秘められしこの想い。
1月10日から12日までお茶会に合わせて
宙組東京宝塚劇場公演「白夜の誓い」と「PHOENIX宝塚!!」を見てきました。
宝塚大劇場の千秋楽以来の宙組観劇でした。
プロローグのAh グスターフ♪の影コーラスを聴いただけで
あぁ宙組だぁ(´;ω;`)これが聴きたかったの~~とスイッチが入ってしまい
それ以降はなんだか感激しまくりの3日間の観劇でした。
ほんとに宙組のコーラスは私の気持ちを高揚させてくれます。
どうしてなのかはわからないんですが、宙組だ~♡と思います。
久しぶりに見た「白夜の誓い」はお芝居がかなり洗練されたように感じました。
冒頭からとても新鮮に見ることができ、とても新鮮に心が動かされました。
ベルジェンヌ伯邸のバルコニーでのイザベルとの会話をはじめ
セリフがところどころ変更されているせいで、
演じる人も気持ちがつながりやすくなったのかな。
でもなによりも、1人1人のお芝居が深化したことが洗練につながっている気がします。
上品さと深みが増し、心情がより純化していてわかりやすくなったと感じました。
いちばん顕著に深化しているのがソフィアだなぁと思いました。
閲兵式に花道に登場したソフィアを見て、きれいだなぁと思い、
銀橋の歌(秘められし想い)になぜかもううるうる。
そしてその後のヴァーサ王の聖堂でのテッシン伯爵とのやりとりにじわっと涙が出ました。
「あの方の前では素直になれないのです」
東京公演で追加されたセリフ。
大劇場公演でもお芝居を通じてそうなんだろうなぁと思っていましたが、
言葉になることですっきりした気がします。
グスタフとソフィアの関係の変化を緻密に描く作品ならこのセリフは不要ですけど。
・
ムラの初見の頃は、1時間半のお芝居にしては解消すべきネタが多すぎて
消化不良な作品だなぁと思っていました。設定も役者もテーマも良いのになぁと。
「こうなってこうなってこうなりました」で話がすすみ、
「どうして?」「どうやって?」「何によって?」という知りたいところが描かれないので
見る側が脳内補完をしなければなりませんでした。
ソフィアの心情の変化についても、その前までは反目しあっていたのに
唐突にグスタフの身を案じて祈る彼女が出てきて
「いつからそうなったの?」という疑問が残ったまま目の前の状況を受け入れて
お芝居を見続けなくてはならないという居心地の悪さがありました。
舞台でメインで動いている芝居から目を逸らし、ソフィアだけを注視してみるとか
客席でそれなりの努力をしてみると、彼女の心が動いた瞬間が見えたり
彼女がいまどんな気持ちでいるのかわかるのですが、
それが一見のもとにはわからない。
観客の目の動線が考えられていないために。
リピートして見る人なら愉しめるけれど、1回しか見ないおそらく多くの人には
不親切な演出になっているように思います。
観客の目線を動かすための音と動きが1時間半の大劇場向けになっていないことが
残念だなぁと思っていました。
わかりやすくするためになんでもかんでも説明セリフにするのは興ざめですが、
心情や理由を説明するセリフも劇場に合わせて適度に必要だったんだなと
このソフィアのセリフでわかったような気がします。
もちろん、このセリフを言うにふさわしいお芝居を実咲凜音さんが
登場からずっとされてたから、すんなり私の心に染み入ってきたのです。
まず登場のお輿入れのシーン。
大劇では、相手の気持ちに鈍感で硬質なお姫様に見えていましたが、
東京では、グスタフのかなり失礼な質問に対して不敵な笑みをうかべていました。
まさかこんなことを言われるとは…と思っただろうなぁ。
でも、そこで傷ついた表情ができない人なんだなぁ。
これが、のちの「素直になれないのです」につながり説得力でした。
グスタフも自分がどれだけ女性に影響力があるか、
パリで学ばなかったのかなぁ。
思想とか戦略とかだけじゃなくて、コミュニケーションも学ばなかったの(><。
