6月8日と9日、宝塚大劇場にて宙組公演「王家に捧ぐ歌」を見ました。
・・・と感想を書きはじめて早10日。
この作品はたくさん考えることがあって・・・なかなか感想を書き終えられません。
こうしているあいだにも、劇場ではどんどん皆が深化しているのだろうなぁ。
私が初見でまず思ったこと、それは『みりおんがカッコイイ
』でした。
1幕のダークなカーリーヘアにアースカラーのアシメトリースカート。
立ち姿がまるで女戦士(アマゾネス)みたい。
「モンテ・クリスト伯」のメルセデスとか、私は戦うみりおんが好きなのかも。
アイーダ役がみりおん(実咲凜音さん)と発表された時に、
私には心配なことが1つありました。
戦勝国に囚われて奴隷となった敗戦国の王女で、
劇中では戦勝国エジプトの女官たちに虐められるシーンもある役なので
『何も悪くないのに妬まれ虐められる可哀想な私』感が前面に出てしまったら
私はアイーダに共感しづらいだろうなと。
初演では、私はだんぜんアムネリス派で、アイーダのことはかろうじて
男役の安蘭けいさんが演じたから受け容れられた気がしていたので、
娘役がウェットに演じたら、私はアイーダという人を受け容れらないんじゃないかと。
じっさいに見てみると、それはまったくの杞憂だったようで、すごくドライなヒロインでした。
それがとてもよかった。
怨んだり、卑屈になったり、そんなじめじめしたメンタルの王女様ではありませんでした。
とても理論的で知的な女性だなぁと思いました。
虐められても、けっして屈しない人だなぁと。
ラダメスが生きていることだけが大切で、その他のことはどうでもいい潔さ好きだなぁと。
本当に怯えるべきことは何か、区別ができているアイーダがかっこいいなぁと思いました。
父や兄たちが、風土や血や先祖からの精神に縛られているなかで、
理性的に、論理的に物事を考えてしまう彼女だからこそ、1人浮いてしまうんだろうな。
でも誰にもわかってもらえなくても、自分の意思を曲げない強さがあるんだなぁ。
父のことも兄のことも愛しているから、そこに苦悩はあるけれども。
基本的に、1人で立って生きていける女性なんだなと思いました。
その彼女が、ラダメスとの愛を選ぶにいたるまでが、アイーダにとっての物語だなと。
どちらかというと、そういうロマンスとはかけ離れたところにいた彼女が。
こんなアイーダをロマンスに巻き込む朝夏ラダメスの威力たるや・・・。
『私たちは愛し合ったのよ ―― それがすべてよ』と言わしめるんだもんなぁ。
まぁ様おそるべし・・・
アイーダが銀橋でラダメスに頭ぷるぷるするのが可愛くて好きでした。
この落差がねぇ
ラダメスに陥落する前と後で。
(8日に見たときよりも9日のほうが可愛さアップでした。)
(いまはもっと可愛くなっているのかなぁ。。。)