我らの力の強さを示すのだ!
5月16日から19日まで、かなめさんのお茶会に合わせて宝塚大劇場にて
宙組公演『ベルサイユのばら-オスカル編-』を見てきました。
昨年、凰稀かなめさん特出の雪組フェルゼン編を見て、
ベルばらでこんなに泣けるとは・・・と思ったのですが
今回は、それ以上に泣き通しの観劇となりました。
自分でもこんなところで?!と思うところで涙が出てしまったりして
かなめさんたちの、役としての芝居で泣いているのか
その立場にいる宙組生それぞれに思い入れて泣いているのか
自分でもわからないところもあったりしました。
とても心が高ぶる、そんな舞台でした。
皆が熱くて。
客席も。
作品としても、
宝塚ファンとしても、感動しました。
・
ある日、下手からかなめオスカルをオペラグラスで覗いていたとき。
『私は女伯爵の称号と私に与えられた伯爵領のすべてを捨てよう ――
―― さあ、選びたまえ! 国王の、貴族の道具として民衆に銃を向けるのか
自由な市民としてこの輝かしい偉業に参加するか!』の気迫の名シーンで
私の目に飛び込んできた上手の民衆たち1人1人の目が
喜びと期待でキラキラと輝いていました。
それを見たとたん、つーーーーーと涙。。。
この1人1人の期待を、輝くかんばせを、しっかり受け止めて背負ってください!
彼らの表情が曇らぬように、よろしくお願いします!(>人<)
―― そう思っていました。
オスカル様に? かなめさんに?
もう自分でもわからなく・・・・・
皆の心が一つになっているこの場面に涙が溢れてしまったのでした。
2幕は、冒頭から感動シーン連続でほぼほぼ涙目で見ていたのですが、
市民たちの決起のシーンの『愛する者のために』の、
どんどん強くなりどんどん一つにまとまっていくその素晴らしいコーラスで
私の気持ちもどんどん高ぶり、―― (宙組の『愛する者のために』すごいです!!!)
前述のオスカルとブイエ将軍との対峙のシーンのオスカルの気迫、
そして民衆のオスカルを見つめる高揚と期待を宿した純粋な瞳に感動し、
橋の上でアンドレが被弾する名場面、名演技(まぁくんもきたさんも凄!)を受けての
オスカルの悲痛な叫び。
たたみかけるような感動のシーンに涙が乾く暇もなく、オスカルの名セリフへ。
『シトワイヤン、彼の犠牲を無にしてはならない。我らは最後まで戦うのだ。
自由と平等と友愛のために。シトワイヤン、まず手はじめにバスティーユを攻撃しよう。
あそこには我らの同士が捕らえられている。彼らを解放し、我らの力の強さを示すのだ。
シトワイヤン ――― 行こう!』
このシーン、下手をするとアンドレを失ったオスカルの私憤に見えてしまうところなんですが
微妙な間のとり方で、オスカルにとっての彼(アンドレ)=それぞれにとっての大切な人
と思えてすとんと腑に落ちました。
かなめオスカルを真ん中に、衛兵隊士も市民も宙組の心臓が一つの塊になって
バスティーユ陥落という、一つの目的に向かうシーンに
私の胸はいっぱいになりました。
(宙組の力の強さを示すのだ――!)
民の1人1人が集まって民衆なんだなって
オスカルやロベスピエールを見つめる瞳を見ていると思われて。
この1人1人に人生があり想いがあるんだなって。
屈強な者もいればイザベル(たらちゃん)のような身体的精神的弱者もいる。
家族を抱えている者も、身寄りのない者もいるだろう。
ダグー大佐(りんきらちゃん)のように中間の立場にいて、
オスカルや平民議員やそれを支える人々に心を動かされて決意した者も
他にもいるかもしれない。
若き日のショーブランやマルグリットもこのなかにいるのかも…。
すくなくとも、この時点のロペスピエール(あっきー)は
この1人1人の人生や想いを支える理想のためにここに立っているのだなぁ。
オスカルはそのロベスピエールに感銘を受けて、
イザベルの小さな弱いでもひたむきな生に、その命のぬくもりに感じ入り、
心を決めたのだなぁ。
小さな1人が、または力強い1人が、ほかの誰かの心を動かしていくさまが感じられる
そんな『ベルサイユのばら』でした。
この宙組のオスカル編は。
名もなき花も必死にその場所で咲いている ―――
――― 咲く場所を選ぶ薔薇だけではなくて。
そんなことも感じられた今回のベルばら観劇でした。
宙組は5組のなかでも新しい組といわれます。
宙組に20年前はありません。
でもそれでも組の歴史はあります。
たった6代の歴代トップさんだけど、その時代時代にたくさんの宙組生がいて
その時代を支えてきたんだなぁ。
トップさん、スターさんに課せられた期待や責任は重いけれど、
支えてくれる人たちがいてこそ、その重責を果たせるんだなぁって。
その支えてくれる花たちに名前をつけるのは、見ている私たちなのだなぁ。
花はこんなに一生懸命咲いているんだもの。
―― そう思えるベルばらでした。
オスカルが人としてどう生きたか、ということは、すなわち
彼女が、仲間を自分以外の人を思い、どうあるべきかと悩み、決断し、行動した――
その軌跡なんだなぁと。
昨年の雪組のフェルゼン編のオスカルは『恋するオスカル』だったけれど、
ことしの宙組のオスカル編は、『人間オスカル』を描いたベルばらでした。
人間オスカルを中心に、仲間や家族や彼女を慕う人々のドラマでした。
それが、私の目には、“宙組トップ凰稀かなめ”と二重写しに見えていました。
貴族と平民、軍人と民衆、立っている場所はちがっても
人間同士ならきっとわかりあえる――
理想を理想のままで終わらせないで、信念のもとに行動するオスカル。
彼女の真意を理解し、協力してついてく衛兵隊士たち。
彼女をそれぞれの愛のかたちで支えようとする人びと。
それぞれの思いに、その行動に胸が熱くなるベルばらでした。
1人ひとりの力の大きさ、それが一つにまとまったときの力強さ。
宙組、すごい~~~!!!
どうかこの宙組の情熱が、見ている人びとにつたわりますように。
こんなすばらしい宙組の舞台を見ることができてなんてしあわせなんだろう。
宙組、ばんざい!
こんな気持ちにさせてくれてありがとうと
感想はいろいろあるのですが、なによりもまずこのことを書いておきたかったのです。
(ベルばらの観劇感想はまだまだつづく・・・予定です)
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コメント
theoさんおはようございます(^^)
素晴らしい感想を読ませて頂き泣きそうになりました。
私の思いとも重なって...
私は宝塚観劇にはあまり歴史が無いので比較できずただひたすらかなめさんがオスカルそのものであることとその命を削って演じているとご本人が仰ってる程の迫真の演技と美しさに感動していつも呆然としてしまうのですが、観る方に歴史があれば投影されるし、深く感じる事もできるのですよね。
ベルばら感想つづきも楽しみにしております(*^o^*)
投稿: mi-mie | 2014/05/25 06:45
◇mi-mieさん、
長々とした感想を読んでいただいてありがとうございます^^;
見る前に思っていたベルばらとは違ったのですが
(見る前までは去年の『恋するオスカル編』を思い描いていました)
この『人間オスカル編』、かなめさんと重なって見えて胸がいっぱいになりました。
私が次に見られるのは、東京ですが心に大事に温めておきたい作品になりました♡
やはりかなめさんは素晴らしい\(^o^)/
投稿: theo | 2014/05/26 00:55