« 2019年12月 | トップページ

2020年1月の1件の記事

2020/01/16

我らはいますべてがほしい。

ことしの観劇初めは1月7日の「ダンス・オブ・ヴァンパイア」博多座千穐楽でした。
赤いハンカチを持って行くようにと言われていたので、真っ赤なカットクロス持参で初参加。すごく楽しかったです。

作品ファンが多いのも「ソング・オブ~」じゃなくて「ダンス・オブ~」なのも納得。
そしてはじめて見る作品なのに時折かんじる既視感。原作の映画を私は見たことがある気がする。はるかむかしに。
そしてそれをリスペクトした創作物たちにも触れたことがあるはず。

それにしても山口祐一郎さんの華と真ん中オーラは凄いなぁ。
声の調子が万全ではないみたいで歌詞が聞き取りにくいのが残念でしたが。すごくテツガク的なことを歌っているような気がする・・わからないけど・・と思いつつ。でも私にはよく聞き取れないのですっぱり諦めて、ここはこの贅沢なエンターテイメントをたのしむことにシフトチェンジ。
山口祐一郎さんの歌でヴァンパイアダンサーの佐藤洋介さんがアクロバティックなパフォーマンスで魅せるシーンはほんとに贅沢だなぁと思いました。

圧巻は出演者ほぼ全員がヴァンパイアになって踊るシーンでしょうか。
——我らはいま、すべてが欲しい——
この尽きることのない欲望は、まさにいまの私たちの姿ではないかと。
どれだけ欲しがるのか。奪い尽くして貪り尽くして次の獲物を求めて彷徨う。まさにこの世界はヴァンパイアだらけ。
ああやっぱり伯爵の歌の歌詞ももっと感じたかったなぁ。深い知性とウィットに触れることができたのでは。ゆうても勝手な期待ですけど。
いつかまた見る機会があったら、こんどは伯爵目線で堪能したいなぁ。

ヒロインのサラ役の桜井玲香さん。乃木坂46の人らしい。
アイドルも変わったなぁ。媚びずに真っ直ぐに自分の実力で勝負するんだなぁ。
お風呂が大好きで、自由に憧れてて、伯爵の招待に応じて家を飛び出して行く。目的のためならリスキーなことも厭わない。というかリスキーなことにワクワクするタイプの女の子を迷いなくストレートに演じているなぁと思いました。
はかりごとのない、誰かを先に行かせて様子を見るより自分が先に行きたい子なんだなぁサラは。
「わたしはまだ何も知らない16の乙女だけれど」とかもったいぶったりもしないのね。その潔さ、好きかもと思いました(笑)。
少なくともそういうことに価値を見出す女の子ではないのねと。やりたいことはやってしまう。怒りたいときは怒る。人の気持ちを慮って病んでしまうような女の子ではないみたい。NOと言える女の子。

東啓介さん演じるアルフレート。
いつの間に危険を冒してまで救出に行こうとするほどサラを好きになったの? 彼女の何を知っているの? という役ですね(笑)。
サラにとってはいいお友達止まりな気がする。お人好しで大いなる勘違いをしてる。だからこそあのラストですよね。そのあたり、2枚目の俳優さんが演じると混乱してしまう気がします。
教授とのかけあいがコミカルで可笑しかったです。もっと2枚目半になるといいなと思いました。

伯爵の息子のヘルベルト役の植原卓也さん。ダンスがキレッキレ。ビジュアルも良かったです。なによりあのコスチュームを着こなすのが凄い。
わけありで生きにくい人(?)なんだろうけど、アルフレートにセクハラして笑いをとるのはもう前時代的だなぁと思いました。

作品のテイスト自体が前時代的ではあるんだけど。そこにいまの風をどう吹き込んでいくかが鍵な作品かなぁ。
すごく深いナニカがありそうなのに、たんなるダンスで盛り上がるだけの作品にしちゃうのはもったいないと思います。
それをどうたのしむかは、見る人しだいですけども。

| | コメント (0)

« 2019年12月 | トップページ