ペガサスの如く駆けてゆけ。
8月29日(金)梅田芸術劇場メインホールにて、宙組全国ツアー公演
『ベルサイユのばら-フェルゼンとマリー・アントワネット-』の初日を見ました。
現宙組の2番手ポジションにいる朝夏まなとさんが主演でフェルゼン役、
トップ娘役の実咲凜音さんが相手役のマリー・アントワネット役でした。
凰稀かなめさん退団後の宙組の行方を左右する公演といえますよね。
自称ソラスキーとしては見ることができてよかったです♡
去年の雪組のフェルゼン(feat.オスカルとアンドレ)編よりも
とうぜんですが、アントワネットの場面が多くそれが見所でした。
内容的には、2006年星組のフェルマリ編にいちばん近かった気がします。
小舟のランデヴー、そしてテュイルリー宮でのルイ16世との語らいと別れ、
王女王子を奪取される場面などがありました。
初日とあって1幕はどうなることかと思いましたが、1幕ラストの
まぁさま(朝夏さん)フェルゼンの客席降りの颯爽とした貴公子に茫然自失。
そして2幕は涙涙涙。そして涙。
みりおん(凜音ちゃん)さすがだわ。
(以下ねたばれします)
・
プロローグの小公子小公女はオスカル編とおなじかな。
小公子の和希そらくんが痩せて大人っぽくなったように見えました。
つづいて、仮面舞踏会。
フェルゼン、アントワネット、そしてオスカルが仮面をつけて登場。
ここ、雪フェルゼン編とおなじパペットの踊りになっていたのでちょっとがっかり。
必然性が見出せないのです。。(´・ω・`)
ふつうに、舞踏会じゃだめなのかしら。
でも3人の「愛の怯え」が見れてよかったなぁ。
そして、フェルゼンの「愛の面影」。
ベルばらだぁぁぁと気持ちがあがりました。
まぁさまの歌は、歌詞が聴き取りやすくて、優雅で好きです♡
カーテン前のメルシー伯とルイ16世とプロヴァンス伯のシーンは
雪ver.より短くてよかったです。
プロヴァンス伯のメルシー伯への言いがかりみたいな台詞はなんだかな。
導入の説明台詞なんでしょうけど。
場面は夜のベルサイユ宮の廊下に。
どう考えてもフェルゼンが夜の宮殿の廊下に出没して
衛兵隊士に夜な夜な幽霊がとか噂たてられるの違和感。
フェルゼンはプチトリアノンとか小径でアントワネットと逢っていたのでは。
「恋に盲目になった哀れな男」。
―― そうなんだけどさ。そこがフェルゼンなんだけどさ。
それは自称するんじゃなくて、行動で見せてほしいのよね。
その行動に、見ているものが哀れを感じ、でも人としてわかるわ~と思いたい。
「そんなことは言われないはずだ」
オスカルを詰るところはもっと別の表現の仕方ないのかな。
彼女の恋心に気づかずに、オスカルに恋の創傷を負わせるというのは
原作でもドキドキしてたけど、こんな直截的な言い方では興醒め。
フェルゼンの株もここでいつも下降。
むしろアントワネット様への深い愛を、オスカルの気持ちにも気づかずに語る――
とかのほうが見ているほうはせつないのにね。
植田先生のベルばらの世界観って納得できないことが多くて
観劇中に現実に引き戻されることがしばしば。
ただ、壮さんはそんな場面でも有無を言わさないフェルゼンとして存在してた。
(後から考えたらつっこみたくなったけど)
初日だったし、そこまでまぁさまも埋めきれてなかった気がします。
これから芝居が深まれば、そんなこと考える余地も与えなくなると期待。
運河に浮かべた小舟の場面。
大道具さんがんばった!
