奇人たちの晩餐会。
7月10日に博多座にて「奇人たちの晩餐会」を見ました。
ひたすら痛々しい舞台でした。
ピエール役の戸次重幸さんのぎっくり腰の演技が迫真で、とても痛そうで辛い。
笑い者にされるために呼ばれたとも知らず、ピエールを親切な人だと思い込んだまま度を超えた好意を寄せるフランソワ(片岡愛之助さん)を見ているのが心が痛い。
ピエールのイライラ、落ち込み、焦り、困惑、傷心、自暴自棄などの感情がリアルで、HSP傾向にある人には同じ空間にいるだけでしんどい舞台だなと思いました。(私だ)
フランソワがピエールの意図に気づいたときとかもう。
仲間の前でそうとは知らない人を笑い者にして、そうやってピエールは自分の何を守ろうとしているんだろうと考えたり。
そうまでして優越感を感じないといけない心の闇に引きずられそうになるし。
そうせずにいられないピエールがいちばん始末に負えない厄介な愚か者なんだろうと思うし。
とにかく見ていてしんどい。
ピエールの残酷な意図を知ってしまったのに、にもかかわらず傷心の彼を救おうとするフランソワに救われる気持ちになるけど、でもそれは見ている私が安堵したいがための身勝手とも思えて。
こんな夫のもとに戻ってクリスティーヌ(水夏希さん)は幸せになれるのかなと思うし。
やっぱりピエールは1人になって、フランソワに日常生活をぐちゃぐちゃにされながら、なんとなく2人で奇妙なつきあいをしていく未来がいいかなぁと思います。
意外と対等な関係になれそうな気もします。
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