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2020/07/22

風に乗せて伝えよう変わらぬ気持ちを。

7月20日に宝塚大劇場にて花組公演「はいからさんが通る」を見てきました。

ようやく再開された宝塚公演の最初の演目、そして柚香光さんの大劇場トップお披露目公演。
私にとっては2月の星組公演以来の観劇・・と幾重にも待ちに待ったこの日でした。

れいちゃん(柚香光さん)の少尉のなんと素敵なこと。
指の先まで夢と薔薇と甘やかなものが詰まっているとしか思えない。
柚香光はタカラヅカでできています。

華ちゃん(華優希さん)演じる紅緒の愛らしさに頬が緩みました。
けなげさとその魂の強さに涙しました。
女子のおかれた立場の理不尽さに憤るもなにをどこからどうするべきかもわからなくて。
男の真似事をしてみたり八つ当たりをしてみたり強くならねばと気負ってみたり。
紅緒の忙しい気持ちにかつての少女は共感し愛おしく思いました。

そんな紅緒のとばっちりばかり受けている少尉なのだけど、彼が彼女を愛しいと思う気持ちが溢れんばかりにつたわり、そんな少尉もまた愛おしくてたまりませんでした。

異国の血を引く自分に向けられる周囲のまなざし、親に捨てられたと思う寂しさ、わけもなく自分がわるいのだと思うこども。
そんな自分を愛してくれる人たちに報いたいという思いが彼の生き方そのものになっているのも理解できてしまう。贖罪のために生きてしまう人・・。

そんな少尉を心の底から笑わせたのが紅緒なんだなぁと。
「あなたのせいよ!」と真っ向から食って掛かってくる女の子。それ自体は言いがかりでしかないけれど、はっきりと自分を主張する彼女が眩しく輝いて見えたのだろうなぁ。彼には絶対にもち得ないマインドをもっている女の子が。
そんな想像をめぐらせることができるれいちゃんの芝居がとても好きでした。
紅緒のことには少尉もほんの少しだけどエゴを出せるのだなぁと思えてうれしかったりもしました。

原作を読んでいた頃はこんなに少尉の気持ちを考えたことがなかったなぁと思ったり。
そもそもその頃のご贔屓は蘭丸と冬星さん、そして環さんだったなぁと思い出しました(笑)。
舞台で見る少尉と紅緒は、漫画で見ていた時よりもけなげさとせつなさが増していた印象でした。私が彼らよりうんと年上になったせいでしょうか。つい泣かされてしまうのは。
時代背景もなんだかリアルにかんじられました。ぜったいにあり得ない少女漫画の設定なのに・・。でもそこにリアルが見えたなぁ。

見ていると愛おしさが次から次へと溢れてきて、2人のお芝居に引き込まれていきました。

瀬戸かずやさん演じる冬星さんは、とってもマンガチックで世界観を作り出していてさすがだなぁと思いました。
髪をかきあげる仕草、蕁麻疹の表現、そしてとっても酷いことを言っているのだけどそういうキャラだと思わせるところ。
原作でもご両親とのエピソード、とくにお父様との和解の場面がとても好きだったのでもっと見せちゃってくださいと思います。

聖乃あすかさん演じる蘭丸は、原作とはちがう方向の美少年で私好きかも♡
藤娘の美しいこと! あのシーンは紅緒さんのコミカルな表情も見たいのに、ついつい美人に目が奪われてしまって目が足りない~ってなりました。
いつも紅緒にひっつき虫で泣き言ばかり言っているのに(その泣き言の言い方の間が良くて面白くて笑っちゃいました)、少尉に真っ向から物申す場面は凛々しくてでもせつなくて愛おしかったです。

水美舞斗さんの鬼島軍曹が美形で反則!でした。色気だだもれ系(笑)。ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってー!でした。(ちゃんと情報整理できていない・・一瞬に情報量が多すぎて・・)
すんごいマンガチックなアクの強さで釘付けでした。
この世界観で輝くキャラ作りさすがです。

永久輝せあさんの高屋敷要さんも美形で笑っちゃうしか(笑)。まさしくタカラヅカだ——!
少尉と対等に親友で一対になれる高屋敷さん。清潔感がある高屋敷さん、隠しおおせない華、高屋敷さんなのに・・! いいと思います!
狂言回し的な場面の台詞が聞きやすくてよかったです。

 
私にとって花組観劇の愉しみといえば娘役さんなのですが、花娘が健在でうれしかったです。
お馴染みの方々が退団してしまわれてちょっと心配していたのですがマインドはちゃんと受け継がれているんだと思いました。
まだお名前と顔を覚えるところからですが、これからも花組観劇の愉しみにしたいです。
女学生たちの「ゴンドラの唄」もあり、芸妓さんたちの「トンヤレ節」もあり、モガのダンス、雪のダンスもありなのがほんとタカラヅカだなあと、目で耳で愉しませていただきました。


開演前のざわざわがない、いつもとはちがう客席の雰囲気。
けれどプロローグがはじまると観客数が半分とは思えない揃った手拍子の大きさに、まさにファンしかいない空間を実感しました。
ソーシャルディスタンスの客席はとても舞台が見やすくて、これでいつもとおなじ8,800円は申し訳ない気持ちになりました。

5か月ぶりに見た宝塚は愛おしさに溢れる世界で、リスタートがこの作品でよかったとしみじみ幸せに浸りながら帰路に就きました。
あと1回来月のチケットが取れているのですが、無事に見ることが叶いますようにと祈るばかりです。
(星組「眩耀の谷」の2回目の観劇が公演中止で果たせなかった哀しみが・・)

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