「政略結婚の道具だったのです」「おいたわしい」
みりおんとまぁさまがこんなこと話している図はなかなかシュールでしたわ^^;
おもわず別のリアルが頭を過ぎって・・・
初日のせいかもしれませんが、みりおんはここの台詞が得意ではないみたいでした。
ゆっくり話すことに気がいっていたかな。さぐりさぐりなかんじがしました。
2幕の覚悟のきまった大人っぽい話し方は素晴らしかったのだけど、
ここの無知なお姫様風な話し方はまだまだ研究の余地ありかな。
場面が変わってカーテン前。
フェルゼンのパリの館らしい。
突然のメルシー伯の来訪に慌て、主人にお伺いもせず勝手に追い返す使用人たち。
勝手に追い返す理由がてきとうすぎて・・・
ちゃんと必然性のある理由づけをしないと、場面の意味がない。
(ほんとの理由は舞台セットの移動でしょうけど。舟片付けないと)
メルシー伯がフェルゼン邸を訪れて、帰国を促し口論となる場面。
原作のフェルゼンはこんなわからずやじゃないやい(´・_・`)
宝塚版でこの場面が見所になっているのが解せません。
時系列とかを考え始めるとドツボにはまってしまうので考えないようにしてますが、
原作を変えてまで入れたシーンが、本来のキャラとぜんぜん変わるのが・・・orz
1幕はほぼこんなかんじで見ていてつらかったです。
帰国を決意したフェルゼンがアントワネットと庭園で逢う場面
アントワネットの青いドレス姿はがんばってほしいぞ。凜音ちゃん。
「きれいなお姫様を見たわ~♡」というのが宝塚観劇の愉しみのひとつなので。
1幕さいごのフェルゼンの国王夫妻への帰国の挨拶のシーンは
どうやらこうやらやっとここまで来たか。。。という心境でした。
ところがどっこい。
毅然と表情を引き締め、おもむろに客席への階段を降り、
客席通路をマントを翻して去って行くまぁフェルゼンのカッコ良さに、
ひぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇ(/////)
あの身のこなし♡ まぁさま生まれながらの貴族だわ。
ナチュラルボーン貴族♡
一気にあがりました
それにしても、オスカルの自分への気持ちには気づきもしなかった人が
アンドレの気持ちは知ってるんだ!w(゚o゚)w と思いました。
ものすごい急展開で、人々の愛のカタチに気づいたのね、フェルゼン伯爵。
かいオスカルはナチュラルで甘いオスカル。
りくアンドレはラテンの香りがするアンドレだなぁと思いました。(毎夜酒場に通っていそう)
2幕冒頭の花祭り、かいちゃんが美しかったです。
このかいちゃんがいちばん好きだったかも。
りくちゃんもすてきでした。
オスアンでスウェーデンでなにやってるの???(笑)
と思ったら、国王陛下っ????!!!!
すっしーさんがイキイキと ←もう目がくぎづけに。
私は気づかなかったのですが、みりおんもいたのね。
国王夫妻でスウェーデンにいらしたのね^^;
スウェーデンのフェルゼンのもとにジェローデルがやってきて、
フランスの現状と国王夫妻の危急を報らせる。
ここのえびちゃん(綾瀬あきなちゃん)のソフィアがよかったです。
「うたかたの恋」くらいまでは小柄な可愛い容姿に反して声が勇ましかったので
だいじょうぶ?と思っていたのですが、落ち着いた良い声でお芝居するように
なってたんですね。
それから、オスカルの死を告げるジェローデル。
このへんは、どのバージョンでもしっくりこなくて苦手なシーンだったのですが、
セリフも少し変わったみたいなのと、澄輝さやとさんは
デリカシーのあるジェローデルで、「死にました」もぜんぜん厭なかんじがしませんでした。
「愛する者のために」からバスティーユのシーンは、
回想シーンとして挿入されているので、そこに至るまでの心理的な盛り上げがないのと
東京千秋楽頃の全身全霊で魂のままに役になりきっていたかなめさんやまぁくんの
オスカルとアンドレの記憶がまだ新しい私には、やはりもの足りませんでした。
初日ということもあり、まだまだ手探りで全力が出せていなかったのだろうな。
客席の期待の大きい場面なので、かいちゃん、りくちゃんがんばってください。
テュイルリー宮の場面はとてもよかったです。
ルイ16世(寿つかささん)とアントワネットの語らい、涙でした。
すっしーさんのルイ16世、とっても穏やかで思いやり深くて。
侍女のフランソワーズとアントワネットの場面も好きでした。
フランソワーズの娘役さん、よかったです。
そして踏み込んできた公安委員たちに王女と王子を奪取される場面の
母としてのアントワネットの振り絞るような言葉、涙なくして聴けませんでした。
テュイルリー宮のあたりからラストまでの客席の舞台への集中がすごかったです。
みりおんの本領発揮。
「革命は失敗だった」
アントワネットを逃がす計画をベルナールがロザリーに打ち明ける場面。
ベルナールがそんなことを言うのは如何なものかと(´・ω・`)
ベルナールはそんな立ち位置じゃないはずだし。
妻を相手にそんなことを打ち明けるなんて、仲間からしたら酷い裏切りだけど?
