新しいスウェーデンの礎を築けたことを誇りに思う。
宙組宝塚大劇場公演「白夜の誓い/Phoenix宝塚!!」の初日と翌日の2公演、
そして11/11の公演を見てきました。
(以下ねたばれしています)
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「白夜の誓い―グスタフⅢ世、誇り高き王の戦い―」はつっこみどころが多くて
えええ~~~? えええ~~~?^^; となりながら見ました。
初見では、どこらへんが「誓い」でどこらへんが「戦い」かが、う~ん。
続けて3回見て、あ~なるほど~と作演出の原田先生が描きたかったものは
わかるような気がしましたけど。
けどもしそうだとすると、描くべきところが省かれているような。
ピンボケ感が半端ないなぁと。
この脚本で、作者が描きたかったことを表現するとなると、役者はハードル高いなぁ。
まず、リリホルン、アンカーストレムの動機や立ち位置がブレブレなんですよ。
そのあたりを整理して、感情の純度をあげていかないと。
彼らの行動を必然性のないご都合主義 ―― に見えないようにするのはなかなか大変そう。
逆にグスタフのブレなさ感がすごくて、共感しづらい気がしました。
あれだと、幼少時に突然抱いた「誓い」を疑いもなく持ち続けた人に見えてしまう。
人との出会いや愛を知ることによって、あの「幼い誓い」が
本物の、確かな「大人の誓い」になる過程を描くことが
ドラマになるんじゃないかなぁ。
そういうことも、明確に描かれるシーンはないので、場面場面のやり取りの中で
僅かなものを大きく汲み取りながら
役者がその心情の変化を表現していかなくてはいけないという、
これまた高いハードルが。
王妃ソフィアも同様に、グスタフとの冷たい初対面から彼を愛するようになった変化を
愛するきっかけとなった場面を抜きに表現しなくてはならないという、
これまた高いハードル。
そして一番の彼女のハードルは、イザベルを受け入れるくだりのセリフかなぁ。
あれを寒くならないように言わないといけない。
3回見て、私はストーリーそのものよりも、役者がこれをどうするか、に
興味と面白みを求めるようになっていました。
よく出来た脚本は、素人が演じても見せることができるものですが、
こういう脚本を見せる作品にするのがタカラジェンヌですもん。
そういう作品を、愛着をもってあーだこーだと言いつつ愉しむのが宝塚ファンで
そうして続いてきたのた宝塚なんじゃないかな。
(そしてあーだこーだ言う相手がいることが、私がファンをつづけられる所以かな^^)
そして、中2日あけてどうなっているかなぁ?と思って見た4回目の観劇で
やっぱり宙組はいいわ♡と思いました。
3日前と同じ脚本なのに、「あ!いま心が動いた」とわかるところがいくつもありました。
初日に寒いな~と思った王妃とイザベルの対面シーンでじーん( ´;ω;`)ときちゃいました。
感情に走りすぎて見えづらい気がしたリリホルンの心も見えてきた気がしました。
アンカーストレムはさいしょと半ばからで心境が変わっているのがわかりやすくなった気が。
グスタフの民を思うセリフはきっと、かなめさんのこれまでの姿からインスパイアされたもの
なんじゃないかなと。
それを作品に取り込むにあたって整理しきれなかった齟齬がストーリーをピンボケさせている
ような気も、、、否めない気がします。
それが作品と調和して純化したら、深い感動になるだろうなぁ。
私自身はかなめさんのファンなので、
自分がつくりあげた平和で豊かな国の象徴であるオペラ座のその舞踏会に
晴れ晴れとグスタフが登場するシーンでもう、うるっとしてしまして^^;
グスタフと王妃が踊るシーンはもうもううるうるでして・・・
「新しいスウェーデンの礎を築けたことを誇りに思う」といいながら天に召されていくシーンは
そして、そこからの朝夏さんの銀橋の歌への流れは
かなめさんの来し方と宙組のこれからを思って落涙なんですけど・・・
原田先生のお気持ちはファンとしてとてもありがたいのですが、、、
これを宙組皆の力でファンでない初見の方でも感動できる作品にしてほしいなぁと思います。
私は宙組の芝居の良いところは、心の動きに素直なところだと思っています。
皆がそのときそのときにちゃんと心を動かしているところ。
それが、カチッとはまって、それが客席にも見えたときの快感はたまりません。
この作品ももっともっと深い感動を与えてくれるものにしてくれると信じています。
というわけですでにもう、つぎの観劇が待ちきれません
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