虫のいのち。
3/11(金)福岡サンパレスにて、地球ゴージャスプロデュース公演「The Love Bugs」を見ました。
蘭寿とむさん目当てで見に行ったのですが、とてもたのしかったです。
まずオープニングのダンスに圧倒され、これからどんな舞台が見られるのかわくわくしました。
岸谷さん山脇さんは客席の反応を受けてどんどん笑いを取っていかれて一体どこまでが台本かアドリブがわからない状態でした。山脇さんが岸谷さんを表現するときにかなり遠慮なくこまめにアドリブを入れてらっしゃったみたい(笑)。
物語には同世代の匂いを感じました。
不武装無抵抗を貫き自らは滅びることでしか不戦の尊さを示せないのではないかとか一度は考えたであろう世代。守るべきものが見出せなかった世代。
そんな世代もやがて守るものを得て大人になったんだなぁとか。シルバーに対して思わず武器をとって戦っている寺脇さん演じる小さいおじさんにそんなことを重ねて見たり。
命を渡し繋げていくことを城田優さんのスィンクルマンを通して考えたり。
スィンクルマンを表現する言葉に世の美男に対するやっかみが多分に含まれている気がしたのも面白かったです。
(美男って意外と生き辛いのかもしれないな)
なんだかそこにはこの物語を作った人の等身大が見えた気がして、それはなんだか自己肯定への応援のような気がして。
大原櫻子さんの天娘ちゃん、とても可愛かったです。
天道虫かと思っていたら羽虫で、一気に薄倖のヒロイン&おばあちゃんな気分なところとか最高に好きでした。
羽虫かと思っていたら蛍だとわかって、一気に浮上して岸谷さん演じるシザーQが眼中になくなってしまうところとかも可笑しくて可愛くて。だってそんなものでしょう(笑)。
ちなみに羽虫はカゲロウのことですよね? 天道虫に間違われるくらいだから葉虫(甲虫)かなと一瞬思ったのですが、そうすると寿命の点で話が合わなくなりますよね。
女優の蘭寿さんを舞台で見るのは初めてでしたが違和感なく見られました。蘭寿さんだからこその役だなぁと思いました。
コンテスト荒らしとしてさすらっていたティアラ。その生き様には種としての宿命を跳ね除けたいという思いがあったのかななんて思ったり。反目していたスィンクルマンと共闘の中で惹かれ合い彼の切なる思いを受けとること、すなわち命をつなぐために彼を食べるという究極の決断をする場面が熱かったです。
それはかけがえのない一個の命としてかけがえのない選択を自らすることだなと。自分で自分の業を受け入れ選びとること。それができる強い意志と凄みが熱くつたわってきました。
宿命を精いっぱい生きる者への愛おしさで胸がいっぱいになりました。
虫という小さい命の世界に入ってみつめることで、愛おしさに思いいたらせてもらえたような。
笑って笑って疑問を抱いたり感動したりいろんな温度をかんじられる舞台でした。
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