もうエースを引かなくてもいいのね。
6月28日(日)福岡市民会館にて、宝塚歌劇星組公演「大海賊」と
「Amourそれは…」を見ました。
北翔海莉さんと妃波風さんのトップコンビのプレお披露目公演です。
昼夜の2公演を見ましたが、素晴らしいトップコンビが誕生したなぁと思いました。
風ちゃんは、CSなどで拝見する姿から、あまり宝塚の娘役的ではない印象が
あったのですが、「大海賊」ではとても可憐なお姫様として舞台にいました。
エレーヌの勝気な面が強調されるのではないかと思っていたのですが、
初演のえみくらちゃんより大人しめに造形していて意外でした。
可愛いさもさることながら、その声が魅力的だと思いました。
幅広い声が出せるんだなぁ。
可憐なエレーヌの声も、ショーの地声で歌い上げるところも。
抑揚に繊細な感情まで感じられてとても好きでした。
エレーヌの最期の海を見たいというセリフも、「きれいだわ」も。
その声がいじらしくて涙が出ました。
この役のために、そしてトップ娘役という立場のために
とっても努力している気がして、なんだか心から応援したくなりました。
風ちゃんがんばれ~(*^_^*)
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「大海賊」も「Amourそれは…」もともにみっちゃん(北翔海莉さん)が
月組時代、宙組時代に組子で出演されたことがある作品の再演です。
先にご覧になった方から、愛情をこめて
「とても同じ歌とは思えない。そして、とても同じ衣装とも思えない(笑)」と聞いていました。
たしかに、昼公演を前方の席で見た時には、それを感じました。
なにしろ、「大海賊」の主演の紫吹さんも、「Amour~」の悠河さんも
ともにスタイルブックから抜け出たようなビジュアルのトップさんでしたから。
みっちゃんも男役として恵まれた体型なはずなんだけどなぁ。
うしろ姿まで気にしてほしいなぁ。
帽子とターバンの比率をもうちょっと・・・。
とかね。
でも、夜の公演を後方の席で見て、みっちゃんの歌の威力に
そんなことは吹き飛んでしまいました。
1列目から38列目まで全席同一料金なのは理不尽だなぁと全ツのこの会場で
いつも私は思っていたのですが、今回ばかりはコスパの差を感じませんでした。
天井席までみっちゃんの歌の魅力は届いていました。
ショーの客席降りでは、29列の前の通路を通って歌ってくれたのもうれしかったです。
(これまでの公演では17列目の前の通路を通るのが通例なのです)
大劇場のどんなに端っこ、どんなに後方のお客さんをも満足させられる公演を
提供することは、宝塚にとって大事なことだと思いますし、
みっちゃんは、それができるトップさんだなぁと。
これは、みっちゃんの最大の武器であり、みっちゃんの宝塚での価値だと思いました。
一時はみっちゃんのトップとしての価値を懐疑的に思ったときもありましたが、
この公演を見て真ん中に立つにふさわしい人だとわかりました。(ごめんねみっちゃん)
みっちゃんだけではなくて、ほかの皆もそれぞれコスパの高い舞台を見せてくれてて
新しい代になっても、星組さんは凄いぞと思いました。
「もうエースを引かなくてもいいのね」
あのセリフに込められたエレーヌの気持ちに
そして、このトップコンビに対する私の気持ちがリンクしてぐっときてしまいました。
もう、エースを引かなくていいんだよ。よかったねと。
みっちゃん、風ちゃん、おめでとう!
マストに風をいっぱいはらませて、星組という大海原でさらなる挑戦をつづけてください。
この海と風のコンビに幸あれかし。
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