敵国ともいえる国へ覚悟のもと嫁いできた女性にいきなりあれはないよなぁ。
グスタフが魅力的だからこそ、よけいに相手にはダメージなんだけどなぁ。
ソフィアにあんなことを言わせたのはグスタフ自身だよなぁ。
ということがムラで見たときよりクリアに見えて
なんだかとてもとても見ていてせつなさが増した気がします。
見ている私の心をどんどん動かしてくれる。
よけいなことは考えず登場人物の気持ちや状況だけを考えさせてくれる。
だからでしょうか。
感情をいっぱい動かされてしまい幕が閉まると顔がぐしゃぐしゃに。
正直なところソフィアは八つ当たりされただけですよね。
ほんとうのグスタフの怒りはクランツやロシアに向いている。
でも八つ当たりするグスタフも魅力的
こういう人間の感情が生で感じられるのが好きです。
ソフィアだってあんな大勢の前で恥をかかされて。
あれくらい言わないとプライドがゆるさないと思います。
祖国デンマークの威信だってかかっているし。
そこからの2人のすれ違い。
というなんとも美味しそうな出会い♡
この対面の場面はほんとにいいなぁ。と思います。
それから、さきほどの聖堂の場面。
テッシン伯爵に本心を打ち明けていたソフィアの
「わたくしはデンマークの女ですから」だけが耳に入ったらしきグスタフの
誤解の上の言葉――。
「君がデンマークへ帰りたいのなら、好きにすればいい」
ほんとにもーほんとにもー(><) ここ好き
デンマークを打ち破ったグスタフ・ヴァーサに祈りを捧げること自体
ソフィアの心はデンマークではなくスウェーデンの人間になっているのに
それに気づかず、帰りたいならデンマークに帰っていいと。
しかもソフィアが祈っているのは彼の身の安全なのに。
けれどソフィアは自分の真情を彼につたえるすべも持たず。
「デンマーク流をくずさないと言ったのは、君だろ?」
もう、ここが最高に好きでして
終演後、私の萌えポイントを友人に話したら「(貴方は)どうしてそうなっちゃったの?」
と呆れた反応が返ってきましたけど・・・・・・え? 皆そうじゃないですか???
冷え冷えとしたグスタフ、ステキですよね???
この酷寒をおもいきり堪能したあとで、後半のあの融雪がくるから
これがまたいいんですよねー
凱旋してくるグスタフを迎えに銀橋を歩くソフィアも好きでした。
彼の無事を喜ぶ気持ちは溢れんばかりだろうな。
でもそれを抑えて。
うれしさと同時に、また酷い言葉を言われる覚悟もしているだろうなぁ。
そんな心を抱えているはずなのに、毅然と顔をあげて優雅な歩調はいつものまま。
でも銀橋を渡りきる直前に思わずテッシンの顔を振り仰ぐその顔を見るのが好きでした。
溢れるものをおさえてうなずく顔がきれいだなぁと思いました。
それからグスタフに思いがけない感謝の言葉を告げられて。
耳を疑うよね。でもグスタフの瞳には真実の思いが見えるよね。
どれだけうれしいだろう。
でも外国の元首を招いての公式の場。
慎み深くふるまうソフィアが、いいんですよね~
「エカテリーナ殿、私の妻ソフィアです」
グスタフのこの一言。
一言だけど、見ていてとてもうれしくなる場面です。
そこからのエカテリーナとの場面。
感動的ではあるけれど、この場面の意味がずっとわからなかったんです。
それが、東京でエカテリーナのセリフが変わって、
場面の意味が自然に心に届きました。
「あなたのその思いが、スウェーデンにとって大きな力となるでしょう」
そうなんですよね。
偉業を成し遂げようとする人にとって、支える人の思いがどれだけ大切か。
イザベル、アンカーストレム、テッシン、リリホルンやニルスたち。
そこにソフィアの居場所もできたんですよね。
グスタフのすぐ隣に。
それをはっきりと示すシーンになっていたと思います。
それからの執務室のシーン。
イザベルというグスタフにとってかけがえのない女性の存在を
グスタフ自ら聞かされるソフィア。
ムラの初見の頃は、この言葉を受けてもこの人は鉄の女で通すつもりなのだろうか?
