目の前でくずれ去る世界に憑かれているんだ。
『風と共に去りぬ』(マーガレット・ミッチェル著、大久保康雄・竹内道之助訳)全5巻読了しました。
これまで一度も手に取ったことがなかったのですが、
前月26日、東京公演観劇の帰り道、引き込まれたお芝居を思い起こすにつけ、
これはやっぱり読まなくちゃとキャトルレーヴで1巻を手にとりました。
それから3週間でようやく読み終えました。
うん。いまだからこそ、理解できる。
きっと若い頃だったら、物語の中にあるいろんなものに気づかず理解できず、ただストーリーを追って終わってしまっただろうなぁ。
公演を見たからこそ、なおさら心に落ちることも多々。
いま、出会えたことに感謝。
なるほど。
宝塚版はかなり原作とは設定がちがっているんだなぁ。
あのセリフは、原作ではこういう場面で使われていたんだなぁ。
悠未アシュレは、ほんとうに原作寄りな役作りだったのだと
つくづくと思います。
私が受けた印象はまちがっていなかったようです。(たぶん)
そして、これだけのものが詰め込まれた物語に生きているレット・バトラーという人物像と
その心情を、かなめさんが巧みに繊細に表現していることがわかって驚嘆。
・
いやしかし、スカーレット・オハラ、おそるべし。
過剰な自尊心は人を魅力的に見せるけれど、
けっして人に幸福をもたらさない。
がしかし、スカーレットはそもそもそんな幸福などいらない人なのね。
追い詰めれたときにこそ、いちばん輝き、
追い求める瞬間こそ、生き甲斐を感じる性質みたいだ。
大きな喪失を味わうけれども、まちがいなくその喪失から立ち直る人だ。
登場人物のなかで誰にいちばんシンパシーを感じるかというと
「ぼくは、その思い出に憑かれ、目の前でくずれ去る世界に憑かれているんだ。」
というアシュレかなぁ。
荻田ワールドや大野ワールドが好きなので。
惹かれるのはレット・バトラーだけど。
若い頃だったら、メラニーの気持ちが理解できず反発心を起こしたかもしれない。
けど、しみじみとわかる気がするのは、この年齢になったから?
たいせつなものが出来たことで変わろうとするバトラー。
男の子の気持ちを理解してあげるバトラー、のあたりはほんとうに感動的。
それにひきかえスカーレットは、、、ですね、ふんとにもー!(ーー;)
原作を読んで、かなめバトラーの表情を思い起こすと
ほんとうに、なるほど、、、です。
せつないなぁ。。。
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