ふたり並んでミイラになるまで。
3月20日と21日に宝塚大劇場にて宙組公演「天は赤い河ほとり」「シトラスの風」を見てきました。
お芝居「天は赤い河のほとり」はネットのお試し版で3巻くらいまで流し読みをした程度の知識で臨んだのですが、序盤で世界観についていけずどうしたものかと思っていましたが、エジプトの場面以降は入り込んでおもしろく見ることができました。
ユーリとネフェルティティの場面ではうるっと感動も覚え、いまはもっと何度も見たいなぁという気持ちです。
ユーリ、ネフェルティティ、ナキアの3人を通していつしか私は女性の成長譚として作品を見ていたように思います。
物語りの序盤でキャッチの意図で使われたであろう「私の純潔を奪って」とか「お持ち帰り」とか、はたまた嫌がるヒロインに対する「そんなに喜ぶな」とかが私にはダメでしてぞわっと怖気だってしまい、そこから脱却するのに中盤までの時間を要してしまった気がします。
これは生理的なものなのでどうしようもないかな・・・。
また主人公が女性にモテることを表現するのに集団で主人公を追いかけまわす姫たち・・・という場面も古典的すぎてどうなの?と思います。私はあんまりいい気持にはなれないなぁ。
ストーリー上仕方がない純潔云々の場面も、その主体が他でもない真風涼帆さんであることが私には生々しく感じられてしまって、どうしても夢見心地になれないのです。
思わず心で悲鳴をあげずにいられなかったプログラムの表紙の真風さんの笑み。こんな×××しい口許をした男役さんがかつていたでしょうか?!(反語)。
こんな真風さんにこのカイルという役は禁じ手なんじゃないでしょうか・・・((汗))
ユーリというヒロインもまた序盤は娘役スキルを削ぎ落さないと成り立たない「現代日本のふつうの女の子」で、それを演じているのがまだ娘役として発展途上(体型も含めて)の星風まどかちゃんなので、そこもまた生々しいものを感じてしまっていたたまれない気持ちに陥っていました。
「えっちすけべへんたーい」で私の心は地の底まで落ちてしまってゼロではなくマイナスからのスタートとなってしまい浮上するのに時間を要したみたいです。
カイルと離れ離れになり彼女の成長が見え始めたあたりからは好感を抱けたのですが。それがちょうどエジプトの場面と重なるのかなぁ。
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プレお披露目である「ウエストサイドストーリー」は見ていないので、この作品で新生宙組トップコンビを私は初めて見たわけですが、作品によっては苦手なコンビになるかも(涙)と現時点では少々不安になっております。
真風さんにこのテイストは合わないのじゃないかな。というかこの作品テイストの中の真風さんが私には合わないというほうが正しいのかな。「神々の土地」のフェリックスはどの登場人物より好きだったので。
その反対で、この作品テイストの中の芹香斗亜さんが私の心臓にズキュンでして・・・(汗)。
たぶんこの作品の上演でいちばん得をしているのが芹香さんかもと思います。
じつは彼女が演じるラムセスもそうとうなことをおっしゃっているわけですが、にもかかわらず少女漫画の枠に収まり宝塚的に感じられるのです。これって持ち味なのかなぁ。
花組の「ポーの一族」を見た時に、この世界観にはたしかにキキちゃん(芹香さん)は合わなかったかもしれないなぁと思ったのですが、この「天は赤い河のほとり」を見まして、キキちゃんはまちがいなくこちらの人だと確信しました。
芹香さんのラムセスがまどかちゃんのユーリに対して歌う俺の妻になれば幸せになれるぞという共白髪ならぬ共ミイラの歌がたまらなくキュンキュン素敵で俺様なのに女性ファーストで(彼の家庭環境に関係があるのでしょうか?原作を読めばわかります?)ちょっともう言葉が。
そんなだからユーリもついうっかりつられて踊っちゃったりするのがまた可愛らしくて見ている私はデレデレニヤニヤでした。劇場中が幸せに包まれていた気がします。
そしてそんな愛らしくて表情ゆたかなまどかちゃんを見ていたらつい「レヴュー伝説」のジジを彼女で見てみたいなぁと思ったりも。
これはもしかして図らずもキキまどの相性の良さが浮き彫りになってしまったかなと。まかまどのお披露目でそれはちょっと切ないかも・・・でも宙組って初代からそうだったからなぁ。トップ娘役と2番手がお似合いなのはもはや伝統と呼べるかもしれないからなぁ・・・なんてことを思ったりもしました。
これが立て続けに3公演見た私の率直な感想です。
けっきょくラムセスに心惹かれ、ネフェルティティという人が気になり、黒太子マッティワザはどんな思いであの場にいたのか興味が湧き、ナキアとウルヒも気になり、これはもう原作を紐解くしかないと覚悟を決めたところです。
次の観劇に間に合うかどうか…は神のみぞ知るですが。(こうしてまんまと思うつぼにはまる(笑))
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