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2019/12/04

おとぎ話の終わりは。

11月21日に東京宝塚劇場にて、花組公演「A Fairy Tale -青い薔薇の精-」と「シャルム!」を見てきました。
みりおちゃん(明日海りおさん)の宝塚最後の公演、はたしてチケットが手に入るのだろうかと思っていましたが、幸運にも友の会で当選して見納めすることができました。

お芝居「A Fairy Tale」は終演後、景子先生、これでもかと少女趣味をぶち込んで来ましたね(笑)と思って笑えてしまいました。
設定も舞台美術もセリフの端々も。過剰なほどに美しく清らで、自分が好まないものは世界観から排除してしまうそんな少女の夢。こそばゆいけど嫌いじゃないです。
本意でない政略結婚だったとはいえ、夫である相手に「あなたを愛したことなど一度もない」と言い切ってしまえるヒロインの強情な潔癖さ。これは遁世して夢見る少女小説家にでもなるしかありませんなと思ったらある意味正解で(笑)。
そういえば、寄宿学校でも授業中に妖精の絵を描いたり仕事を持ちたいなどと言ってクラスメイトの少女たちに引かれていたなぁ。夢想の中に生きてほかの少女たちからは孤立しているそんな子だったよね、シャーロット(華優希さん)は。
たぶん、このシャーロットというヒロインに共感する、あるいは自分を重ねてしまう宝塚ファンはすくなくないのではないかな。

なんだか笑えてしまったのはそんな心当たりが私にもあったからかなと思います。
そしてやっぱり終わりがハッピーエンドだったのも大きいかなと思います。(相変わらず権威主義で無神経なところがあるなぁ景子先生、、と思うところもありましたが。自分がハッピーでいるために踏みつけにしている存在に気づいてもいなさそうなところがあるなぁと。オールオッケーとは思えない部分が)

お芝居ラストのみりおエリュの振り向きざまの表情にいろんなものが過って見えたように思いますが、そのなかに悪戯好きのフェアリーの顔も見えた気がしました。
ああ、これもみりおちゃんが持っているもののひとつなんだなと思って、この期に及んで可笑しくなってしまったのもありました。
思い込み激しく一途に突き進んで破滅していく役がこのうえもなく似合っていたみりおちゃんですが、ほくそ笑む悪戯な妖精の顔もたしかに持っていたよなぁと。
端から見ていてちょっと辻褄が・・とか、えっこれで彼らが誰かのために生きていると思えるの・・とか、唖然とするストーリー運びであっても、心底から心を動かし嘘にならないところ、さすがだなぁと思いました。この純粋さがタカラジェンヌの鑑だなぁと。

この繊細な薔薇様が棲む世界を無邪気に愛した頃、遠く隔たり信じることが出来なかった頃、かけがえのないものと気づく頃。
妖精とは。
自分と重ねてみるとさまざま思うことが過るのは、みりおちゃんやそれぞれの役を演じきった花組の生徒さんたちの力によるものだったなぁと思います。いまの花組はすごく力のある組だなぁとしみじみ思います。芝居の良い組になりましたよねぇ。

「シャルム!」はとても好きなタイプのショーでした。
ちょっと妖しくてミステリアスでクセになるかんじ。スピード感よりも1場面1場面を味わうショー。
そしてなによりもこのショー自体が、「CHARM」みりおちゃんと花組の魅力にあふれ、みりおちゃんの魔法にかけられたショーだなぁと思いました。
そして主題歌が呪文のように頭の中をリピートする(笑)。

いろんな衣装のみりおちゃんが登場して、そのどれもが宝塚らしくて満足でした。
ことに中詰めのドルマンを羽織った軍服姿は、リボン結びのヘアスタイルとともにしっかりと目に焼き付けました。
それにしてもほんとうに実用性のないザ宝塚な軍服(笑)。
ほかの全員がシャンパンやゴールドなどの色味の中で、みりおちゃんだけ深いマルーンカラーのベルベットというのも良かったです。
そして正統派の黒燕尾服。水美舞斗さん、瀬戸かずやさん、柚香光さんとの絡み方も印象的でした。

この日は客席に、麻路さきさん、星条海斗さん、花乃まりあさんがいらしていたようでした。
麻路さんの隣に座ってらっしゃるらしい花乃さんを「泣いてる場合じゃないぞ、かのまり」といじるみりおちゃん。勝手に花乃ちゃんの気持ちを想像してうるうるしてしまいました。(←勘違いも甚だしい)

花組をぐいぐい牽引している目の前のみりおちゃんの姿に、正統派フェアリーだけどもそれだけではない心強く頼もしいトップさんの求心力を見たように思います。
(100周年大運動会の時の姿が思い出されて感慨もひとしおでした)
宝塚に明日海りおというトップスターがいたこと、けっして忘れないと思います。

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