが、
かなめさんは異なるタイプかも。
全身を見たほうが気持ちがわかる気がする。
舞台袖に駈け去る後ろ姿に、ラインハルトの孤独が見えた。

続きを読む "英雄は宇宙を救うか。"

| | コメント (0)

2012/11/04

葛藤を捨てた女。

「薔薇降る夜に蒼き雨降る」愉しんでます!
この設定、この世界観大好きです。
騙し合う人たち。
笑顔。愛の言葉。裏の顔。
いちばん愉しんでいるのは作者でしょ。
きっと書いてて楽しかっただろうなー。

 

荻田レッドに荻田ブルーの舞台。
深紅の薔薇と煙る雨の蒼。
情熱と褪めた心。

 

「それもまた嘘なのに。」

 

女の嘘を知りながらさらに深みへとはまっていく心。
悪い女と知りながら、これ以上悪い女にしたくはなくて、無力を自覚しながらも何かをせずにはいられない男たち。
痛いほどにわかるー。

 

 甘い地獄の責苦に悶え 苦し紛れに嘘をつく。
 赤く染まる闇 傷口はさらに深く抉られ溢れ出す恋心。

 

うーん荻田ワールド♪( ´▽`)

 

カッサンドラは葛藤しない女。
刺激的なこと面白いと心惹かれること利益になることだけを追い続けて生きる女。
故郷を飛び出した時、そう生きると決め
葛藤することを捨てたんだと思う。
そんな彼女が愛しい。
人を動かすのは、冷めた理性ではなくて理不尽な情熱だから。
人は、情熱に駆られてばかをするほど幸福感に満たされることはない生き物だから。
ばかな情熱を注ぐ対象を待ち焦がれているものだから。

 

カッサンドラが魅力的なのは、そのあざとさと白々しさとわかりやすさゆえ。
だから彼女に騙される。
騙されずにいられないから騙される。
騙されたいから騙される。
愛しいと思ったらもう踏み外している。
そんな女だから。

 

そんな彼女にはまって
この作品にはまって
私は重症です。

 

 

 

 

| | コメント (2)

2012/11/03

A ROSY RAINY NIGHT.

銀河劇場にて「薔薇降る夜に蒼き雨降る」を見ました。

 

おもしろーい。
ナルホド! バルセロナだから、伯爵夫人なのか!
ナルホド! だから、カッサンドラなのか!(ギリシャ神話に由来の)
ロマについてもちゃんと説明されてて、
ナルホドの連続で思わず前のめりになってしまう作品でした。
好きだわー、私こういうの。

 

現代ものなんだけど大仰で劇画ちっくな展開・世界観の中で鮮やかに生きられるのは、元タカラジェンヌだからだと思います。
その世界観の中でDIAMOND☆DOGSのダンスが炸裂。
すごーい!

 

宝塚ファン的には、悠河さんの問答無用の華とプロポーションと茜さんの歌、園加ちゃんのダンスが堪能できて、美味しかったです。

 

続きを読む "A ROSY RAINY NIGHT."

| | コメント (2)

« 2012年10月 | トップページ | 2012年12月 »