どんなときも
7月31日と8月1日に東京宝塚劇場にて宙組特別公演「Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-」を見てきました。
大劇場公演から1ヶ月
31日マチネと1日は念願の2階席で、大劇場公演を見て気になっていたところ(BLUE ILLUSIONなどなど)気づかなかったこと、を見られて感激しました。
31日のソワレはイープラスの貸切公演。生まれてはじめてのスマチケにドキドキしながら入場しました。
大劇場公演から1か月ほどの時間をおいての観劇だったのでだいぶ冷静に見られた気がします。やはり大劇場公演のときは情緒がおかしなことになっていたようです。
冷静に見てもクオリティの高い見応えある公演であることにはまちがいありませんでした。
そしてあらためて観劇して、いのちに関するナンバーがたくさん歌われていたのだなぁと思いました。だからこそ心にくるものがたくさんあったのだろうと思いました。
帰宅後身内のシリアスな問題に対応したり、まさかの新型コロナ感染症を発症したりでしんどいことが続いたのですが、そんなときに口ずさめる歌があることで私自身メンタルが救われました。
瑠風輝さんの休演
この数日前から瑠風輝さんが体調不良で休演と公式サイトで発表されており、私が観劇した両日も休演のままでした。
その瑠風さんが抜けた大きな穴を宙組の面々が総力を挙げて埋めていて、図らずも宙組のもつ強みを示す結果になったなと思いました。
「まことの愛」を堂々と歌い上げていた風色日向さん。
「パリはシャンパン」の洒脱なパリィ!の真白悠希さん。
山吹ひばりさん美星帆那さんと銀橋を渡りながら歌っていた雪輝れんやさん。
中詰めを含むカーニバルの1章まるごと、もともとの出番に加えて瑠風さんの出番もぶっとおしで歌い踊りまくっていた鷹翔千空さん。
「マンハッタン不夜城」でダンディだった瑠風さんとは打って変わって身のこなしのチャラいダウンタウンボーイが陽気で面白かった亜音有星さん。
鷹翔さんと風色さんのちょっと可愛くなった「アイ・ラブ・レビュー」。
などとくに印象に残っています。
代役のために本来の出番とは違うところに出演する慌ただしさや緊張感のようなものはもちろん感じましたが、大劇場公演と比べて舞台上のみなさんの表情が和らいでいるようにも感じられました。
大劇場では時折顔を覗かせていた悲壮感も薄らいで、シーンの情感そのものを感じられた気がします。
私自身もいろんなものを昇華することができた観劇体験になったと思います。
あらためて宙組への想い
近年の週刊誌によるいくつかのタカラジェンヌのネガティブ報道から有料記事であっても購読したい熱心なファンがいる界隈として認知され、よりセンセーショナルな内容をもとめて噂の発信源を探られて、裏どりのない憶測や一方的な視点で誹謗中傷する記事が書かれファン心理が煽られた日々。その報道禍に何人ものタカラジェンヌや関係者が傷つけられてきたと思います。
反論する術を持たないが故に一方的に発信する側の言い分のみが真実のように語られる。
その渦中にあってひたすら芸に精進してきた彼女たちを目の当たりにして私は愛し続けること以外のことはできないと痛感しました。
変わりゆく時代の流れの中で沈むことなく宝塚歌劇が存続できたのは経営手腕に長けた創始者の存在も大きいけれど、なにより愛好家たちファンダムの支えがあったからこそだと思います。
そのファンの理想や夢の具現として存在してきたタカラジェンヌ。いつの間にか時代との齟齬が生じていたのに看過していたのは私たちファンも同じ。見るべきものから目を逸らして利己的な望みを叶えてくれる存在であることをもとめてきたファンにも担うべき責任があったと思います。そのことを忘れないようにしたいと舞台にいのち輝かせる彼女たちを見ながら心に刻みました。
2日間の観劇を終えて帰宅した翌日、瑠風さん復帰のアナウンスがありました。
あと1公演のみですが観劇する機会がありますので、大劇場公演以来の瑠風さんと復帰した彼女を迎えた宙組をしっかりと堪能し目に焼き付けたいと思います。