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2021年8月の3件の記事

2021/08/25

街の灯りちらちら。

8月21日に北九州ソレイユホールの望海風斗コンサート「SPERO」に行きました。

登場時のフィンガーウェーブの望海さん、とてもお似合いでときめきました。
えっもしや?と思っていたらやっぱり「シャレード」のイントロダクションだったときは何かの血が滾りました。
「Misty」のジャズヴォーカルの表現力も素晴らしくて聞き惚れました。どんなジャンルでも自在にヴォーカルをコントロールできる人なんだなぁ。
望海さんトップ時代に「ジャズマニア」が見たいと思っていましたが、いまからでも見たい!とあらためて思いました。

ミュージカルナンバーはどれも圧巻でしたが、なかでも「星から降る金」は涙が出そうなくらい歌詞が胸に沁みました。
J-popの場面ではなんだか懐かしいメロディが・・。これ堺正章さんだっけ? ああこんな歌詞だったんだ。この詞(フレーズ)の後にこうくるんだ・・と。よく耳にした曲だったけれど、言葉のひとつひとつをこんなに耳で聞きとって情感を味わったことってなかったです。(あとで確認したのですが作詞は阿久悠さんなんですね)

MCで望海さんもおっしゃっていましたが、雪組トップスターになられてから博多座公演も西回りの全国ツアーもなかったのが残念でした。あったら通ったのになぁ。
コロナ禍のため「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」も「fff-フォルティッシッシモ-」もチケットを持っていた日に休演もしくは観劇を断念せざるをえなくて、縁がなかったのも本ッ当――に残念でした。
(退団直後にルキーニを演じられたエリザベート・ガラコンサートは幸運にも観劇できたのですけど、それだけに本当にあの現役時代の縁のなさはなんなのだろうと・・涙)

トップスター時代はご縁が薄かったのですが、これからさらに活躍されると思いますので、未来のご縁に期待します。
SPERO DUM SPIRO!
そして福岡でまたコンサートを! ぜひまたJAZZを歌ってください!

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2021/08/22

あの日すれ違った道は。

7月29日と30日そして8月3日に宝塚大劇場にて宙組公演シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-」「Délicieux!-甘美なる巴里-」を見てきました。8月3日は千秋楽でした。
(お盆に大雨に新型コロナの感染拡大等々に振り回されているうちに東京公演の初日を迎えていました)

千秋楽は2階から、30日は前方センターで観劇(お隣にはひっそりとOG娘役さんがお座りでした)。
初見の頃は思ったほど奇人ではないホームズにもの足りなさを感じていましたが、おちゃめで誠実な真風ホームズも見慣れて楽しめるようになっていました。
ショーも苦手なところから目を逸らすタイミングも覚えてひたすら多幸感に浸り夢の中にいる心地で過ごした数時間でした。

両作品とも中堅から下の出演者に見せ場が用意されているのも楽しめた理由の一つだったなと思います。
生徒さんたちのステップアップを喜ぶことができるのも宝塚を見つづける理由であることをしみじみと感じる公演でした。
千秋楽には恒例の胸元のコサージュ、そして退団者のアドリブや見せ場に拍手。
パレード後に並んだ時には退団者にスポットも当たっていて、スタッフさんの心づくしに温かい気もちになりました。
愛しい生徒さんたちが卒業していくのがこの公演でよかったと思えたことが私にとってなによりも幸せなことでした。

毎年40人の生徒(と呼ぶ劇団員)を受け入れる宝塚歌劇団ですから、毎年それくらいの生徒さんが退団していかれるのは経営システム上仕方のないことだとは思っています。
彼女たちの有限で尊い時間を売り物にするというある意味とても残酷ともいえるシステムで成り立つ世界。
そこに惜しみなく青春のすべてを懸ける彼女たちへのリスペクトと、その輝ける時間を個人
の楽しみのために消費していることに対する罪悪感とで、言葉では言い尽くせない思いが胸に渦巻いているのですが、それゆえに幸せに卒業の日を迎えてほしいと願い、そののちも1人ひとりが誇りをもって新しい人生を歩んでゆかれることを心から願わずにいられません。

そして始まったばかりの東京公演が千秋楽まで無事に上演され、退団される皆さんを無事に見送ることができますように。
昨今さまざまな舞台の公演中止のニュースを聞くたびに、そう切に切に願わずにいられません。
そのためにもどうか、客席もご協力をと。

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2021/08/07

いちばん大切なものを手に入れた。

愛ちゃんこと愛月ひかるさんが「柳生忍法帖」「モア―・ダンディズム!」の千秋楽(2021年12月26日)で退団することが発表されました。
予感はありつつ外れてほしいと祈っていたのですが、現実になってしまいました。
ようやく世界が愛ちゃんに追いついたところだったのに。

人にも物事にも正直に本音で向き合う愛ちゃん。
甘くコーティングされた関係性を見ているのが好きな人には敬遠されてしまうのかなと悲しく思った頃もあるのですが、いま彼女を認めてくれる人がこんなにいることが素直にうれしいです。

先月バウホールで見た愛ちゃん主演の「マノン」は、学年の若い役者同士ならなんとなくほわほわと埋まって夢のような物語で終わっただろうところを、相手役の有沙瞳ちゃんともども
実直に緻密に演じて、エゴとエゴが絡んで導きあった因果が見える作品になっていました。
これまで愛ちゃんが演じてきた役やその役づくりを思い返すと単純な人物造形にはとてもならなかったのだろうなぁと思います。なにも考えていないなにも思っていない無心の役がいちばん演じにくいだろうなぁと。
ただ存在し動き見つめるだけで見る側の想像を掻き立て成立させてしまう圧倒的
真ん中タイプの役者さんもいますが、愛ちゃんも有沙瞳ちゃんもキャラクターを演じることに長けた役者さんで、これまでの来し方を経ていまがあるのだなぁとしみじみ思いました。

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