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2021/07/03

雨が降らなければ虹は出ない。

6月28日と29日に宝塚大劇場にて宙組公演「シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-」「Délicieux!-甘美なる巴里-」を見てきました。

「Délicieux!」はベルエポック、レザネフォルのパリに可愛いアイシングをかけたような世界観。おそらく地上のどこにもない空想上の「パリ」という憧れの世界を具現化したような多幸感でいっぱいになるショーでした。

でも、甘やかなシャンソンを歌い継ぎ、舞台上のタカラジェンヌと客席とがペンライトで愉しくシンクロしたり甘く美しい狂騒のカンカンで最高潮に盛り上がったり、プチトリアノンで王妃さまと個性的なスイーツを愉しんだりした後で、突如としてR指定の世界になるのがどうしても受け入れられませんでした。
初めはけっこうリアルな小道具たちだなぁ、なかなか本気のボンデージファッションだなぁと思って暢気に見ていたのですが。
だんだん、えっ・・これ・・?となりました。

様式や設定にそうしたものを取り入れたショーならこれまでもありましたが、性的な嗜好そのものをショーとして見せていたものはなかったと思います。
どうぞ性的対象として見てくださいというような。その中には盲目の少女までいて。

これが閉じられた劇場の中だけで完結するならまだいいのですが、映像となってネットにでも流れたら取り返しのつかないことになりはしないのかと心配です。
その前にこれは放送しても良いものなのかも疑問です。
「清く正しく美しく」というモットーは、彼女たちが性的対象として見られないようにと守ってきたものでもあったのではないのでしょうか。
それを自ら破ってしまってどこへ向かおうというのでしょうか。

このあとのラテンの場面からはまた盛り上がって、キュートな娘役さんたちの銀橋渡りやキャンディーケーンを手にした軽快なスウィング、マカロンカラーの衣装が目に涼やかで美しいコーラスの場面ではこの公演での退団者のピックアップもあったりして胸がいっぱいになりました。
カッコイイ男役スターさんたちの歌とダンスに心でキャーキャー叫んで、とてつもなく可愛いピンクのドレスとハットの娘役さんたちに囲まれた芹香さんが華やかに大階段で名曲を歌ったり、黒燕尾の男役さんたちがペアでタンゴを踊った後は、シフォンのブルードレスの潤花ちゃんが登場して芹香さんの歌で真風さんとデュエットダンス・・・こういうのが見たかった!と思うものがこれでもかこれでもかと噴水のように溢れてきて、
最後は振り切れるほど幸せな気分になれるのでまた見に行くのが楽しみなのですが。
切にあの場面は変更を加えてほしいなぁと思います。
安心して宝塚を見に行きたいから。

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