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2016/12/27

いつだって世界は誰にもやさしくない。

12月4日キャナルシティ劇場にてミュージカル「黒執事〜NOAH'S ARK CIRCUS〜」を見てきました。

お芝居もパフォーマンスも素晴らしくて脚本も演出もよかったです。2.5次元ミュージカル侮りがたしです。
なによりも舞台の上の皆さんの集中力と情熱にやられました。
その舞台を見上げる客席の雰囲気やリアクションも暖かくて、一体感を感じてそこにいることができましたし、こんなだったら奇跡も起きちゃうよねぇと納得でした。
舞台っていいなぁと見終わって幸せな気持ちになりました。

ストーリーも昨年の「地に燃えるリコリス」よりも私はこちらが好きだなと思いました。
動機や展開に唐突さがなかったし、原作の無機質さに巧く肉付けされて体温を感じられるものになっていたのが私の好みでした。
目の前で感情をさらけ出す登場人物を直に感じることで原作では頭で理解していたことが心でわかったり、ぼっちゃまの印象的なセリフにもさらに深みを感じることができました。

「いつだって世界は誰にもやさしくない」
「傲慢でない人間などいない」
小さな少年伯爵がこんな実感を持っている世界観が私は好きです。
そして、ないことにされてしまいそうな部分を言葉にして共有できる作品の懐深さも好きだなぁと思います。
闇と悲哀と笑いがぎゅっと詰まって大満足で、あっという間の3時間でした。

お屋敷の使用人や葬儀屋さんやスコットランドヤードのお2人にはすでに愛着(笑)。
使用人さんたちの名乗りの場面はわくわくしましたし、スコットランドヤードのお2人の奇跡(笑)に客席は大いに盛り上がり温まりました。
アンダーテイカーさんがぼそっと囁くセリフが、この世界観にぐっと深みを与えてていいなぁと思いました。あのセリフこそこの世界観の核心に迫るものだなぁと。
ソーマとアグニはこれから常連さんになるのかな。セバスチャンに人間らしい(?)ことを教えるくだりがほっこりとして好きでした。それを真に受けるセバスチャンも好きです(笑)。
そして死神のウィリアムさんのすべてが好きです(笑)。サーカスの宙吊りの場面びっくりしました。

男爵や先生もキャリアのある役者さんで芝居で見せてくださってさすがでした。
ジョーカー役の三浦涼介さんも喜怒哀楽がすごく声にのせられる素晴らしい役者さんでした。あの声で泣かされました。
それからドール役の設楽銀河君にびっくり。なんともいえない年頃の美しさと歌声。私はドールにいちばん泣かされました。

シエルぼっちゃまとセバスチャンの関係もぐっと近づいているなぁと思いました。この関係の終着がどうなるのか気になるけれどそこに行くまでにシエルがどれだけこのやさしくない世界をどっぷりと過ごすのかと思うとつらいなぁ。
シエル役の内川連生君いいですねぇ。ぼっちゃまの傲慢さと神経質さをよく出してて。ふとしたときの怯えが表情に出るかんじもファントムハイヴのぼっちゃまだなぁと思いました。

セバスチャン役の古川雄大さん。立ち姿の端正なシルエットは2次元がそのまま3次元になったよう。
見た目のクールさがこの役にぴったりだなぁと思いました。でも舞台の一瞬一瞬に内に秘めた熱のようなものが見えて引き込まれました。たぶん私はそういうところが好きなんだなぁと思います。
今後も舞台を見ていきたい役者さんです。

今回は宙組の福岡公演と日程がまるかぶりで1回しか見ることができませんでしたが、次回作があるならまたぜひ見たいなぁと思います。 

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