誰も教えてくれない。
4月19日の夜、福岡市民会館にて柚希礼音さんのコンサート「REON JACK2」を見てきました。
チケットが取れたら見に行こうかなという軽い気持ちで柚希さんファンの知人にチケットをお願いしていたのですが、素晴らしいパフォーマンスの数々に魅入られてきました。
宝塚では他組のファンなので、星組だったちえちゃん(柚希さん)の舞台はこの十数年の間に年に1度見るか見ないかの頻度でしたが、その頻度だけに見るたびに目を見張る成長を見せられて凄いひとだなぁと思っていました。
宝塚退団後に初めて見た今回のパフォーマンスでも、共演するトップパフォーマーの皆さんと切磋琢磨してさらに自身を高めている姿に感動しました。
幕開きから数曲はダンサーズを従えた柚希さんヴォーカルのグルーヴなナンバーがつづき、普通にアーティストのコンサートみたいだなぁと思いましたが、客席がきちんと着席しているのが宝塚ファンらしくてお行儀がいいなぁと思いました。私はもうスタンディングのコンサートはしんどいなぁと思っているのでよかったです(笑)。
大貫勇輔さん、SHUNさん、ロペスさん、YOSHIEさんとのダンスパフォーマンスはさすがちえちゃん!凄い!の連続で、まさにこんなちえちゃんが見たかった!と思うパフォーマンスをつづけざまに見られて興奮しました。
大貫さんは梅芸「ロミオ&ジュリエット」で拝見したばかりでしたが、この公演ではより自由に高い跳躍を見せつけていらっしゃいました。跳躍して滞空中に向きを変えるという猫のような筋力にはただただ呆然としてしまいました。
つなぎ服のマニッシュな柚希さんと同じつなぎ服のSHUNさんと大貫さんが目まぐるしく相手を替えながらスピーディに踊る場面はひたすら呆気にとられるばかりでした。足さばきもリフトも凄すぎて。
ロペスさんと真紅のスリットドレスの柚希さんがペアで踊ったタンゴも圧巻でした。言葉が出ない。感動を拍手で表すしかありませんでした。
福岡だけの出演のストリートダンサーのYOSHIEさんのキレには私の緩い動体視力では動きを捉えきれなくて、こちらも呆気にとられるしかありませんでした。
そしてそのYOSHIEさんとペアで踊る柚希さん。世界一のストリートダンサーについていく彼女の気概、気力そして能力がブラーヴァでした。
どんなジャンルでもその道のトップパフォーマーに負けじとついていこうとするところ。
ありがちな、自身は元宝塚っぽくしてて、その道の素晴らしい方々のパフォーマンスに拍手~!ってスタンスじゃなく食らいついていくところがちえちゃんだなぁと思いました。
それでいて元宝塚らしいスッとした品の良いところは自分の持ち味にしているところが素敵で、だからこそ私のようなライトな宝塚ファンも楽しめるなぁと思いました。
・
これだけの素晴らしいパフォーマンスを見せ尽くしたその最後に披露した自作の歌詞の曲の、あまりの素直さに、これがちえちゃんの凄さの所以だなぁとしみじみと思いました。
自分の弱っている心を素直に表現できるなんて、本当の意味で心が強くて真っすぐじゃないとできないよ。
こんなにもたくさんの人に愛されていても、その眼差しが上を向いているひとって孤独なんだなぁ。
と歌を聴きながらさまざまに思いをいたしました。
MCで、YOSHIEさんもこの曲を聴いて号泣したとおっしゃっていて。
作詞の巧緻性よりもふだんの柚希さんの努力する姿勢やマインドを感じられるひとだからこそ、柚希さんと同じく高みを目指す者の孤独を味わい尽くしているYOSHIEさんだからこそ、人一倍感じられるものがあるのかなぁと思いました。
柚希さんへのリスペクトをたくさんの擬態語と身振りで一生懸命に伝えようと話されるYOSHIEさんでした(笑)。
そして、そんなYOSHIEさんが語るエピソードに逐一、頷いたり指差しサインをしてウケているコーラスのMARUさんの様子も微笑ましかったです。頑張っている同性に支持されるちえちゃんの魅力なり(笑)。
アンコールでは恒例らしいナンバーのお決まりの振りを客席と共有する場面がありました。
ここではじめて柚希さんの声かけきっかけでスタンディングするファンのお行儀の良さも宝塚らしくていいなぁと思いました。
決して柚希さんのコアなファンだけが客席にいるわけではないから、様々な年齢層の方が見に来ているから、パフォーマンスをじっくり見て堪能したい人もいるから。
でも一緒にノリノリになりたいファンもいるから。
こうしてコーナーを分けて、それぞれどの層の観客も満足できる配慮のある構成っていいなぁと思いました。
とても高度に中身のつまった内容で、いちばん最後には会場がいっしょになって同じ振りを楽しんで笑顔になって一体感を味わって、ものすごい満足感で終われたコンサートでした。
帰りのバスで「元宝塚の人のコンサートに誘われて見てきたっちゃけど、めっちゃよかったっちゃーん」と興奮気味に話しているお嬢さんと遭遇しまして、初めての人でもこんなに楽しめる最高のパフォーマンスだったということを再確認もしました。
機会があればぜひまた「REON JACK3」を見てみたいなぁと思います。
| 固定リンク | 0
« うっとりします。 | トップページ | 帰ろうよ。 »
コメント