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2018/08/11

明日をめざし歩いて行こう友を信じて。(ハッスルメイツ!)

8月9日(木)宝塚バウホールにて、宙組公演「ハッスルメイツ!」を見てきました。
宙組創立20周年の年に上演される和希そら君主演のソング&ダンス・エンターテイメントショーという宙組ファンにはたまらない趣向でした。

第1幕の海外ミュージカルコーナーでコパカバーナの前奏が流れてきた時からテンションが振り切ってしまい、ショーの主題歌メドレーでさらにボルテージが上がり、そして「明日へのエナジー」で幕が下りた直後にお隣の方に「凄く楽しんでいらっしゃたのが伝わりました(笑)」とご指摘を受ける始末(^^;

「コパカバーナ」の瑠風輝さん、「ファントム」の鷹翔千空さん、長身の立ち姿に独特の品、ザ・宙組の男役さん!ってかんじで素敵でした。これでお2人とも歌うまさんとは。このまま宙の中心で輝いていてください。

「ファントム」で鷹翔さんが歌っている時、背後に現れた幻想的な白燕尾のお2人が印象深く心に残っていて、プログラムで最下級生のなつ颯都さんと亜音有星さんだとわかりました。
なつさんはアカペラのコーナーでもパートをうけもっておられた歌うまさんですね。
亜音さんは笑顔が可愛らしい方で視線泥棒でした。客席降りで近くで拝見できて心が昂り、それからさらに目で追ってしまいました。(観劇後もあちこちで亜音さんが亜音さんがと言ってる・・・やばし私。笑)
お2人とも端正な宙組男役の片鱗がいまから漂っていて楽しみです。

若いメンバーが多い中で、あおいちゃん(美風舞良さん)とまっぷー(松風輝さん)の「TOP HAT」はやはり見せ方が綺麗だなぁと思いました。
まっぷーは歌もとても良いなぁと、2幕の雨男の場面でも思いました。
「NEVER SAY GOODBYE」の初舞ロケットで見ていた方がもはや宙組になくてならない人になっていらっしゃる(涙)。

「雨に唄えば」は娘役さんだけで歌っていたのが新鮮でした。
瀬戸花まりさん、華妃まいあちゃん、天彩峰里ちゃん、それぞれに持ち味のある歌うまさんの歌がとてもよかったです。
娘役さんたちが2人ずつペアで歌い継いでいく「私だけに」も聞惚れました。劇中ではないので、綺麗に歌われるのも新鮮にかんじました。
男役さんたちが2人ずつ歌い継ぐ「最後のダンス」もそれぞれに味があり、ラストに登場して歌いあげるそら君のリズムの乗り方が気持ちよくて最高でした。

そしてそら君のルイジ・ルキーニ。「キッチュ」。
新人公演の時以上にイキイキと客席をいじりまくっていました(笑)。
最前の小さいお客さんに顔を寄せて歌っていたのがとても微笑ましく、そら君が行ってしまった後の小さいお客さんの反応も可愛くて、しあわせな気分にさせていただきました。
(和希そらと小さいお客さんの隔たりのなさ、マッチングを認識)

「パーシャルタイム監獄」のコーナー、過去の宙組の演目の衣装に身を包んで次々に登場する出演者にわくわくしたのですが、ここは期待外れでした。
せっかくのコスチューム。もっと面白いことも感動的なこともできたでしょうに。

石田先生がそら君に言わせていることもなんだかなぁでした。
「デュマやシェイクスピアなら同じことをしても称賛されて石田先生だとご都合主義と言われる」のではなくて、ご都合主義に見せない力量が足りないから言われるんじゃないでしょうか。
冗談めかして出演者に観客批判させる手法が小狡いわ。と思いました。
「Metoo」に関してはもう唖然。シャレにならないと思いました。
こんな感覚で脚本家をやっているのか。知ってはいたけれど今に至ってもこれとは。
ここだけはテンション下がりましたけど、出演者の怒涛のパフォーマンスがまた気分を上げていってくれました。

瑠風さんのホセとみねりちゃんのカルメンのコスチュームによる「テンプテーション」がとても良かったです。
「激情」の劇中歌もこの2人で聴いてみたいなぁと思いました。

アカペラのコーナーも凄いなぁとタカラジェンヌの実力に瞠目しました。
穂稀せりさんは「双頭の鷲」や「王家に捧ぐ歌」の新公で実力のある若手の方だと認識していましたが、澄風なぎさんはよく知らなかったのですが凄く歌うまさんなんですね。(もしかして「不滅の棘」の2幕で歌われていた方?)
元宙組の歌うまさんだった風莉じんさんを彷彿とさせるなぁと思いました。
お2人もまたこれからの宙組になくてはならない方だと思います。

1幕のおわりは、ファン投票によるショーの主題歌メドレーで、ここが1幕でもっともテンションがあがりました。
曲目は、「ミレニアム・チャレンジャー」「ダンシング・フォー・ユー」「ソーラーパワー」「NICE GUY!!」「PHOENIX 宝塚!!」「HOT EYES!!」でぜんぶかな。
聴き馴染んだショーのテーマ曲は体が覚えていて往年のままに自然に手拍子をしてしまいます。
そして、「明日へのエナジー」。ダンス場面は省いてほんとうに歌を聴かせる構成で、16人とは思えないクオリティでした。


2幕は「ミレニアム・チャレンジャー」の「大漁ソーラン」から。
そら君はこういうダンスで魅了してくれるなぁ。
「龍馬伝」の主題歌もすごく合っているなぁと思いました。目線が利いているからかな。こんごの日本物がたのしみです。
そしてまいあちゃんが歌った「望郷は海を越えて」の「漂い人」が印象に残っています。けして派手ではないのだけど。聴かせる人ですよね。

2幕の小芝居はみねりちゃんのわんこがとても可愛くて。
ピストルの撃ちマネで倒れるところなんてたまりませんでした。
そら君とのとぼけた芝居が合っていてとても良かったです。微笑ましい2人(幸)。
ラストは涙が・・・。

「ワン・ハート」(NEVER SAY GOODBYE)は引き込まれました。
まず皆のコーラスに。やっぱり宙組にはこの曲だとしみじみ。明日エナももちろん良いですけど。
そして、この曲で裸足で踊るそら君。
こういうそら君を見られて本当に無理をしてもこの公演を見に来てよかったなぁと思いました。

そして、この公演でいちばん驚きと興奮を感じたのが「ボヘミアン・ラプソディ」でした。
宝塚でも洋楽は時々ありますけど、正直このクオリティで「ボヘミアン・ラプソディ」を聴けるとは思わなくて。
和希そら凄いとあらためて思いました。
そして宙組のコーラスも。

1人1人が実力を発揮できるこんな公演が上演できるのがバウホールの良いところだなぁとあらためて思いました。
お芝居もショーも活躍の場があってこそ研鑽をつめるしより上達もするのだと思います。
そうして培った実力が、大劇場で発揮されていけば未来は明るいなぁと。
海外ミュージカルも良いですが、ほどほどに。
やっぱり宝塚らしいオリジナル作品とショーをより高いクオリティで見たいと思います。
真ん中には浮世離れした美しい人がいて。

歌芝居ダンスのクオリティももちろんですが、脚本も良いものを見たいです。
座付きの先生方にとっても良い作品が書けるような余裕のある場所であってほしいなぁと思います。
宝塚が宝塚らしく明日につづきますように。

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