と凜音ちゃんのお芝居を見て思っていたのですが、
だんだんとせつなさを表現されるようになり、胸が詰まるシーンとなっていました。
東京でも、さらに純度や透明度が増していて、
「わたくしにとっても恩人でございますもの・・」にこもった想い――
至上の愛とも思える清らかなものを目の前に見て、たまらず私も落涙。
したところに、グスタフがソフィアとの距離をつめて・・・・
あれ?と思っている間に、やさしく抱きしめて・・・「ありがとう」と。
もう涙が止まらないんですけど私・・。
グスタフにも、ソフィアの愛とせつなさが伝わっているのですよね
そこからの「夜はもう遅い、先に休みなさい」「くれぐれもご無理なさいませんように」
に込められたお互いのお互いへの思いやりに、また涙がこみ上げました。
ムラの初見の頃は、ここの温度の低さに思わずソフィアに同情してたんだよなぁ。
私がソフィアと友達なら一緒に宝塚見につれていくのに…とか思ってた。
でもムラ初日頃はイザベルのことを告げられたときのソフィアの表情も
いまいち薄くて理解できず、
勝手に「イザベル? アンカーストレム様やないんかい?(思わず関西弁)」
とソフィアの顔にアテレコしちゃってました。ごめんね、ソフィア。
一緒に陛下の本を創る夢も見たよ。
タイトルはズバリ、『王様と彼』。ごめんね。
もういまのソフィアにはそんなことすこしも妄想できません。
こんな日が来るとは―― (´;ω;`)
ソフィアとイザベルの対面シーンも、ムラの初日は寒々しくかんじたのに、
いつしかまったく寒々しさはなくなり、見るたびに涙を誘われるようになっていました。
それが、東京ではさらに増していて。
ソフィアの言葉に込められたイザベルへの親しみと敬愛そしてグスタフへの深い愛情に
涙がでます。
その胸には、かなしみやせつなさが宿っていないわけではないでしょうに。
ほんとうに、純粋な方だと。
ここはソフィアの後に控える侍女のレオノーラの表情にもせつなくなります。
イザベルがどういう人なのかを知り、
いちどは険しい表情を見せるものの、ソフィアの愛と勁さと信念に気づいて
本当の意味で気高いこの女主人を誇らしくもいじらしく思っている様が。
その繊細で明瞭な表現が見事で。
ソフィアの気高く柔和な「さあ、まいりましょう」から、
いよいよはじまるクライマックスにいつも胸高鳴りました。
オペラ座の舞踏会シーンのソフィア。
イザベルと会話を交わすグスタフをみつめる瞳がほんとうにせつなくて
たまりませんでした。
グスタフを愛している彼女の胸に不安がないわけはないでしょうに。
誇るわけでもなく卑屈になるわけでもなく、ただ言葉にできないものを
胸に秘めている気高い女性だなぁと。
グスタフが彼女の手をとり踊るシーンは、
ほんとうにほんとうによかったねぇ(´;ω;`)と思います。
美しい音楽と衣装と舞台にほんとうにしあわせを感じるシーンです。
そこからのラストはもう彼女の立場を思うとたまらないなぁ。
グスタフの愛をその胸にたしかに受け取ったあとなだけに。
ムラの初日からここまで、こんなにも深くこんなにも
感情の純度が上がっていたソフィアに
感動した3日間の観劇でした。
つぎの観劇もとてもたのしみです。
ソフィアだけでなく、ほかもどんどん深化していると思うので、
それによってソフィアもさらに変わっていくのではないかと思います。
ウラー宙組!!!!
| 固定リンク | 0
コメント
こんばんは~~
あ~~すごくすごくわかります
私も10日、11日と行きました~~
グスタフはもちろんですが、ソフィアから目がはなせずまた自分がかなり感情移入していまして^^
ショーがはじまるまでは私ソフィアでした
冷えてるグスタフ、いいですよ~~
そこからがあるから余計キュンとします
進化し続けるグスタフにまだまだついていきます
私もお茶会参加しました~~
最高でした~~~
投稿: かずママ | 2015/01/16 22:52
◇かずママさん、
冷え冷えしたところからやさしくなるからいいんですよね~(^^)
お茶会よかったですよね
私も進化し続けるグスタフを見続けます。
つぎの観劇が待ち遠しいです~~~
投稿: theo | 2015/01/19 09:53