ベルナールを問い詰めた上に、その計画を止めさせようとするロザリーが、
ほんとうに、いつもどのバージョンのときも、私は苦手だったのですが、
(ロザリー、アナタいったい何者?どういう立ち位置?何にとり憑かれているの?と思ってた)
どうしたことか、ありさちゃん(瀬音リサちゃん)のロザリーのセリフの調子とか
間とかがとても落ち着いていて、押し付けがましさがなくて、
相手を思い通りに言うことを聞かせようというのではなく、
これはこの子(ロザリー)の胸のうちの悲しい願いを口にしているのだと思えて。
おもわず私は説得されそうになりました。
こんなのははじめてです。
ありさちゃんも、モンテ・クリスト伯のヴァランティーヌの頃に比べると
すごく芝居が上手になっているなぁ。と思いました。
宙組の娘役さんには、ひたすら一本調子に声を張ってセリフを言ってしまう人が多いと
以前から残念に思っていたのですが、さいきんはだいぶ変わってきたみたい。
落ち着いた声に感情をきちんと乗せて話す役者さんが私は好きです。
そういう話し方をされると、ついコロッと騙されます^^
牢獄の場面はもう、皆がよかったです。
みりおんトワネットはもう、ほんとうに圧巻でした。
そして無言でアントワネットを見つめるフェルゼン。。。
ゆっくり両手をひろげてアントワネットに胸をひらく、その身のこなしが。
ナチュラルボーン色男だ、このひと。。。
あれはヤラれる。
おっと、その前に「駆けろペガサスの如く」―通称「行け行けフェルゼン」(笑)
座席に足をかけるその角度が広くて、かっこよかった~~(*゚▽゚)ノ
鞭を振るうまぁさまのキレ。
(思わずまぁさまで猛獣使い@エンター・ザ・レビューが見たくなりました)
「さようならベルサイユ、さようならパリ、さようならフランス」
断頭台に消えて行くアントワネットに向かってのフェルゼンの
「王妃さまぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
からのフィナーレ
『ラ・マルセイエーズ』のロケットはやっぱり気持ちが高ぶります。
さすが梅芸は、手拍子が揃ってる。
これから全国各地をまわると、いろんな反応があるんじゃないかな。
『薔薇のタンゴ』は、まぁさま中心。
すっしーさんも加わって、オスカル編のときよりもアダルトでした。
クールでホットな薔薇タン♡ 皆うれしそうにイキイキしてる♡
『愛の柩』はかいちゃん中心でまわりは娘役さん。
かいちゃんニコニコ。
オスカルとロザリー、オスカルとアンドレで踊っていた『愛の賛歌』は
フェルゼンとアントワネットのデュエットダンスに。
そして、たのしみにしていたまぁくんセンターの黒燕尾(〃▽〃)
いやもう、見応えあり!
おもわず、いやっかっこいい!(〃▽〃)と口走ってしまったくらい。
ソロで踊る時間長かったと思います。
群舞もピシッと揃ってた。
あの黒燕尾を見た全国の客席がどんな反応を示すのか、たのしみです。
いっぱいいっぱい落としてきてね。
博多座で初日から2日目の『銀河英雄伝説』を見たとき、
私にはかなめさんが孤軍奮闘しているように見えました。
この全ツ初日も、1幕を見終わったとき真っ先に、まぁくん孤軍奮闘?と思いました。
もしかしたら、博多座のかなめさん以上に、大変かもと思いました。
2幕ではみりおんが宙組トップ娘役の本領発揮でホッとしましたが。
でもまだまだ、かいちゃんたちがんばって!!!と思いました。
梅芸メインホールは音の反響がすごいですよね。
それから、舞台の立ち位置によっても、マイクに声が通ったり通らなかったり
するみたいで、台詞や歌が聴き取り難いなぁと思いました。
(10列センター席だったのだけど)
前日に宝塚大劇場でエリザベートを見ていたので、
音響さんがあれくらい仕事してくれたら良いのになぁなんて思いましたが、
これから回る全国ツアーでは、もっと条件の悪いホールで上演するかもしれない。
だから、演じる側の力でよろしくお願いします。
とにかく、かいちゃん、りくちゃん、がんばれ!
そして、まぁくんもみりおんもがんばって。みんなで最高のものを目指してください。
ペガサスの如く駆けてきて、ファンをたくさんゲットしてきてください。
・
めも。
かなめさん、あおいちゃん、きたさん、ずんちゃんご観劇。
芳しかったです。
| 固定リンク | 0
コメント