生きるときめき。
5月25日(月)博多座にて、宝塚歌劇雪組公演の楽日の2公演を見てきました。
「星影の人」は何回見ても感動しました。
さすが柴田先生だなぁと思いました。
ショー「ファンシー・ガイ」も、全場面の印象が似通っていて
場面ごとのコントラストが薄いかなとは思いますが(元々三木作品はそんなだし)
三木先生らしい趣味の作品でとても好きでした。
本公演とは出演者の人数が半分になってしまう博多座公演ですが、
お芝居もショーも、全員がはまっていたように思います。
誰がよかった!というより、皆がそれぞれによかった!という印象なので
なかなかどこを切り出して語るというのが難しいのですが・・・。
ちぎちゃん(早霧せいなさん)は本当に沖田総司がぴったりで。
殺伐とした時代に、その存在が皆の救いになっているんだなぁというのが納得でした。
玉勇さんとの再会のあとで総司が言う「星がきれいだなぁ」はなんど見ても落涙しました。
厳しい日常の中でみつけた、このほのかなときめきに、
戸惑いながらも表情を輝かせているさまがいじらしくてせつなくて。
一生懸命に「いま」を生きている清らかな若者の姿に。
玉勇さんとの逢引きのあとで、仲間がわらわら出てくるシーンも好きだったなぁ。
仲間は総司が大好きで、だからからかいたくて。
でも皆内心、ほんとうに総司を思って喜んでいるんだなぁって伝わってきて泣けてました。
そんな仲間のからかいに、もうっと膨れっ面になる総司の愛しいこと。
相互の愛情と信頼が、いいなぁと。
こんな「絆」を見たからこそ、このあとの展開に私は涙が抑えられなくなったんだなぁ。
・
「今夜の私は強いですよ」は有名なセリフですが、そうかこういう展開でなのかと納得。
玉勇さんたちの気迫のこもった京舞を見て心奮い、そのあとで玉勇さんと2人
そぞろ歩き笑顔で語らってる最中ですもん、そりゃあもうアドレナリンばんばん出てますよね。
総司にとっては心昂ぶり腕が鳴り待ってましたとばかりのタイミングに現れる浪士たち、
ご愁傷様としか言いようがない・・・(^_^.)
自分の余命を知った総司の怯えとそれを受け容れようとするいじらしさ。
総司のたいせつな人たち。生きるときめき。
それらを映す幻の場面の美しさ。
こんなに輝き放つものたちを残して、あと2年か3年で・・・と思うと堪えきれないものが…。
そして紅葉の嵐山の場面。
どんなことをしても総司を生かせたい玉勇さんに短くても命の限り精一杯生きたいと言う総司。
2人のそれぞれの切実な気持ちがどうしようもなくせつなかったです。
「これから2年、私と生きてください」
・・・ぼかしもごまかしもない総司の言葉に、涙を堪えることが難しかったです。
玉勇さんの咲妃みゆちゃん、とても素晴らしいなぁと思いました。
声の表情が豊かでとても心に響きます。
お顔の表情のほうはいまいちはっきりとはしなかったけれども(白塗りのお化粧のせいも?)
でも声だけで、その気持ちが繊細に、ひしひしと伝わってくるようで、
たぶん、私が泣いていた理由の半分は彼女のセリフ&歌のせいではなかろうかと。
「春の雪」の聡子さんを見て以来ずっと苦手な娘役さんだったんだけど
この玉勇さんで見事に覆りました。
聡子さんの役作りはきっとあれで正解だったんでしょう。私の心をささくれ立たせるような。
そして玉勇さんの役作りも的確だったなぁと思います。
みゆちゃん、とても聡明な娘役さんなんだなぁと思います。
京舞を踊る姿は実家にあった博多人形の芸妓さんにそっくりで思わずわぁと思いました。
「星影の人」はヒロイン以外にも娘役さんにいい役がいくつもあったのがよかったです。
早苗さん、おみよちゃん、明里さん、加代さん、幾松さん、染香姐さん、安紀さん・・・。
早苗さんの「私は拙いながらも琴を嗜みます。時折は私どもへお立ち寄りになって…」は
武家の娘として彼女の精いっぱいがせつなかったです。
芸妓の玉勇さんのように婀娜っぽいことは言えない、おみよちゃんのように
ストレートに好意を表現もできない、けれど、総司を思う気持ちは同じだよね…と。
その慎ましくお淑やかな早苗さんが、ショーでは色っぽくガンガン踊っているのも
面白かったなぁ
早苗役の沙月愛奈さんってかっこいいダンサーなんですねー。
星乃あんりちゃんのおみよちゃんは、総司や土方さんとの掛け合いが可愛くて。
彼女とのやりとりで、それぞれの人物像が浮き彫りになるのが面白いなぁと思いました。
平時には土方さんに憎まれ口を叩いたりするけど、緊迫しているときにはちゃんと察して
動けるおみよちゃんって凄いなぁと思って見ていました。
総司を思って歌う歌には、毎度泣かされたなぁ・・・「涙がとまらへんのどす~」
ショーではロケットのあんりちゃんの可愛さにいつもデレデレになりました。
雪組観劇の楽しみのひとつです(*^_^*)
きゃびい(早花まこさん)の染香姐さんは玉勇さんが頼りにするだけある芸妓さん。
染香姐さんの「えらい強敵がいてはる」を聴くのが好きでした。
状況を的確に察知して表現するなぁ。
どんな窮地も違う視点や切り口でもって突破できる機転の利く人なんだろうなぁ。
だから、頼りにされ慕われるんだろうなぁ。
とても素敵な姐さんでした。
彼女たちの京言葉が、とってもとっても好きでした。
思えば「星影の人」の楽しみの半分ほどは、娘役さんを見ることだったかもしれません。
あの可愛い舞妓さんたちにも癒されました。
彼女たちが息衝いているからこそ、隊士たちの人間らしさが見えて
そこに感動があったのだなぁと思います。
まだまだ書きたいことはあるのですが、まとめることができません。
・・・のでまた後日に…(><)
(土方みつるさんのこととか、山南さんや桂さんや井上さんたちのことも書きたいー)
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